ラーメン業界のドル箱“二郎系・インスパイア系”が社会現象を巻き起こしている2020年10月現在、実店舗のみならず即席カップめん業界にも強い影響を与え、それを模して開発された“がっつり系”の商品が市場を活性化しています。

  • 写真は王道の二郎系ラーメン

    写真は王道の二郎系ラーメン

トレンドはがっつりの二郎系

その源流は、東京都港区三田に本店を構える「ラーメン二郎(ラーメンじろう)」にあり、二郎系とインスパイア系の違いについては諸説あるものの、たとえば上記のように麺が見えないほどの野菜を盛り付け、豚(ぶた)と呼ばれる大きなチャーシューをトッピング。

麺は日清製粉の強力粉(オーション)を使用した加水率の低い極太ちぢれ麺を合わせるなど、普遍的に共通しているポイントがあります。

さて、即席カップめん業界における食べ応え重視の “がっつり系” といえば、二郎系・インスパイア系ではないものの、エースコック(大阪府吹田市)が1988年(昭和63年)から販売を続けているロングセラーブランド「スーパーカップ1.5倍」なしには語れません。

  • 大盛カップ麺のパイオニア

    大盛カップ麺のパイオニア

大盛りバケツ型の容器や90gの麺量など、現在の業界水準となっている仕様はエースコックの「スーパーカップ1.5倍」がパイオニア。2018年9月25日、発売30周年を記念した特盛100gの「スーパーカップMAX」が現れ、定番商品は2020年8月31日のリニューアルより “THEのどごし麺” をアピールし始めました。

定期的に麺を改良しつつ、スープの作り込みにも力を入れているのですが、具材のボリューム感に乏しいのが玉に瑕……というわけで、今回はスーパーで購入できる「もやし」と調味料などを使い、スーパーカップMAXの定番フレーバー「しょうゆラーメン(鶏ガラ醤油)」「みそラーメン(熟成味噌)」「とんこつラーメン(濃コクとんこつ)」をアレンジします。

スーパーカップMAXを簡単アレンジ

  • もやしは電子レンジ加熱がオススメ

    もやしは電子レンジ加熱がオススメ

このページで紹介するレシピは、すべて “ふつうに調理した「スーパーカップMAX」に「もやし」と「+α」を加えるだけ” の簡単ちょい足しアレンジなので、カップ麺は容器側面の作り方に従って調理。

もやしは茹でても炒めてもいいのですが、カップ麺に熱湯を注いでから待っている間に電子レンジで加熱すると効率がいいので、すこし袋を開けてから500Wの電子レンジで2分30秒ほど加熱してください。それでは、順番にアレンジしていきましょう。

しょうゆラーメンには焼肉のタレを

  • 別添の小袋は3種類

    別添の小袋は3種類

最初に紹介するのは、スーパーカップMAXのセンター「しょうゆラーメン(鶏ガラ醤油)」を使ったアレンジレシピ。より滑らかな喉越しになった18番丸中太麺の “THEのどごし麺” を搭載した商品で、スープは後味のキレとコクを両立した、鶏油の芳ばしい鶏しょうゆ清湯を特徴としています。

  • しょうゆラーメン(鶏ガラ醤油)調理後

    しょうゆラーメン(鶏ガラ醤油)調理後

チキンをベースにオニオンやガーリック、ペッパー、そして決め手の鶏油を効かせ、具材には豚バラ焼豚を筆頭にコーン、ねぎ、メンマをトッピングしているのですが、もやし1袋(税込25円)で大幅にボリュームアップ。

  • 安くて美味しい=ジャスティス

    安くて美味しい=ジャスティス

「スーパーカップMAX しょうゆラーメン」の湯戻し時間は熱湯3分、その間に電子レンジで「もやし」を加熱して、カップ麺にトッピングしてからチューブの「生おろしニンニク」と「焼肉のタレ」をかけたら出来上がり。

