私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

1週間の献立は肉と魚をバランスよく

世の中、肉ブームです。お肉も大好きですが、個人的には献立に魚ははずせません。献立を考える基本は、「動物性たんぱく質(肉または魚)+野菜」で、「動物性たんぱく質(肉または魚)」が主菜になります。1週間分の献立の主菜に肉と魚がバランスよく入っていると、献立のバリエーション的にも栄養価的にも合格になると考えています。

というわけで、1週間のうち3回は魚メインの献立にしたいと思っているのですが、魚は意外とお高いのです。お肉の場合、豚肉、鶏肉は100グラム=100円台でそれなりのものが十分買えます。牛肉となると、和牛は別格に高いですが、アメリカンビーフやオージービーフを活用すれば、値段を抑えることができます。

一方、魚は、鮭の切り身などは1切れ=100円の冷凍ものが売っていますが、パサつきが気になってあまりおいしくありません。もう少しおいしい魚を食べたいと思うと、値段もそれなりに上がってきます。しかし、ここであきらめてはいけません。国産の魚を安くゲットする方法があるんです。

スーパーで魚を買うなら時間帯が勝負

私は、魚を買うスーパーをメインとサブの2店にしています。メインのスーパーは魚の種類が豊富で鮮度も抜群ですが、定価で買うと高いのが難点です。狙い目の時間帯は夕方7時以降。主婦の夕食の買い物が一段落した頃から、魚売り場に動きが見られます。

魚は鮮度が命。肉よりも傷みがはやいです。ここのスーパーは全国展開している大手チェーンスーパーなので、品質の良さがウリです。干物やタレに漬けているものは別として、鮮魚は今日中に売り切らなければならないのでしょう。夕方7時以降になると、値引きシールがバンバン貼られるようになります。

値引きシールがついた魚

写真の北海道産・赤かれいは、定価だと1尾=602円(税別)。太平洋産やアメリカ産の冷凍かれいは、安値でも売っていますが、北海道産となると、これくらいはします。それが、50%引きで301円に。

三重県産のうるめいわしは、定価だと3尾=264円。いわしはもともと安価な魚なので、1尾=88円。これでも十分安いところを、50%引きで、何と1尾=44円です。写真をよ~くご覧いただくとわかりますが、実は値引きシールが二重に貼られています。第一弾の値引きで30%引きしたところを、それでも売れなかったので50%引きにしたというわけです。いわしは魚の中でも特に傷みがはやいので、「何が何でも売ろう」というスーパーの大盤振る舞いです。

2段階目の値引きタイミングを読む

1回値引きしたものをさらに値引きし始めるのが、大体夕方7時過ぎから。この時間はスーパーによって異なるので、行きつけのスーパーをつくって、最初のうちは観察する必要があります。魚売り場の動きを読むということですね。値引きが始まる時間帯になると、売り場のバックヤードから値引きシールを手にした店員が出てくるので、それが開始の合図です。

私が魚を買うサブのスーパーも、魚種が豊富で新鮮。ときどきハマチなどの大物を丸ごと1尾売りしていることがあるので、要チェックな店です。もちろん、刺身用、焼き魚用、煮つけ用など用途に合わせてさばいてくれます。サンマ、イワシ、アジなども、すぐに調理できるようにおろしてくれ、もちろんおろす手間は無料です。ただし、魚売り場の店員さんが夕方6時までしかいないので、時間を見極めるのが難しいところ。

6時前だと、魚をおろしてもらえますが、値引き前。7時以降だと、値引きはされているのですが、魚売り場の店員さんが帰ったあとなので、魚をおろしてもらえない。私は、この二者択一をうまく使い分けて、おろし立ての魚が食べたいときは6時前に、刺身、エビ、貝類などを買うときには7時以降に行くようにしています。

行きつけのスーパーの魚売り場を観察して、食生活に魚をもっと取り入れることをオススメします。


村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。