新型コロナウイルスの影響で、缶詰の売上が前年同月比で3倍以上も伸びているそうです。調理いらずで便利なのは確かですが、例えばいわしやさんまの蒲焼缶とか、ご飯のおかずにする以外の使い方が分かりません。

そこで缶詰博士に相談してみると「連絡を待っておりました。回答はそばです!」とやけに元気な返信が。そばって、蕎麦のことですか博士?

→これまでのお話はこちら

  • マルハニチロいわし蒲焼(旧商品。今回はどのメーカーの商品でもよし)(写真:マイナビニュース)

    マルハニチロいわし蒲焼(旧商品。今回はどのメーカーの商品でもよし)

意外な伏兵、そば

昔からの定番缶詰に蒲焼がある。さんまやいわしをこんがり焼いて、砂糖醤油の甘辛いタレで味付けした夢のような缶詰であります。

しかし甘辛味は飽きやすいのも事実。炒りゴマをかけたり(香りよし)、わさびをまぶしたり(意外と美味)、いろいろと工夫してご飯のおかずにしてきた。

が、それでも飽きちゃった場合はどーするのか。実はそばとの組み合わせがバッチグーなんです(古いな)。

  • 焦げ目がイイ

    焦げ目がイイ

10位以内キープ

本日もご唱和下さい。開缶!
これこれ、蒲焼缶の魅力は焦げであります。皮が黒く焦げて、ちょっとはがれて、黒い断片となってタレの中にたゆたっている。この焦げは見目うるわしいだけでなく、嗅覚にも訴えてくる。まるで森で焚き火をやっているような匂いがしているのだ。

蒲焼缶は缶詰メーカー数社から出ていて、昔からの人気商品でもある。魚介缶全体の売上を見ると、毎月必ず10位以内にランクインしているくらいだ。

  • いわし箸上げ

    いわし箸上げ

いわし蒲焼=2番打者論

本来、蒲焼缶界の1番打者といえばさんま蒲焼缶である。しかし近年さんまが不漁続きゆえ、1番の地位が危うくなってきた。

そこで急浮上してきたのが2番打者のいわし蒲焼缶である。かつては球界でもつなぎ、バントのイメージが強かった2番打者が、今の時代は出塁+長打力でチームの原動力になりつつある。蒲焼缶界でも同じ流れが生まれているのだ。

いわしはさんまと比べ、脂分が多い。こうして箸上げすると、柔らかくて身が切れてしまうほどだ。

  • いわ蒲そば

    いわ蒲そば

最後のオリーブ油が肝

かくのごとし。いきなり缶成してしまったが、これがいわし蒲焼缶を使ったそば、すなわち「いわ蒲そば」であります。
(口に出して言ってみてください。どこかの地方のそばみたいに聞こえます)

(1)茹でたそばを洗って水気を切り、めんつゆ(濃縮タイプ)を少量かけてざっと混ぜる
(2)いわしの身と海苔、オクラ、大葉、炒りゴマを盛りつけ、缶汁とEVオリーブ油をかければ缶成! 1缶で2人分作れるのだ。

蒲焼の甘辛いタレはめんつゆと同じ系統の味。それにいわしのうまみも入っているから、いわばダシが加わったのと同じでうまみが倍増する。

最後のオリーブ油も肝で、魚介特有の匂いを打ち消してくれる。もしオリーブ油が苦手だったらゴマ油でもおいしいですぞ!

缶詰情報
いわし蒲焼缶ならどのメーカーのものでもおいしく作れます