ふだんの友人との会話と仕事で使う言葉が異なるように、ビジネス英会話も、日常の英会話とは少々異なります。でも、あまり心配しなくて大丈夫。このシリーズでは、知っておくときっと役立つ“ビジネス英語のキホン”を、英会話イーオンさんに教えてもらいます。
第5回は「オンライン会議」。この数年で一気に定着したオンライン会議ですが、英語圏と日本とで「オンラインのコミュニケーション」に違いはあるのでしょうか? すぐに使えるお役立ちフレーズや、気をつけるべきポイントをご紹介します。
オンラインは対面よりも、発話や聴き取りが難しい
日本と英語圏におけるオンライン会議において、アイコンタクトや表情などの参加マナー、服装、環境などに大きな違いはありません。ホストやスピーカーからの質問には「OK.」と声で返答したり、ジェスチャーで反応を示します。ただ、日本では聞く側のマナーとして「頷き」で傾聴を表しますが、海外では日本ほどの頷きで傾聴を表すことはありません。もし様々なバックグラウンドの人が参加するWEB会議であれば、「グロービッシュ(Global English)」が使用されることを念頭に置いておくといいでしょう。グロービッシュとは、ビジネスの場面などで英語を母国語としない者同士が使う、文法や語彙数を制限した“国際共通語としての英語”です。
もちろん、オフラインに比べてオンラインでの発話や聴き取りは、より難しいです。日本でのマナーにも共通しますが、話すとき、聞くときには、以下のポイントを念頭に置いてください。
すぐに使える! 「オンライン会議」定番フレーズ集
それでは、実際に「オンライン会議」で使える定番のフレーズをみていきましょう。
■ホストが使えるフレーズ
・Welcome, everyone. Today’s meeting is about_.(皆さん、ご参加いただきありがとうございます。本日の会議は_についてです)
・Welcome to today’s meeting. These are the issues that we want to talk about.(本日の会議にご参加いただきありがとうございます。本日は、こちらの議題について話したいと思います)
・Welcome, everyone. This is our agenda.(会議にご参加いただきありがとうございます。こちらが本日の議題です)
・The purpose of today’s meeting is_.(本日の会議の目的は_です)
・The meeting today is going to last no more than an hour.(本日の会議は1時間以内で終了する予定です)
・Thank you all for attending at such short notice.(直前のお知らせにも関わらず会議に出席いただきありがとうございます)
■会議を始める
・Are we good to go?/Is everybody ready to start?(ご準備はよろしいでしょうか)
・Let’s get the meeting started./OK, let’s get started, shall we?/OK, let’s kick it off./Let’s get the ball rolling (get the ball rolling = begin).(では会議を始めさせていただきます)
・Today, we are going to start off by looking at (start off by = begin by).(本日はこちらをご覧いただきながら、会議を始めさせていただきます)
■聞こえない、画面が映らない
・I’m having trouble hearing you.(聞こえにくいです)
・I think I may have a problem with the connection.(接続に問題があるようです)
・The screen is blank.(画面に何も映っていません)
・The screen is frozen / You’re frozen.(画面が固まっています)
・The image and sound are out of sync.(映像と音声がずれています)
・You’re breaking up a bit.(少し声が途切れています)
・There’s a bit of an echo on the line.(音が少し響いています)
■説明を求めたい
・Could you speak more slowly, please?(もう少しゆっくり話していただけますか)
・Could you repeat/explain that again?(もう一度言っていただけますか)
・Could you repeat that last bit, please?(最後の部分をもう一度言っていただけますか)
・Could you speak up, please?(もう少し大きな声で話していただけますか)
・I’m sorry, I didn’t get that. Could you say that again?(申し訳ありません、聞き取れませんでした。もう一度言っていただけますか)
■内容をまとめる/会議を終了する
・In summary, we’re going to_.(まとめると、私たちは_するということです)
・This is what we’ve agreed on_.(私たちが同意した点は_です)
・I think we can leave this here for today./I think this is a good place to leave things today.(本日の会議はここまでです)
・We can pick this up again tomorrow/next week/on Thursday/next year.(明日/来週/木曜日/来年に再度こちらについて話しましょう)
【ワンポイント】沈黙は「すべてが大丈夫である」ことを意味する
発話することで、オンライン会議の流れが中断するかもしれません。発話するときは、以下のことに注意してください。
- 必要な情報を伝えたいときだけ発話する。重要な点や質問がある場合は、発話することができます。
- 関心や関与を示したいときは、発話をしない。「うーん」「なるほど」「ああ」などのあいづちは、オフライン会議でスピーカーに注意を払っていることを示すために使用されますが、これらは、オンライン会議中には大きな混乱を招く可能性があります。
- 沈黙は「すべてが大丈夫である」ことを意味します。オフライン会議中には配慮されるかもしれませんが、オンライン会議中に沈黙することは「状況を理解している」ということを表します。
「オンライン会議のお作法」後編に続きます。