「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。

全国一律ではないごみ袋

私が子供の頃、ごみを出すときは、中身が見えない黒色や青色のポリ袋を用いたり、スーパーマーケットなどでもらえるレジ袋を再利用したりするのが一般的でした。しかし、大量に出る家庭ごみの問題が深刻化し、1990年代以降、ごみ袋を有料化する自治体が増加しました。

ごみ袋を有料化した当初は、「なぜごみを捨てるのに、お金を払わないといけないの?! 」と不満に思う人が大多数だったと思います。

また、燃えるごみ、燃えないごみ、資源ごみなどに分別することに対して、どのご家庭も困惑されていたのではないでしょうか。

東京都の郊外から23区内に引っ越しをしたとき、「指定ごみ袋はないの?無料なの? 同じ東京都なのに、どうして?」と疑問に思ったのを覚えています。

東京から地方に引っ越しをした際に、東京23区内には指定ごみ袋がないことを話すと「え! 人口が最も多い地域なのに、ごみが無料なの?」とビックリされる方もいました。

自分が幾度か引っ越しすることにより、「指定ごみ袋」は全国一律ではなく、各地域によって違いがあることがわかったので、今回は、ごみ袋について調べてみました。

各自治体におけるごみ袋の取り扱い(2019年7月16日現在)

全国にある自治体のほんの一部ですが、各自治体のホームページを参照して、ごみ袋の取り扱いについて下記に記載しました。

東京23区以外でも指定ごみ袋がない地域があることがわかり、また、指定ごみ袋がある自治体の中でも、ごみ袋の色や容量、価格に違いがありました。

●北海道札幌市

●宮城県仙台市 

●東京都23区

指定ごみ袋はなく、中身が確認できる透明または半透明の市販のごみ袋やレジ袋で出す。

●東京都八王子市

●愛知県名古屋市

家庭用可燃ごみ袋(赤色)・資源用ごみ袋(青色)・家庭用不燃ごみ用(緑色)
容量:45リットル、20リットル、10リットル
各取扱店で価格がわずかに異なり、インターネットでも購入が可能である。

●大阪府大阪市

特定のごみ袋の製造や販売はしていない。 ただし、中身の見えるごみ袋(透明または半透明)で出す必要がある。

●福岡県福岡市

終わりに

今回は、ごみ袋について調べてみました。指定されているごみ袋については、各市内のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンターなどで取り扱っています。コンビニエンスストアなどでもらう袋では出せないので、注意が必要です。指定ごみ袋の取扱店として、シールやステッカーを目印にしている地域もあります。

たかがごみ袋、されどごみ袋です。ごみがまったくでない家庭は存在しません。家庭で出るごみが多ければ、その分指定ごみ袋代もかさみます。

買い物をする際には、エコバッグを持ち歩き、紙バッグなどをもらわないようにしたり、自宅用ならば、箱詰めされたものではなく、バラ売りのものを購入したり、小さいことですが、少しだけ意識すると、家庭で出るごみを徐々に減らすことができると思います。自分が住む地域に指定ごみ袋があってもなくても、そこで暮らす住民同士、ごみの削減に協力していきたいものですね。

高鷲佐織(たかわしさおり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。

資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。