前回の記事では、「すべての投資が怖いわけではない」ということをご説明しました。投資に関心をお持ちの方は、インターネットや書店などで、投資に関する情報を見聞きする機会も増えているのではないでしょうか。

投資に関する情報の中には、「必ず儲かる」「ローリスクでお金を大きく増やせる」と思わせるようなものも一部にありますが、本当でしょうか。今回の記事では、リスクとリターンの関係についてお伝えしたいと思います。

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「ローリスク・ハイリターン」は存在しない

前提としてお伝えしたいのは、投資というのは必ずリスクを伴うものです。預金であれば減る心配はない一方で、今のような低金利の環境ではほとんど増えることもありません。一定のリスクを取って投資することで、その見返りとしてリターンが期待できます。

ローリスクで(または、ほとんどリスクを取らずに)、高いリターンを得られるということはありません。もしも、リスクを取らずに高いリターンが得られるという商品を勧められたら、そこには隠れたリスクがあったり、場合によっては詐欺の可能性もあるため、注意しましょう。

リスクを理解し、取れる範囲でリスクを取る

投資は必ずリスクを伴うものである以上、リスクを完全に避けようとするのではなく、うまく対処しようと考えるのが得策ではないでしょうか。

投資することによって生じるリスクを正しく理解した上で、自分が取れる範囲でリスクを取ることが重要です。

自分がどれだけリスクを取れるか、自力で判断するのは難しいと思いますので、それを診断してくれるツールを活用することが考えられます。たとえばロボアドバイザーでは、年代や年収、資産運用の目的などの簡単な質問から、リスク許容度を診断する機能があります。こうしたツールを活用し、自分が取れるリスクに合った投資を行うことを、検討してみてはいかがでしょうか。

「長期・積立・分散」で長期的なリスクを抑えることができる

リスクを抑えながら資産を増やすことを目指す方法として、資産運用の王道である「長期・積立・分散」をおすすめします。

世界中の様々な資産に分散して投資することで、特定の資産の価格が急落したとしても、全体を見れば大きなダメージを受けなくても済みます。短期間に高いリターンを得ることはむずかしくなりますが、大きな損失となる可能性を減らし、世界経済の成長を味方につけ、長期的には着実に資産を増やすことが期待できます。

短期で高いリターンを狙う投資方法もありますが、商品選びと売買タイミングの見極めは非常に難易度が高く、利益を上げ続けることはプロにとっても難しいものです。予想が外れると、一度の失敗で大きく資産を減らしてしまうおそれもあります。

いろいろな投資を試してみたいという方には、資産全体を「コア」と「サテライト」に分けて考えることをおすすめします。リスクを抑えながらじっくり資産を増やすことを狙う「長期・積立・分散」をコアとして、資産全体の7割以上を配分しましょう。

そのうえで興味があれば、資産の3割以内を目安に、好きな金融商品に少額で投資してみてはいかがでしょうか。ただし、無理をしてリスクを取りすぎることは禁物です。