フエキ糊のデザインのハンドクリーム、マジックインキ柄のソックス、クーピー柄の化粧品……文房具をモチーフにした、しかし文房具ではないアイテムが増えている。かくいう私も、定番文房具をミニチュア化した「文具ミニチュアマスコット」(ケンエレファント)を監修しており、おかげさまで第三弾も発売されたほど好調だ。
なぜ、文房具をモチーフにしたアイテムが増えているのだろうか?
みんな文房具を使ってきた
文房具モチーフのアイテムに共通する特徴は、文房具マニアだけではなく、マニアではないような普通の人たちにも喜ばれていること。それは、モチーフになる文房具が、誰もが知っている定番のものであることからもうかがえる。
結局のところ、みんな文房具を使って大きくなったということだ。大人になるにつれ文房具から離れる傾向はあるが、慣れ親しんだ文房具のことは忘れない。だから、よく知った文房具をモチーフにしたアイテムに出会うと、思わず心が動かされる……というわけらしい。
モチーフになる文房具にはもう一つ共通点があり、それは、今の大人たちが子供のころから売られていたというところ。懐かしさもあいまって、つい手が伸びるのかもしれない。
誰でも知っている。だから話のきっかけに
誰もが知ってるということは、会話のきっかけにもなりやすいということだ。定番文房具をモチーフにしたアイテムを持っていると、他の人から「あ、それは○○ですよね」と話しかけられることもあると聞く。
今は趣味やライフスタイルの細分化が進み、共通の話題が減っていると言われている。誰もが見たTV番組やみんなが知っている歌は、もはや貴重な時代なのだ。だが文房具は、そんな現代にあって、誰もが知っている珍しいアイテムだ。文房具をモチーフにしたアイテムは、今後も増えていくのではないだろうか。