ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第41回は「#デーツ」。

  • オタフクソース「デーツなつめやしの実」に使われているマジョール種のデーツ

自然な甘さの完熟ドライフルーツ「デーツ」

デーツとは、ナツメヤシの実のこと。ナツメヤシはヤシの木の一種で、高温・乾燥に強いため、砂漠地帯でよく育つ。その実であるデーツは中東や北アフリカなどで昔から広く食べられてきた。そのまま食べるのはもちろん、料理やお菓子作りにも使われる。原産地では生のデーツを目にすることもあるが、一般的に食べられているのはドライデーツ。木の上で完熟させ、そのまま乾燥させたものだ。

いま日本で浸透しつつあるのも、このドライデーツ。見た目はプルーンのようで、ねっとりした食感は干し柿にも似ている。食べてみると非常に豊かな甘みがあり、砂糖を使っていないことに驚くほど。真ん中には種が入っているが、抜いてある商品もある。おやつやおつまみとして気軽につまめる手軽さに加え、食物繊維やカリウム、カルシウムなど多様な栄養素が詰まっていることも人気の理由のようだ。

以前は輸入食品店などでしか見かけなかったが、近ごろはスーパーやコンビニでも購入できるようになり、人気が高まっている。Instagramでは「#デーツ」のタグを付けた投稿が約3.4万件見つかる。そのまま食べたり、お菓子づくりに使ったり、いろいろな楽しみ方がされている。

オタフクスソースのデーツが大ヒット

オタフクソースでは、2020年3月に「デーツなつめやしの実」を販売。発売から半年で売上1億円を突破、2021年1月現在までに約1億7000万円を販売するほどのヒット商品になっている。

  • 左:オタフクソース「デーツなつめやしの実」(標準小売価格860円/150g)、右:刻んだデーツを加えたヨーグルト

実はデーツは同社のロングセラー商品「お好みソース」の原料でもある。お好みソースの甘みやコクはデーツ由来のものなのだ。今回デーツそのままを味わえる商品を発売した理由について、「デーツはお菓子よりも罪悪感なく、甘みと栄養が一緒に摂れ、昨今高まる健康ニーズにもマッチした食品です。お好みソースの原料だけではもったいないので、より多くの方に知っていただきたいと思い発売しました」と同社デーツ部部長の下平邦夫さんは説明する。

同商品にはサウジアラビア産の高級品種、マジョール種を使用。デーツの品種は数百から数千種類もあるといわれるが、その中でもマジョール種は大粒で、縦の長さは5cmほどもある。肉厚でねっとりした干し柿のような食感と濃厚な甘みがあり、SNSでは「大きくて甘い!1粒で満足」「砂糖を使っていないのにこの甘さはすごい」などの声がある。保存料・着色料無添加で、砂糖不使用。種はそのまま入っている。

そのまま食べる以外にも、刻んでヨーグルトに混ぜたり、半分に割って種を取り除いてクリームチーズやナッツをのせたり、簡単なアレンジを楽しんでいる人も多い様子。同社の公式ウェブサイトでもアレンジレシピが多数紹介されている。

コンビニで買える種抜きデーツ

ファミリーマートでは、2020年12月より「ファミリーマートコレクション 地中海育ちの種抜きデーツ」を販売中。こちらは地中海のチュニジアで育ったデーツを使用。デーツを初めて食べる人でも食べやすいように、小ぶりであっさりとした品種を選んだそうだ。1パック5粒前後(32g)と気軽に試すのにちょうどよいサイズで、種を抜いてくれているので食べやすい。こちらも保存料・着色料無添加で、砂糖不使用。自然でやさしい甘さにほっとする。

  • ファミリーマート「ファミリーマートコレクション 地中海育ちの種抜きデーツ」(167円/32g)

「ライフスタイルの変化で伸長しているダイエットニーズをとらえ、年々マーケットが拡大しているデーツに目を付ました。まだまだ全国のお客様にご認知いただけていないドライフルーツではありますが、天然由来のナチュラルな甘みをぜひお楽しみください」とファミリーマート 加工食品・菓子グループの新谷太郎さん。

コンビニでデーツを使用したプライベートブランド菓子を発売したのはファミリーマートが初めて。SNSでも「(身近なコンビニで)すぐに手に入るのは超嬉しい」と喜ぶ声が。ほかに「美味しくてびっくり」「ハマりそう」など味も好評だ。

業務スーパーにはチョコレートデーツバーが登場

デーツの加工品も増えてきた。業務スーパーでは、ポーランドから直輸入したチョコレートデーツバーを2020年2月より販売している。

  • 業務スーパー「チョコレートデーツバー」上段ココナッツ&コーヒー、下段左からオレンジ&コーヒー、ピーナッツ&アーモンド(各97円/65g※店舗や時期によって価格や取り扱いが異なる場合あり)

フレーバーは3種類あり、いずれもコク深い甘みのあるデーツをベースに具材をプラスし、チョコレートで外側をコーティングしている。

「ココナッツ&コーヒー」は乾燥ココナッツやローストアーモンド、ココアパウダーなどを加えてあり、ココナッツの風味が南国感を演出。「オレンジ&コーヒー」はオレンジオイルの爽やかな風味とコーヒーの苦みが相性抜群。「ピーナッツ&アーモンド」はローストしたピーナッツやアーモンドの香ばしい香りと食感を楽しめる。

「コーティングのチョコレートにこそ砂糖が使われていますが、中身の甘さはデーツそのものの甘さのため、食べたときに感じる甘さほど、砂糖は多く使われていません。自然の甘みも感じられ、十分な満足感も味わえます」と業務スーパーを運営する神戸物産 IR・広報の芝田涼也さんは話す。

ねっとりした食感で食べ応えがあり、SNSのコメントを見ても、「すごくどっしり」「2、3口で満足できる」など満足度の高さがうかがえる。1個97円という手頃な値段も魅力だ。純粋にチョコレートが好きという理由から商品を手に取る人も多いが、デーツに興味を持って購入する人も少なくないようだ。

さまざまな商品が登場し、身近になってきたデーツ。ねっとりした食感でじっくり噛みながら食べられるので、一気に食べすぎるのも防げる。仕事中の気軽なおやつにもぴったりだ。

※価格は特記がない限り税別