ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第34回は「#ねこねこ食パン」。

  • 猫好きは必食! 「#ねこねこ食パン」

高級食パンや生食パンなど、しばしば新顔の食パンがトレンドになる昨今、最近新たに話題となっているのが、猫の顔の形をかたどった「#ねこねこ食パン」というもの。猫の特徴であるピンと立った三角形の耳と、全体的にコロンとしたフォルムが特徴的な、オールハーツ・カンパニーが製造する高級食パンだ。そのまま写真に撮るだけでも可愛らしく、さらにサンドイッチやデコレーションなど、アレンジを加えることでフォトジェニックに仕上がると人気上昇中だ。

SNS上ではもともと動物の写真や動画の人気が高く、中でも猫は最大のキラーコンテンツの一つ。特に猫にまつわる可愛い写真は拡散性が高く、「ネコノミクス」という言葉もあるほどだ。そのため猫型グルメ自体は珍しいものではないが、コロナ禍で外出を控えているときでも家で気軽に食べられる食パン需要が高まったこともあいまって、猫型パンがトレンドとなっているようだ。

Instagramでも「#ねこ食パン」「#ねこパン」「#猫型パン」など投稿があるが、特にキャッチーな商品名がヒットした「#ねこねこ食パン」は約4.3万件(2020年10月現在)もあり、人気の高さが伺える。

ミルク100%のやさしいおいしさ「ねこねこ食パン」

  • 猫型だからこそ、通常の食パンとは違う楽しみ方が

ねこねこ食パンを運営するオールハーツ・カンパニーは昨年7月に岐阜にて「ねこねこ食パン」1号店をオープンした。1年余りの間に店舗数は日本全国で59店舗まで拡大し、さらにオンラインショップでも販売している人気商品となった。

シンプルなプレーン(1斤/500円税別)、チーズ、チョコレート(各1斤/680円税別)が通年で販売している定番商品。さらに個性豊かな期間限定の商品も登場する。例えば、通常の白いパン生地と茶色・こげ茶色のパン生地を組み合わせ、まさに三毛猫の顔のように仕上げた「三毛猫」や、シマウマ柄のような縞模様が特徴の「ゼブラ」など。本物の猫にもいろんな毛色があるように、ねこねこ食パンにもいろいろな個性の猫がいるような感覚で、猫好きにはたまらない可愛さだ。

また猫型に目がいきがちだが、味は本格派。こだわりの原材料で、もっちりとした食感に仕上げている。「昨今の高級食パンブームの中で、見た目だけでなくおいしさにもこだわっています。使用する水分は100%ミルクにし、国産小麦を使用して製作しています。ミルク100%の優しい味わいを表現するのに、ミルクを飲む小猫の可愛い姿が連想されたことから、猫型にすることを思いつきました」と同社広報担当者。

猫型だからアレンジを考えるだけでも楽しい!

  • 猫型パンはまるでキャンバス。アレンジして投稿する人続出

Instagramの投稿を見ると、ねこねこ食パンの楽しみ方はさまざま。基本的にはスライスしていない1斤サイズでの販売なので、まずは好きな厚さにスライスしてそのまま。特に買った当日ならシンプルに味わうのがおすすめ。もっちりとした食感とミルクのコク深い味わいが楽しめる。

またトーストしたものにレタスなどをのせてオープンサンドにしたり、ピザトーストやサンドイッチにしたりと食事系の楽しみ方も。通常の四角い食パンに比べて、ランチプレートにねこねこ食パンを添えるだけでもフォトジェニックになる。

さらに、チョコペンやデコレーション用の食材を使用して、好きな猫や動物を自作する人もいる。自分の愛猫に似せて顔を描いたり、好きなキャラクターに仕立てたり。皿ごと1つの絵として精密に書き込む人や、子どもと一緒に楽しんでアレンジをしている人など、おうち時間を楽しむ1つのアイテムとして活用されている様子が見てとれる。Instagramはさながら作品展のようだ。

「SNSでチョコペンやジャムなどで可愛くアレンジして投稿された画像を見たというお客様や、猫好きのお客様から教えてもらったというお声もいただいています。可愛い猫の形と様々なフレーバー展開が好評で、手土産にされるお客様も多いですよ」(同社広報担当者)。

猫型人気はさらに拡大中

猫型食パンは「ねこねこ食パン」以外にも各地のベーカリーでも登場しており、Instagramではいろいろな猫型食パンを見つけることができる。例えば大阪新阪急ホテル内のベーカリー&カフェ「ブルージン」では2017年から「いろねこ食パン」を販売中だ。Instagramではこちらの「いろねこ食パン」をアレンジした投稿も多数見受けられる。

  • ブルージンの「いろねこ食パンMOホワイト(プレーン)」(1袋/450円)

「いろねこ」とは同店で販売されていた、猫の肉球をモチーフにした人気焼き菓子「いろねこのて」にちなんだ名前。猫型をさらにアレンジして食パンを販売したところ、かわいいと評判になり、オリジナルキャラクター「いろねこちゃん」も人気者に。Instagramでもいろねこ食パンにチョコペンで顔を書き入れたり、トッピングを加えているアレンジの投稿は多く、「どこから食べていいかわからないくらい可愛い!」「猫好きにはたまらない」との声が上がっている。

「発売当初から好評をいただいており、販売数も約7~8倍にまで増やしました」と大阪新阪急ホテル管理部の石見由里子さん。いろねこ食パンにはホワイト(あんこ/600円)、cheese(チーズ/600円)、スイートブラウン(チョコバナナ/550円)の味を加えた「いろねこ食パン+(プラス)」もあり、いずれも人気があるという。

家での食事が増えた現在、普段の四角い食パンが猫型になるだけでも食卓が華やぎ、気持ちが癒されるような効果がありそうだ。店頭で見かけたら、ぜひ一度試してみては。

※特記がない限り、価格はすべて税込・テイクアウトの場合