本を読もう、と思い立ったその日が記念日。『今日はナニヨム?』は、あるキーワードをもとに関連本を紹介していくコーナーです。知っている人も、見慣れた風景も、本で読んでみるといつもと違って見えるかも。──そんな本との出会いを作れたらと思います。

ウワサされていたiPad2が、ついに先週アップルから発表され、日本でもネット上はけっこうな騒ぎになっていましたね。薄さ・軽さ、CPUやカメラ搭載もさることながら、やっぱりあのカバーが強烈なインパクトを残しました。メインカラーが水色というところがまた、風呂好きな日本人の心を何ともくすぐるではありませんか。

そんなわけで、3月9日はジェフ・ラスキンの誕生日です。アップルといえばスティーブ・ジョブズですが、初代Macintoshの開発プロジェクトを立ち上げたのはジェフ・ラスキンでした。彼は結局、自らが立ち上げた製品の発売を見ることなく同社を去ってしまうのですが、Macintoshという製品は、アップル(当時はアップルコンピュータ)に、ひいてはコンピュータ業界に大きな影響を与えることになります。

コンピュータ史に残るプロジェクトに関わる一方、ラスキンはApple IIのユーザーマニュアル作成も担当。ユーザーがコンピュータを操作しながら見やすいよう冊子をリング綴じにしたり、説明文を命令口調でなくしたのは彼の功績なのだとか。現在でもアップルの商品説明や広告は、なんだかいい人っぽい感じの独特な雰囲気がありますが、こんなところにもMacintosh生みの親の遺伝子が引き継がれているのかもしれません。

『ヒューメイン・インタフェース――人に優しいシステムへの新たな指針』

出版:ピアソン・エデュケーション
価格:3,045円

[内容紹介]
単に人と機械とのインタフェース(ヒューマン・インタフェース)を検討するのではなくて、人に優しい(humane)インタフェース(著者はヒューメイン・インタフェースと呼ぶ)を構築するために見落としてはならない事を定性的にも定量的にも解説しています。日頃何気なく使っているソフトウェアや機械の機能の背後にある概念(正しい物・間違っている物)を描き出し、正しい方向へ導いています。 (ピアソン桐原 Higher Ed. 事業部HPより引用)



『ヒューメイン・インタフェース』ジェフ ラスキン 著/ 村上雅章 訳

『アップル・コンフィデンシャル2.5J』(上/下)

出版:アスペクト
価格:各2,100円

[内容紹介]
栄光、転落、そして奇跡の復活! iPod、iTunesミュージックストアで世界を席巻! いま最も革命的なITビジネスモデルのルーツに迫る米国版に大幅加筆、アップル インサイド・ストーリーの決定版。写真・図版を多数収録。世界を変えた天才たちの姿を描くビジネスノンフィクションの傑作、日本上陸です。(アスペクトHPより引用)

下巻ではニュートン、オープンドックなど、革新的な技術・製品を持ちながらも、ビジネス的な成功を得られないアップル。度重なる経営戦略の失敗で、ついに会社存亡の危機に立たされる。まさにそのときカリスマ創業者ジョブズが帰還。彼はiMac、iPodを世に送り出し、アップルは奇跡の復活を遂げる。さらに、iTunesミュージックストア(コンテンツ配信ビジネス)とアップルストアの大成功。いまアップルは新たな繁栄期を迎えています。(アスペクトHPより引用)

『アップル・コンフィデンシャル2.5J』(上/下)
オーウェン・W・リンツメイヤー、林信行 著/ 武舎広幸、武舎るみ 訳

『アップル・コンフィデンシャル2.5J』(上)   『アップル・コンフィデンシャル2.5J』(下)
 

『レボリューション・イン・ザ・バレー ――開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏』

出版:オライリー・ジャパン
価格:3,570円

[内容紹介]
オリジナルMacintoshの主要な開発者として知られる著者が、開発現場のありのままの姿を振り返るドキュメント。小規模の研究活動だったプロジェクトの様子から始まり、スティーブ・ジョブズによる乗っ取り、開発中の試行錯誤、Lisaチームとの軋轢、ビル・ゲイツの容赦ないビジネス、出荷直前の緊迫した空気、発表イベントの高揚、そして出荷後目的を見失う中心スタッフと、スティーブ・ジョブズがMacintoshチームから追放されるまでの5年間を描きます。当事者だから書ける生々しい人間関係と、開発者だから書ける正確なディテールはすべての読者を魅了することでしょう。Apple秘蔵の写真を含む、貴重な図版資料を多数掲載しました。本文オールカラー。( オライリー・ジャパンHPより引用)

『レボリューション・イン・ザ・バレー』Andy Hertzfeld 著/柴田文彦 訳