「ジーンズ」をビジネスに取り入れる流れが2017年ころから徐々に見受けられます。伊藤忠商事がはじめた脱スーツ・デーの発表以降、業界を問わず、着実に脱スーツの動きは広まってきました。

もちろん、ジーンズをあえて取り入れる必要性はありませんが、2018年スポーツ庁が施行したスニーカー通勤の影響もあって浸透しているようです。

とはいえ、一歩間違えればオフィスに合わない普段着に見えてしまいます。ジーンズをビジネスファッションにうまく取り入れている人と、普段着のようなダサさを与える人の間には、一体どんな差があるのでしょうか。『真似するだけで印象が劇的によくなる 38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者がお伝えします。

  • 40男にお勧めのジーンズは? 出典:『真似するだけで印象が劇手によくなる38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)/イラスト片倉航(写真:マイナビニュース)

    40男にお勧めのジーンズは? 出典:『真似するだけで印象が劇手によくなる38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)/イラスト片倉航

ジーンズよりデニムを選ぶ

オフィスカジュアルでジーンズをはくとき、やりがちなNGはカジュアルのジーンズをそのままビジネスに取り入れてしまうという事です。スニーカー通勤やジーンズOKという風潮から、カジュアルな格好でいいという誤解が生じがちですが、オフィスに合うジーンズは決まっています。

ジーンズと「デニム」、どちらもインディゴで加工されたパンツという意味では同じものです。また、言葉の定義として、明確な違いはありませんが、イメージの違いはあります。

ジーンズという呼称は、90年代の古着ブームでよく使われていました。ヴィンテージやこれに準ずる加工がなされている印象が強く、リーバイスやエドウィンといった老舗のジーンズメーカーを連想する方が多いでしょう。

一方、デニムという呼称は、00年代のプレミアムジーンズブームでよく使われていていました。ブランドで言うならば、ヌーディージーンズやデンハムなどの比較的新しいジーンズメーカーがつくっている印象です。その特徴は、身体のシルエットをキレイに見せることを前提としたデザインが多いということ。

つまり、両者を分ける明確な定義はありませんが、ビジネスシーンでは、キレイ目に見える「デニム」を合わせましょう。ポイントは色落ちしていない、濃い色を選ぶこと。また、ボディーラインを出す程度にジャストフィットしたサイズが好ましいです。

会社でジーンズ姿をなじませる鉄則

「カジュアルなニットネクタイなら、おしゃれ感も際立って、ジーンズとの相性は抜群です(本文抜粋)」

ビジネスシーンにおけるジーンズ姿こそ、カジュアルに見え過ぎないよう工夫が必要ですが、普段のジャケットやネクタイがそのまま生かせるとは限りません。というのも、ジーンズに普通のネクタイを合わせてしまえば、各アイテムのドレス感が反発してなじまないからです。

ジーンズにネクタイを合わせるコツは、カジュアルなネクタイを選ぶことです。たとえば、ニットネクタイは表面がザックリしているためカジュアルに見えます。

同様に、ジャケットの表面がスーツのようにツルっとしているものより、凹凸感があるザラっとしたタイプがよく合います。カジュアルを象徴するジーンズにビジネスアイテムをなじませるコツは、各アイテムのドレス感をカジュアルに寄せることです。

つまり、シャツはレギュラーカラーよりボタンダウン型が合いますし、シャツ生地もツルっとしたブロード織りよりオックスフォード織りが合うということです。

  • 40男にお勧めする、会社でのジーンズスタイル

    40男にお勧めする、会社でのジーンズスタイル 写真/永友ヒロミ

著者プロフィール: 森井良行(もりい・よしゆき)

エレガントカジュアル 代表取締役
20代後半から40代の男性のファッションを「エレガントカジュアル」でワンランクアップさせる「服のコンサルタント」。 街のセレクトショップを歩き、顧客に試着を繰り返してもらいながら、その人に最も似合う服を探していく独自の「買い物同行」は9割以上の高い満足度を誇る。

著書『真似するだけで印象が劇的によくなる 38歳からのビジネスコーデ図鑑』 (日本実業出版社)