「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。

夕刊の配達がない!

東京から現在住んでいる地域に引っ越しした当初、たくさんの荷物の整理や、光熱費などの住所変更手続きで、購読している新聞を読むとき間もなく、投函される新聞は、テーブルの上に積んでいました。

荷物の片付けが一段落したとき、お茶を入れて久しぶりにゆっくりと新聞を読もうと、積んでいた新聞を見てみると、「夕刊が届いていない! あれ、配達の方、忘れてしまったのかな? 新聞販売店には、以前と同じように継続しますと伝えたのに、おかしいな」と、夕刊が届いていないことに気づきました。

現在住んでいる地域を担当している新聞販売店に問い合わせとすると「ここの地域は、夕刊はないです。朝刊だけになります。ですので、購読料は朝刊と夕刊のセット版に比べて少しお安いです」と教えてくれました。

「夕刊の配達がない地域がある」ということを、そのとき初めて知りました。そこで今回は、新聞について調べてみました。

地域によって「朝刊+夕刊」または「朝刊のみ」に分けられている

いくつかの新聞社のホームページを見てみると、朝刊と夕刊を届ける地域と、朝刊のみを届ける地域に分けられていました。

上記の3つの新聞社を見てみると、どの新聞社も「朝刊+夕刊のセット版」と「朝刊のみ」の2種類に分けて配達するシステムをとっており、「朝刊」のみの購読料は、「朝刊+夕刊のセット版」よりも月額約900円安くなっています。

また、上記の3つの新聞社の他にも「朝刊+夕刊のセット版」と「朝刊のみ」の2種類に分けて配達するシステムをとっている新聞社が多数ありました。

都道府県別・発行部数(2017年10月現在)

次に都道府県別の新聞発行部数を見てみましょう。

  • (表1)都道府県別・新聞発行部数
    ※出典「日刊紙の都道府県別発行部数と普及度」(一般社団法人 日本新聞協会)を一部加工して作成
    ※新聞協会経営業務部調べ

人口が最も多い東京都が、発行部数合計442万7,495部と一番多く、次に大阪府315万1,213部、3番目に神奈川県282万3,046部と続きます(黄色で表示)。人口の多い都市の方が、新聞購読をされる方が多いようです。

また、多くの地域で、セット部数よりも朝刊の部数の方が多いです。これは、月額の購読料金を支払って定期的に購読している方よりも、駅構内の売店やコンビニエンスストアなどで、朝刊のみを1部買って情報収集する方が多いのかもしれません。

終わりに

今回は、新聞について調べてみました。夕刊は、朝刊に比べて、より日常生活に身近な記事が多く、娯楽や観光情報の収集として読んでいました。夕刊が配達されないのは残念ですが、東京に住んでいた頃よりも購読料が少し安くなったので、その分、雑誌や本など購入して情報収集したいと思っています。

現在は、インターネット媒体で新聞の内容を購読できるサービスもあり、紙媒体で新聞を読まない人もいるでしょう。インターネット媒体は、すぐに欲しい情報が目に入り、新しい情報が次から次へと収集できるので便利です。しかし、私個人としては、紙媒体でゆっくりと気になった記事を読み、調べることでその記事の内容が自分の知識となっていく感覚があります。

インターネットでしかニュースを読まないという方は、一度紙媒体でゆっくりと新聞を読んでみてください。自分が持っていなかった新しい視点や思考に出会うことができたり、1つの記事について自分なりの見解が頭に浮かんだり、と情報収集以外の出来事があると思います。それこそが、紙媒体で新聞を読む1つの醍醐味でもあります。

高鷲佐織(たかわしさおり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。

資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。