私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。ぜひ今日からまねしてみてください。

スーパーの魚売り場に注目!

根が食いしん坊のせいか、とにかくスーパーの食料品売り場が好きです。買い物をするのは仕事帰りが多いですが、生鮮食料品売り場は見ているだけでワクワクしてきます。

特に好きなのが魚売り場。このシリーズの第47回で「スーパーの魚売り場はお得がいっぱい」というテーマで書かせていただいたのも、魚売り場が好きなせいもあります。あくまでも個人的な見解なのですが、魚売り場に活気があって、充実しているスーパーは、他の生鮮食料品もおしなべて品質がよく、スーパーとしてのレベルが高いように思います。

買い物を工夫することで、間違いなく食費が減ります。ただし、むやみに減らせばいいというものではありません。「食べること」=「生きること」ですから、栄養のことを考えることが大切ですし、おいしくなければ食べること自体の楽しさが損なわれてしまいます。安く買って、おいしく食べきってこそ、食費節約は本領を発揮するというわけです。

ぶりのカマが半額で215円!

「カマ」は塩焼きにするのが一番!

魚売り場好きですから、もちろん魚好きです。そんな私が、最近、注目しているのが「魚のアラ」。魚のアラは、陳列ケースの主役席には並びません。隅っこの方か、「ジャマチン」と呼ばれる通路に置かれた陳列棚などに乗っています。

余談ですが、ジャマチンにはお買い得品が置かれることが多いです。魚売り場以外でも、見切り品などがここに置かれることがあります。今日食べたい、買ってすぐに料理して食べるというものでしたら、お得な買い物です。

アラの中でも、私が注目しているのが「カマ」や頭の部分。カマとは、魚のエラの下にある、胸びれがついている部分、つまり頭と胴体の境目あたりですね。見た目は切り身のように整ってはいませんが、この部分は脂がのっていておいしいのです。そして、何より安い!

銀鮭のカマ。脂がのってうまい!

オススメの料理法は塩焼き。魚の生臭さを消すために2回塩をふるのがコツです。塩をふって、20分~30分放置しておくと水分が出てくるので、いったん洗い流し、キッチンペーパーなどで軽く水分をふき取ります。2回目にふる塩は、味つけ用の塩。2回目の塩をふったら、時間をおくことなく焼いてOK。魚焼きグリルの網の上にのせ、脂が落ちるように焼きます。

私の行きつけのスーパーでは鯛の頭がよく出ています。これも塩焼きが美味。頭の部分はお箸では食べにくいので、スペアリブを食べるように、手づかみで豪快にどうぞ。目の周りはゼラチン質なので、美肌効果も期待できそうです。

鯛の頭が2つで298円。頭の下にはアラも入っています。若干食べにくいですが、身は結構ついています

魚売り場に刺身の盛り合わせがたくさん並んでいたら、必ずカマや頭の部分も並んでいます。「今日は刺身の盛り合わせがたくさん出ているな」と思ったら、カマや頭を安くゲットするチャンスです。是非試してみてください。


村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。