ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第32回は「#バターサンド」。
バターサンドといえば、サクサクのサブレにバタークリームをサンドした昔ながらの焼き菓子というイメージが一般的。バタークリームにレーズンやナッツを混ぜ込んだものなどもあり、北海道のお土産として有名な「マルセイバターサンド」などを思い出す人も多いだろう。
今Instagramでは「#バターサンド」のハッシュタグを付けた投稿が数多く見られ、約4.7万件(2020年9月現在)にのぼる。同様のお菓子として「#レーズンサンド」タグを付けた投稿も多く、そちらも約2.8万件と人気だ。
バターサンドのトレンドとして挙げられるのが、一般的なバターサンドに比べて、挟んであるバタークリームの部分が分厚くボリュームがあること。クリームの色やフルーツなどでカラフルに彩ったものも目立ち、かなりフォトジェニックだ。カフェやパティスリーのアカウントが発信するバターサンドの発売情報には「待ってました! 」というコメントや、「品切れで買えなかった」「今度はいつ販売されますか? 」と再販を待つファンの声も見受けられる。
可愛いキューブ型! 大阪カフェ発のバターサンド「TABLES」
大阪・南堀江で25年続くカフェ「TABLES(タブレス)」が2017年に発売した「堀江バターサンド」は、四角形のサブレにクリームをたっぷりと挟んだキューブ型。フレーバーは「レーズンバター」と「イチゴミルク」の2種あり、Instagram上でも「食べてみたらリピート確定! 」や「お取り寄せしてでも食べたい」という声が相次いでいる。
同店を運営するcafe(カフェ)の飲食事業部 商品企画GMの山口正樹さんによると、「日本一分厚いバターサンドを作ろうと考えたのが商品開発のきっかけです。また、持ち運びの際にも崩れたりしないよう箱にぴったりと収まる形状にしました」とのこと。バタークリームにはホワイトチョコレートを混ぜ込んでいるのが特徴で、食べ応えがあるのに重すぎず、優しい甘みがクセになる味。「レーズンバター」はドライフルーツ、「イチゴミルク」はフリーズドライのイチゴと練乳を使用している。
実際、「Instagramで見て来た」という人の利用が急増しており、1人で何個も購入する人や、プレゼントとして受け取った人からの問い合わせも多く、在庫が切れてしまうときもあるという。店舗で食べられるほか、テイクアウトやオンラインショップなどでも購入が可能だそうだ。
老舗・銀座千疋屋の「プレミアムバターサンド」
1894年創業の老舗フルーツ専門店「銀座千疋屋」からも、今年6月に「プレミアムバターサンド」が発売された。フルーツ専門店ならではの果実感あふれるバターサンドとして人気を集めている。
バタークリームのボリュームだけでなく、そのカラフルさも目を引くこちらのバターサンドは、銀座千疋屋グループ会社が運営する「パティスリー銀座千疋屋」の3店舗(エキュート赤羽店、GINZA SIX店、東京ギフトパレット店)や築地の「銀座千疋屋」で購入ができるほか、六本木ヒルズのカフェ「ニュウスタイル銀座千疋屋」ではイートインも可能。
表面はサクッと、中はしっとりの甘さ控えめのサブレに、国産のフレッシュ無塩バターから作ったクリームを挟んでいる。「空気を含ませて柔らかく練り上げることで、口当たり滑らかなクリームに仕上げています。バターの風味はドライフルーツともよく混ざり、非常にマッチしますので、絶妙なマリアージュを楽しめます」と同社広報室の柴田幸子さん。
ストロベリー、チョコレート、アプリコットチーズ、和栗、ナッツ、オレンジ、ラムレーズン、チョコバナナ、ピスタチオの9種がレギュラーフレーバー。さらに、メロンクリームをベースに、メロンや栗、オレンジなど6種のフルーツを混ぜ込んだ六本木ヒルズの店舗限定の「六本木ヒルズスペシャル」や、東京ギフトパレット店限定の「瀬戸内レモン」のフレーバーなど、限定品があるのも楽しい。
「ゴージャスなパッケージも好評ですが、開封したときのバタークリームもカラフルなので、並べても可愛いとのコメントが多いですね。銀座千疋屋ならではのバターサンドをこれからもSNSで発信したいと思います」(柴田さん)。
ギルトフリースイーツのパティスリーが作る「米粉レーズンサンド」
滋賀県大津市で、ヴィーガンスイーツやロースイーツなど、ギルトフリー(=罪悪感のない)にこだわった商品を手掛けるパティスリー「youpi youpi(ユーピユーピ)」。同店のバターサンドは「レーズンサンド」という商品名で販売中。クリーム部分の分厚さもさることながら、動物性食材不使用、米粉使用、グルテンフリーという点でも注目を集めている。
こちらのレーズンサンドは、動物性のバターは不使用。サブレ生地は米粉やエキストラヴァージン有機ココナッツオイル、クリーム部分はカシューナッツなど植物性食材を巧みに組み合わせて作り出している。ギルトフリーならではの軽い食べ心地と、食材のおいしさを引き出した味わいは、おいしいうえに体への負担も少ないと評判だ。
同店がこのレーズンサンドを発売したのは2017年のこと。同店のパティシエでありローフードマイスター、マクロビオティックセラピストでもある小久保有美さんは「もともとバターサンドが好きで、もっと中身が分厚かったらいいのにと思っていました。さらにそれがヴィーガンスイーツだったらと思いついたことから、どこにもない大満足のスイーツを作ることができました」と説明する。
オンラインのイベント時にはデコレーションが施されたレーズンバターが登場。こちらももちろんギルトフリースイーツだ。「イベント時にオンライン限定で作ったもので、ヴィーガンバタークリームとロースイーツのクリームを絞っています。不定期ですが『VEGANグルメ祭りオンラインモール』で出品しています。その際はSNSで発信をしますので、ぜひチェックしてください」(小久保さん)とのこと。
分厚く満足感のあるスイーツに進化していたバターサンド。可愛く、思わず写真にとってしまいたくなるビジュアルも特徴的だ。ゆったりと過ごすおうち時間に、またはプレゼントにもピッタリなので、機会があればぜひ試してみては。