ベースのスープが醤油味なので、醤油ベースのタレを使ったほうが安パイなのですが、今回は白みそベースのタレ(家にあった「金龍 焼肉のたれ 中辛」)を使用してみたところ、意外にも違和感なくマッチ。もやしから食べ進めてもいいのですが、けっこう麺が柔くなってしまうため、もやしと麺の位置を最初に入れ替えるのがポイント。

  • 大盛バケツ型だから天地返しも余裕

    大盛バケツ型だから天地返しも余裕

焼肉のタレを使っているため、もやしの水分でスープの味が薄くなることもないですし、白味噌のコクが味に奥行きを生み、にんにくが分かりやすくパンチを演出。まだ塩だれや大根おろし系は試していませんが、タレの数だけバリエーションも増えるので、いろいろ試してみてください。

みそラーメンもマシマシに

  • 別添の小袋は2種類

    別添の小袋は2種類

続きまして、冬に食べたくなるスーパーカップMAXの定番フレーバー「みそラーメン(熟成味噌)」は、ポークをベースにジンジャーやガーリックなどの香味野菜を効かせたスープを特徴とし、ラードのコクで後引く味わいを演出。

  • みそラーメン(熟成味噌)調理後

    みそラーメン(熟成味噌)調理後

具材はボリューム感のあるキャベツを筆頭に、肉そぼろ、コーン、ねぎの4種類で、湯戻し時間は「しょうゆラーメン」よりも長めの熱湯4分。以前のカドメンから16番丸太麺の “THEのどごし麺” にリニューアルしたことで、スープとの絡みがよくなりました。

  • バターの量はお好みで

    バターの量はお好みで

「スーパーカップMAX みそラーメン」のアレンジに必要なものは、電子レンジで加熱した「もやし」1袋と「バター」「おろしニンニク」「おろし生姜」「コチュジャン」で、調理後のカップ麺にトッピング。オリジナルのスープにバターは入っていませんが、味噌ラーメンとの相性は言うまでもなく、ニンニクと生姜で香味野菜のアクセントをブースト。

  • 食べ応えも背徳感もマシマシ

    食べ応えも背徳感もマシマシ

多めにバターを入れるとマイルドになりますが、それと対比を描くニンニクのパンチとコチュジャンのキレでバランスをとりつつ背徳感もマシマシ。有塩バターやチューブのニンニク・生姜を使用した場合、それぞれ食塩が入っているはずなので、入れ過ぎに注意してください。

とんこつラーメンは洋風な味わいに

  • 別添の小袋は2種類

    別添の小袋は2種類

さて、最後のアレンジに使うスーパーカップMAXの人気フレーバー「とんこつラーメン(濃コクとんこつ)」は、豚骨ラーメンらしい24番丸細麺の “THEのどごし麺” を搭載し、具材にはゴマ、揚げ玉、ねぎ、キクラゲをトッピング。

  • とんこつラーメン(濃コク豚骨)調理後

    とんこつラーメン(濃コク豚骨)調理後

スープには数種類のポークエキスを使用しているのですが、数年前のスーパーカップらしいジャンクなテイストよりも洗練された印象を受けるため、電子レンジで加熱した「もやし」を入れた後は、好きなだけ「パルメザンチーズ」と「黒胡椒」を振りかけてドーピング。

  • けっこうガッツリ入れてOK

    けっこうガッツリ入れてOK

スープの豚骨感がリアルだった場合、チーズの風味は蛇足に作用することもあるのですが、スーパーカップの豚骨感は昔からインスタント的。そのため意外と違和感なく、さらに黒胡椒を加えることで洋風なテイストに寄せながら、しっかりパンチのある味に仕上がります。ただ、黒胡椒が底に沈みがちなので、定期的に混ぜながらお召し上がりください。

まとめ

もやし1袋は平均200g~250gと地味に多いのですが、スーパーカップの容器は底が深いため、意外と1袋すんなり納まります。また、あくまで上記のアレンジは一例に過ぎません。もやしはラーメンと相性がよく、コストパフォーマンスにも優れた食材なので、調味料や香辛料を工夫しながらアレンジを楽しんでみてください。