ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第57回は「#チキンオーバーライス」。
野菜も摂れる!カラフルで具だくさんな屋台飯
ニューヨークの名物グルメのひとつが、ベンダーフードと呼ばれる屋台飯。ホットドッグが有名だが、「チキンオーバーライス」も定番。人気店には長い行列ができる。
チキンオーバーライスとは、ライスの上に鶏肉とトマトやレタスなどの野菜をのせ、ヨーグルトベースのホワイトソースや唐辛子を使ったホットソースをかけた料理。日本のどんぶりのようなワンプレートディッシュだ。ライスはサフランライスが多い。
日本でも以前からチキンオーバーライスを出す店はあったが、ここ数年でカフェやレストランのメニューに登場したり、専門店が増えたりして、ぐっと身近になった。Instagramで「#チキンオーバーライス」のタグが付いた投稿数は約4.7万件。投稿を見ると、テイクアウトやデリバリーで楽しむ人、ゆっくりレストランで楽しむ人などさまざま。色鮮やかでボリュームもあるので、Instagramの投稿を眺めていると無性にお腹が空いてくる。
独自のアレンジメニューもアリ!「WORLD RICE KITCHEN」
全国29の配達エリアで2021年8月よりデリバリー専門のチキンオーバーライス専門店「WORLD RICE KITCHEN(ワールドライスキッチン)」を展開しているのが第一興商だ。
魚介とチキンのうま味を含んだ香り高いサフランライスの上に、粉をまぶして揚げたジューシーな鶏もも肉をのせ、辛みの利いたチリソースとコクのあるシーザードレッシングをかけている。グリーンカール、キャベツ、レッドキャベツ、トマトのサラダ付き。サフランライスは200g、鶏もも肉は150g前後あり、食べ応えも充分だ。
チキンオーバーライスの専門店をオープンした理由については、「日本ではまだ認知度は高くありませんが、サフランライスに鶏肉をのせたスパイシーな味付けは国を問わず日本でも人気が出る味だと考えました。また、野菜も多めに添えることで1食でバランスよく食事ができることから、デリバリーに適していると思い、専門店としてスタートしました」と第一興商 飲食事業運営部の大友敬佑さん。
ユニークなのがこの店ならではのオリジナルアレンジメニュー10種を用意していること。たとえば「イタリアンチキンオーバーライス」は、チェダーチーズ、クリームチーズ、ゴーダーチーズをブレンドした濃厚なチーズソースをかけ、さらにパルメザンチーズをトッピングしている。スパイシーなオリジナルキーマカレーを贅沢にかけた「インディアンチキンオーバーライス」も人気だ。
お客さんからは「タコライスは食べたことはあるけどチキンオーバーライスは初めて食べた」「彩りがよく、スパイシーな味付けでごはんが進む」「意外と野菜も入っているので思ったよりもヘルシー」などの感想が届いているそうだ。
トッピングが豊富「チキンオーバーライス専門店 NYチキンクラブ」
2021年9月にランチ&デリバリー専門ブランドとして営業をスタートした「チキンオーバーライス専門店 NYチキンクラブ」は、東京・神奈川に計3店舗を展開。品川はイートイン(テイクアウトも可)とデリバリー、六本木と横浜はデリバリーのみに対応している。ダイヤモンドダイニングが運営しており、店舗は同社が運営するレストラン「GLASS DANCE(グラスダンス)」内にある。
スタンダードな「チキンオーバーライス」は、ターメリックなど数種のカレー風味のスパイスが利いたサフランライスに、茹でほぐした鶏もも肉がたっぷり。野菜はニンジン、赤キャベツ、アボカド、ミックスビーンズ、ミニトマト、サニーレタスと種類豊富。彩りも鮮やかで食欲を誘う。仕上げには、甘酸っぱいヨーグルトソースと甘辛いスイートチリソースがかかっている。
ニューヨークのスタイリッシュさとボリュームはそのままに、日本人好みのヘルシーさをプラス。最近は糖質制限の需要があることにも配慮し、ライスをサラダに無料で変更することもできるそうだ。「数年前にニューヨークを訪れた際、本場ニューヨークで食べた豪快でヘルシーなチキンオーバーライスの一皿に感銘を受け、“日本の人たちに広めたい”と帰国後試作を何度も繰り返しました」とGLASS DANCEブランド責任者の衛藤洋一さん。新型コロナの影響で予定より開業が遅れたが、満を持してのオープンとなった。
サイズはMサイズ430g(可食量)、Lサイズ500g、XLサイズ700gの3種類。たんぱく質・炭水化物・各種ビタミンと、栄養バランスにも優れている。
トッピングの豊富さも同店の魅力だ。お好みで「目玉焼き」「ソーセージ」「フライドチキン」を加えればさらにボリュームアップ。デリバリー限定では、丸鶏を豪快にのせた「贅沢!!丸鶏1匹」やアスリートにもおすすめの「丸ごとアボカド&チーズ」のトッピングもある。トッピングの種類は今後も増やす予定だというから楽しみにしたい。
十八穀米を使った上島珈琲店のチキンオーバーライス
上島珈琲店では、2021年3月より、3店舗限定(奥沢店/上島珈琲店No.11/Caffera Bar Lounge by 上島珈琲店)で、「チキンオーバーライス」を提供している。
ライスは十八穀米を使用。具は鶏肉に加えて、グリーンリーフ、玉ねぎ、トマト、ニンジン、アボカド、レッドキャベツ、パクチー、ニンニクの8種類の野菜を使用しており、ヘルシー感満載だ。
コーヒー店らしいのが、オリジナルコーヒーオイル(コーヒーや香味野菜などの旨みを移したオイル)を調理に使っていること。「コーヒーオイルで仕上げることで、マイルドなコクが生まれ、深みのある味わいになります」とユーシーシーフードサービスシステムズ商品開発担当の平田信隆さんは話す。
鶏肉はヨーグルトと4種類のスパイスを使って、店舗で漬け込み焼き上げているそう。お好みでライムを絞ればすっきりした味わいになり、味の変化で最後まで飽きずに食べられる。比較的若い人からの注文が多く、「いろいろな野菜を食べることができて嬉しい」「スパイスが利いたチキンが美味しい」といった声が届いているそうだ。
カジュアルな美味しさがニューヨーカーに愛されているチキンオーバーライス。日本でも多くの人に愛されるグルメになる日も近そうだ。