「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。

道の駅で新鮮な食材物をお買い上げ

皆さんは、道の駅に行ったことはありますか? 東京在住の頃は、車を利用して近くに旅行する際でも、道の駅に気が付かなかったのか、滅多に行くことはありませんでした。

現在住んでいる地域の周りには道の駅がたくさんあり、その地域の特色を生かした道の駅が多いので、旅行の際には、道の駅を見つけると足を運ぶようになりました。

そこには、朝採りされた新鮮な野菜や色鮮やかな果物、またその地元の食材を使った独自の総菜や弁当が並び、東京では見たことがなかった地元野菜もあり、見て歩くだけでも楽しいです。

東京では、仕事終わりに日が暮れてからスーパーに立ち寄り、少しくたびれた野菜を仕方なく買うことも多々ありましたが、現在住んでいる地域では、新鮮な野菜が手に入り、野菜独自の甘さやおいしさを改めて感じることができるので、地方での食生活の豊かさを感じます。

道の駅で販売している食材は、一般的には、スーパーマーケットよりもリーズナブルです。あるいは、スーパーマーケットと同価格であったとしても、道の駅に置いてある方が、1袋に入っている個数が多かったり、1つの食材がずっしりと重くて大きなものであったり、お得感を感じることができます。

そこで、今回は道の駅についてお伝えします。

道の駅とは

国土交通省のホームページによると、道の駅の目的は、「道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供」と「地域の復興に寄与」とされています。また、基本コンセプトとして、以下の3つを掲げています。

①「休憩機能」道路利用者のため
・24時間、無料で利用できる駐車場やトイレ

②「情報発信機能」 道路利用者や地域の人々のため
・道路情報、地域の観光情報、緊急医療情報などを提供

③「地域連携機能」 道の駅をきっかけに町と町とが手を結び活力ある地域づくりを共に行うため
・文化教養施設、観光レクリエーション施設などの地域復興施設

全国の「道の駅」の登録数は、1993年(平成5年)では103駅、1998年(平成10年)には470駅、2008年(平成20年)には900駅と右肩あがりに増加しており、2018年(平成30年)4月現在では1145駅あります。道の駅の数は、25年間で約10倍にもなりました。道の駅の増加は、地域の活性化に貢献している結果なのではないでしょうか。

私が行った道の駅では、訪日外国人の方々も多く見かけました。最近では、大型観光バスが立ち寄り、道の駅自体が観光スポットになっている所もあるようです。

地域ごとの「道の駅」数

地域ごとの「道の駅」は下記の表のとおりです。北海道は面積が広いこともあり、1県で122の道の駅があります。

また、道の駅の数としては関東が175駅で1位ですが、表1においての関東の区分では、9つ(群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、長野県、山梨県、東京都、千葉県、神奈川県)であり、地域ブロックごとに区分した際に、最も多い都道府県数となるためだと思われます。ちなみに、東京都の道の駅は、八王子市にある道の駅1つのみです。

  • 地域ごとの「道の駅」数

終わりに

今回は、道の駅について調べてみました。道の駅では、その地域の特産物があったり、地元の素晴らしい工芸品が販売されていたり、その地域を知ることができる観光案内所が設置されていたり、いろいろな情報を手に入れることができます。

特に観光においては、道の駅の観光案内所付近に置いてあるパンフレット類は、最新のイベント情報が記載されていたり、割引クーポンがついていたり、地元の飲食店や土産店が記載されている地図があったりするので、旅行先で「さて、これからどこにいこう?」と計画を立てる際には、道の駅内の観光案内所に立ち寄ることをお勧めします。

インターネットや全国で販売しているガイドブックには載っていない情報を手に入れることができるかもしれません。

高鷲佐織(たかわしさおり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。

資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。