文房具は実用だけじゃない
在宅勤務やリモートワークで問題になることの一つが、ストレスではないだろうか。通勤や移動の手間が省けるのはいいが、家に籠ることがストレスになり、当人や周囲が疲れ果ててしまうケースもあるようだ。
前回も触れたように、文房具業界は在宅勤務を助ける商品をたくさん出している。アフターコロナやウィズコロナが叫ばれる昨今の状況から、しばらくはそれらを紹介していこうと考えているが、まずは、最大の敵といっても過言ではない、ストレスを解消する文房具から取り扱おうと思う。
そう、文房具の「機能」は実用的にとどまらないのだ。
大人も楽しめる、多様な塗り絵
まずお勧めしたいのが、塗り絵。子供向きじゃないの? などと思ってはいけない。今は大人も楽しめる塗り絵がたくさん出ているのだ。
たとえば、封筒で有名なマルアイのNuRIE(ヌーリエ)シリーズはどうだろう。デザイナーとコラボしたあか抜けたデザインも目を引くが、なんといってもユニークなのは、塗り絵をする対象が多様なこと。巨大なキャンバスや実用的な箱、バンダナやハンカチとして使える布、マスキングテープなどに塗り絵を楽しむことができる。
退屈な子どもが夢中になることは間違いないが、大人も楽しめるうえ、塗ったものを使うこともできる。在宅勤務中の空いた時間を塗り絵で過ごすのも優雅ではないだろうか。
女性を癒すスライム
ちょっとしたブームといえば、ぐにゃぐにゃした質感が楽を楽しんだり、感触や香りに癒されることもできる「スライム」もそう。子供時代に洗濯糊などでスライムづくりを楽しんだ方も多いかもしれないが、そのスライム作りを大人の女性も楽しむようになっているのだ。
オンラインでは、「スライム作家」による作品も売られている。見ると、さすが大人というべきか、ビーズを入れたり香料で香りをつけたスライムでスイーツを作ってみたりと、工夫が凝らされている。
もちろん子供も楽しめる。スライムは自作してもいいが、気軽にはじめたいなら、米国のELMER'S glue(エルマーズグルー)のスターターキットなどが便利だ。
大人も挫折する「超難解折り紙」
ここまでは大人と子どもが一緒に楽しめる文房具を紹介してきたが、最後のこれは、子どもには難しいかもしれない。というのも、商品名が「超難解折り紙」からだ。キャッチコピーいわく「心が折れるおりがみシリーズ」。
出しているのは、子ども時代に誰もが遊んだ「教育折り紙」で有名なトーヨーだ。大きくて上質な折り紙と折り方の説明書が入っており、ペガサス、キリン、ドラゴンなど文字通り難解なモチーフを紙一枚で作り上げることができる(はずだ)。無事完成したら、部屋に飾っておこう。プラモデルの感覚に近いかもしれない。ちなみに、私は途中で挫折した。
もし「超難解折り紙」が難しそうなら、やはり動物モチーフの、マルモ印刷の「リアルフェイク」シリーズがいいだろう。こちらは実際の動物写真を印刷したしたリアルな紙で、さまざまな動物を折ることができる。
ざっと見てきたが、大人が楽しめる文房具が増えていることがお分かりいただけただろうか。遊びのための文房具も、進化し続けているのだ。