コロナ禍の2021年、密を防ぐ「通勤手段」や「レジャー」としてバイク人気が再燃しました。しかしその一方で、毎日のように事故のニュースも報じられています。バイクは爽快で手軽といえど、転倒や事故を起こせばクルマよりも大けがをする可能性が高い、ということも否定できません。
今回は、マイナビニュース会員に行ったアンケート結果から、「事故経験の有無」と「事故内容のランキング」を紹介します。
バイクで事故を経験した人はどのくらいいる?
Q.あなたはバイク事故にあった経験はありますか?
はい ―――48.5%
いいえ ―――51.5%
アンケート結果では、約半数のバイク乗りが何らかの事故を経験していました。個人の性格やライディングスキル、バイク歴のほか、毎日乗るか休日だけか、といった利用状況によっても事故にあう確率は変化してきますが、“2人に1人は事故にあっている”ということを常に意識しておきたいものです。
「転倒」や「追突」など、多かった事故のケースは?
事故といっても、ちょっとした立ちゴケ程度の転倒から、クルマと衝突してバイクが廃車になったり、自分や他人の命に係わる大事故までさまざまです。それでは次に、具体的な事故内容のランキングを紹介しましょう。
Q.どのような事故に見舞われましたか?(複数選択可)
路外逸脱・転倒 ―――41.3%
追突事故 ―――25.0%
出会い頭 ―――21.2%
対物事故(車両以外) ―――21.0%
対人事故 ―――8.4%
正面衝突 ―――7.0%
追い越し ―――7.0%
列車 ―――3.2%
その他(自由回答) ―――6.7%
■1位:路外逸脱・転倒(41.3%)
事故の中で圧倒的に多かったのが「路外逸脱・転倒」でした。バイクは構造上、直線を走っている状態では安定していますが、カーブでは適切な速度まで減速して一時的に不安定な状態を作り、車体を内側に傾けながらコーナリングさせる乗物です。ここがライディングの難しいところで、ブレーキが間に合わなかったり、カーブの途中からさらに曲がりがきつくなるような道の場合、慣れていない人は車線の外側にはみ出してしまいます。
また、はみ出さないように無理に傾けたり、ブレーキを強くかけすぎるとスリップして転倒する恐れも。サーキットならコースアウトするだけですが、公道では対向車や歩行者、障害物もあるので十分に気をつけるべきでしょう。
■2位:追突事故(25.0%)
追突事故の多くは「脇見」や「漫然運転」が原因といわれています。クルマではオーディオやスマホの操作、カーナビの注視などが挙げられていますが、最近はバイクでもスマホのナビを活用しているライダーも多く見かけますね。これを見るために前方の車間を大きく空けていても、何らかの現認で前車が急ブレーキをかけたり、ほかの車両が割り込んでくることもあるので気は抜けません。
また、ツーリング先で美しい景色に見とれてしまったり、周囲を気にし過ぎることも前方不注意につながります。
■3位:出会い頭(21.2%)
こちらが直進中に対向車線から右折してきた車両と衝突する「右直事故」は、信号のある交差点だけでなく、施設の入り口などでも起こります。十分に速度も落とすこともできず、いきなり目の前に出てきた車両とぶつかるため、バイクだけでなく身体にも大きなダメージを負うリスクもあります。また、信号機や一時停止標識のない交差点や、自転車の飛び出しなどのケースも。「こちらが優先だから」や「相手が見ているはず」と思い込まないことも重要です。
■4位:対物事故(車両以外)(21.0%)
1位の「路外逸脱・転倒」にも関係していますが、何らかの原因でコントロール不能となったバイクが転倒すると、ほかのクルマや施設の外壁などに衝突することもあります。事故はいくつものインシデントが重なっておきるため、普段は安全運転をしていても、雨で濡れたマンホールや路面のペイントで滑ったり、ほかの危険を避けようとして起きてしまうことも。相手が人や車両以外でも、損害を与えたものは賠償しなければなりません。
■5位:対人事故(8.4%)
バイク乗りだけでなく、クルマのドライバーでも一番避けたいのが「対人事故」ではないでしょうか?物損事故では保険に加入していればおカネで解決できますが、人にケガをさせてしまった場合はそれだけでは済まされないことも多々あります。自動車やバイクの免許を持っている人ならば道路交通法を知っていますが、小さな子供や自転車は要注意。夜の時間帯はお酒に酔った歩行者などが飛び出してくることもあります。
半数近くが事故を経験。余裕のある運転と保険の加入を
一番多かったのは「路外逸脱(オーバーラン)」や「転倒」ですが、バイクは身体を使って操舵するため、普段なら問題なく曲がれるようなカーブでも、パニック時には身体が硬直してスムーズなコーナリングができなくなります。十分に余裕を持った運転を心がけたり、ライディングスクールに通ってスキルを磨いておくのも一つの方法でしょう。
市街地で起こりやすい「右直事故」は非常に大きなダメージを負いやすいもの。ヘッドライトを点けていても、対向車のクルマからは見落とされたり、小さなバイクに対して距離感を誤ってしまうことも原因のひとつにあげられています。
相手がクルマや対人ではない「対物事故(車両以外)」も甘く見てはいけません。例えば店舗を損壊した場合、商品や休業補償等も含めて高額な損害賠償が認められたケースもあります。バイクといえども任意保険の加入が安心でしょう。
また、バイク事故を経験した方の割合は約半数となりましたが、実際にはもっと多いはず。なぜなら、回答者は事故を経験しても“元気に回復された方のみ”だからです。
次回は、具体的にどんな事故だったのか?というエピソードを紹介します。
調査時期: 2021年9月3日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1,009人
調査方法: インターネットログイン式アンケート