アラフォーのコラムニスト・ライターの筆者が、iDeCoを始めてみた体験記を連載でお送りします。今回は1回目として、証券会社選び・銘柄選びについて解説。iDeCoがちょっと気になるという方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • 40代に入ってからiDeCoをスタートしてみた筆者

フリーでも会社員でも老後が不安すぎる昨今

筆者はマネー分野を中心に執筆するコラムニスト・ライターです。資産形成の記事を執筆するなかで、老後の生活について改めて考えさせられる機会が多くなりました。

個人事業主・フリーランスの公的年金は、国民年金のみ。40年間満額納付したとしても、月額で6万5,000円ほどしかもらえません(令和3年実績)。以前は会社員だったので、その期間の厚生年金が多少あるものの、決して心強い金額とは言えない状況……。

別途貯金や資産形成も行っていますが、これからもっと強化しようと思い、iDeCoの利用を決意したというわけです。

会社員の方も老後に不安を感じる方が多いのでないでしょうか。退職金のある会社は減りつつあり、退職金自体の額も減少傾向です。 将来受け取れる厚生年金も減少するリスクがあります。

会社員もフリーランスも、多くの方にとって資産形成に取り組む必要性が増してきたと言えるでしょう。

証券会社選びで重視したことは?

まずは利用する証券会社を選ばないと、何も始まりません。iDeCoで利用できる金融機関は1つのみで、変更するには手間がかかるので、ある程度慎重に考える必要があります。

筆者の場合、以下の点を重視しました。

・取り扱う商品数が多いこと
・低コストのインデックスファンドが豊富なこと
・気になるファンドの取り扱いがあること
・iDeCo以外の金融商品も充実していること(外国株式など)

以上を考慮して選んだのはSBI証券ですが、マネックス証券・松井証券・楽天証券なども迷いました。これらの証券会社もiDeCoの銘柄数が多いので魅力的です。

筆者は今後つみたてNISAや外国株式などの利用も検討しているため、総合力に強みがあると感じたSBI証券を選びました。

なおiDeCoの手数料に関しては、主要なネット証券会社であればどこもそれほど変わらない状況です。たとえば掛金拠出中の月額手数料は171円となっている会社が多いです。

ただし銀行などはさらに多くの手数料が発生する場合があります ので、そちらを選ぶ方は手数料もチェックしましょう。

悩ましいファンド選定……海外先進国の株式に「全振り」してみたぞ!

iDeCoで積立ができる対象商品は厳選されていますが、それでも迷う方もいるかもしれません。筆者の場合は、下記に該当するファンドを選びました。

・海外株式に投資をするインデックスファンド
・米国をはじめとした海外先進国への投資を重視
・信託報酬は年率0.5%未満で低コスト
・純資産が100億円以上で、なだらかに上昇している

個人的には、今後海外の先進国の成長率がさらに高くなると考えています。特にアメリカ経済は強く、定期的に産業のイノベーションを起こす土壌もあり、新たに成長性のある産業を生み出すパワーにも期待できます。

その一方で米国にはP&G、コカ・コーラなど、長きにわたってグローバルでトップクラスの実績を出している企業もあります。新興企業・老舗企業ともに層が厚いのもアメリカ経済の特徴です。

結果、選んだ銘柄は下記の2つです。

・eMAXIS Slim 米国(S&P500)
・eMAXIS Slim 先進国インデックスファンド

日本の株式や債券に関わるファンドは一切含んでいませんので、バランスが取れていないと思う人もいるでしょう。筆者は別の資産形成で日本および債券への投資を行っているので、iDeCoに関しては海外先進国の株式へ「全振り」をすることに決めました。

iDeCo内でバランスを取るのも1つの方法ですが、iDeCo以外も含めてバランスを取る考え方もあります。個人の置かれた状況によって、適切な方法を選ぶことが必要です。

長期的なスタンスで考える

こう説明しながら実は筆者は、これから米国の株価は一時的に伸び悩みまたは下落する可能性も高いと考えています。テーパリング・金利引き上げ・新型コロナによる経済活動の停滞が主な理由です。

ただし10年以上の長期で見れば米国への投資は有効と考えますので、たとえ株価がこの先急落する可能性があるとしても、ここから積立を開始します。

ここまで述べてきた証券会社・商品とも、あくまで筆者の考えに基づくもので、読者の方に推奨するものではありません。ご自身のリスク許容度なども踏まえ、しっかり比較・検討して選んでください。

今回の記事はここまで、次回はiDeCoの加入診断と提出する書類がテーマです。特に会社員の方にとって、iDeCoに加入できるかどうかの診断と提出書類は重要なので、お見逃しなく!

※本記事は投資関連の情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではありません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断で行っていただきますようお願いします。