「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。

夏の風物詩「花火大会」

東京から地方に引っ越しした時期が夏だったこともあり、引っ越しした当初、地域の情報を収集した際に、「花火大会」のチラシが目に留まりました。

東京で開催される大きな花火大会の観覧のイメージは、「大混雑」「トイレに長蛇の列」「帰りの電車はラッシュ並み」と、どうしてもマイナスのイメージが強かったのですが、地方での花火大会のチラシを見ると、有料席の空席もあり、観覧する場所も分散されていて、ゆっくりと花火を観覧できるかもしれないと思い、引っ越ししたばかりでしたが、花火大会に出かけました。

東京での花火大会とは違い、大混雑というほどではなく、有料席が数か所設けられていて、事前に有料席を購入していたこともあり、ゆっくりと椅子に座って観覧することができました。

私が行った花火大会は、全国から誘致するような大型花火大会ではなく、その地域に住む住民のために開催されている花火大会のような感じでした。地元の方々が昨年に行われた花火大会で打ち上げられた花火との種類の違いなどをにこやかに話されていました。

東京で開催される大きな花火大会の有料席は高額で、なかなか手に入らないと言われていますし、無料で観覧するための場所取りは、かなり苦労するようで、花火大会の場所取りの様子がニュースになるほどです。

そこで今回は、地域ごとに行われる花火大会について調べてみました。

各地域の花火大会(2019年に開催されるもの)

花火大会は、全国で開催されています。2019年8月14日(水)時点で、これから開催される花火大会の一部をご紹介します。

●湯の川温泉花火大会 

・日時:2019年8月17日(土)
・開催地:北海道函館市
・打ち上げ数:3,000発
・有料観覧席:なし
・特徴:メモリアル花火として、プロポーズ、結婚記念、企業や団体などの周年記念などで打ち上げ花火の費用を負担することにより、申込した人のために花火を打ち上げてくれます。

●全国花火競技大会「大曲の花火」

・日時:2019年8月31日(土)
・開催地:秋田県大仙市
・打ち上げ数:約1万8,000発
・有料観覧席:桟敷席6名席2万3,000円、桟敷席5名席1万5,000円、パイプイス席1名席:3,000円など
・特徴:大曲の花火は、1910年から始まり、100年以上の歴史があります。

●諏訪祭湖上花火大会 

・日時:2019年8月15日(木)
・開催地:長野県諏訪市
・打ち上げ数:約4万発
・有料観覧席:有料自由席(ローソンチケットの場合)大人1名4,300円、子供1名1,500円、有料指定席1名4,300円(3歳以上)、カメラマン席(花火撮影を目的として来場される人が対象)1人10,000円など
・特徴:湖上の水上スターマイン(連続発射打ち)や全長約2キロメートルのナイヤガラなどの演出があります。

●泉州 光と音の夢花火2019 

・日時:2019年8月24日(土)~25日(日)
・開催地:大阪府泉南市
・打ち上げ数:約2万5,000発(2日間で)
・有料観覧席:ビーチチェアシート1万2,000円、パイプ椅子シート3000円、立見フロントビュー2,000円、立見サイドビュー500円など
・特徴:楽曲リクエストとして、料金を支払うことで花火を打ち上げる際にかかる曲をリクエストすることができます。投票数で楽曲が採用され、採用された曲に合わせて花火が打ち上がります。

●九州一花火大会 

・日時:2019年9月21日(土)
・開催地:長崎県佐世保市ハウステンボス
・打ち上げ数:2万2,000発
・有料観覧席(すべて前売り価格):SSブロックマス席(最大6名)24,000円、Aブロックマス席(最大6名)12,000円、ソファー席40,000円、SSブロックイス席10,000円、Bブロックイス席2,500円、Cブロックイス席1,200円、カメラ専用席6,000円など
特徴:ハウステンボスに入場して観覧する場合、入場券が必要になります。

終わりに

今回は、花火大会について調べてみました。ほんの一部ですが、花火大会にはそれぞれ特徴があり、有料観覧席の値段も、大きく違います。

調べてみて興味深かったのは、花火を撮影するための席を設けている花火大会が多いことです。友人や家族とにぎやかに花火を観覧する人と分け、集中して花火を撮る環境を作っている花火大会主催者側の心遣いを感じました。

高額な有料観覧席には食事やドリンクが付いているものもあります。また、ふるさと納税の返礼品として「花火大会の観覧席」を贈っている自治体もあります。いくつになっても、大きな花火を見ると笑顔になります。今年の花火大会も後半戦。まだ花火大会に行っていない方は、足を運んでみるのもよいのではないでしょうか。

高鷲佐織(たかわしさおり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。

資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。