私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

野菜は天候によって値段が大きく変化する

しつこいようですが、食費を減らす第一歩は「安く買うこと」にあります。食費節約はすべてここから始まると言ってもいいでしょう。安く買わないことには、そのあと長持ちするように保存の仕方を工夫したり、調理に手間をかけておいしく食べきったりしても意味がありません。初期投資がかかりすぎているので、元がとれないのです。

つまり、食費を減らすには「買い方」が重要であり、買い方を左右するのが「どの店で買うか?」ということになります。何でもスーパーで買えばいいというものではありません。

「八百屋さん」は野菜がお得に買える!

値段の高い食材というと、肉や魚を思い浮かべがちです。確かに、野菜であれば100円でほうれん草1束、にんじん1袋、ピーマン1袋などそれなりの量が買えますが、100円で買える肉は少量になります。メインおかず(=献立の主役になれる肉や魚)は値が張るのです。

しかし、肉や魚は割と値段が安定している食材でもあります。肉の種類や部位によりますが、100グラムあたりの値段はほぼ同じ。お店を決めていれば、安売りしていることはあっても、今日に限って高いということはありません。

一方、野菜は天候の影響を受けて高騰します。雨の日が続いたり、台風が来たりしようものなら、あっという間に値上がりします。安いときには100円で買えるレタスが238円と、2.4倍になることも。だからこそ、野菜を安く買える店を見つけておくことが大事なのです。

スーパーより安い八百屋さんをチェック!

いまどきの食料品の買い物では、スーパーを利用する人が大半です。肉、魚、野菜と何でもそろっているスーパーなら、1軒で買い物が済ませられるのでとても便利です。ただし、お店にもよりますが、スーパーの野菜は若干値段が高い場合も……。

そこで、もし近所に商店街があり、そこに、いわゆる「八百屋さん」があるという人は、是非八百屋さんを利用してみてください。昨今は、大手スーパーの進出によって、めっきり商店街が少なくなりましたが、かく言う私も、「野菜は八百屋で買う派」。私の行きつけの八百屋は、道を挟んで大手スーパーの真向かいにあるのですが、繁盛しています。

繁盛の理由は、ズバリ! 安さにあります。大手スーパーと八百屋さんの仕入れの仕組みの違いについてはよくわかりませんが、とにかく安いのです。スーパーでレタスが198円で売っているとき、その八百屋では108円。ほうれん草がスーパーで168円なら、98円……といった感じです。鮮度や品質も、ものすご~くいいというわけではありませんが、十分合格点です。だから、大手スーパーの向こうを張っても、繁盛しているのだと思います。

閉店間際の値引きを狙うもよし

この八百屋さんは7時閉店で、本当に7時ジャストにシャッターを下ろして店じまいします。そこで、狙い目なのが閉店間際の値引き。6時半ごろから、どんどん値引きが始まります。上の写真の白菜は1/4カットが閉店間際に50円、菜の花は1パック100円だったのが、2パックで50円と大幅プライスダウン。個人商店の八百屋さんだからこその大盤振る舞いです。

食費を減らす上で、近所の八百屋は見逃せません。また、もし家のすぐ近くで産直の野菜などが売られている販売所があれば、そこも行きつけにしてみましょう。地産地消もあなどれませんよ。野菜を安く買うことができれば、それだけでメニューのレパートリーも増えます。あなたもお買い得な八百屋を是非見つけてください。


村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。