ふだんの友人との会話と仕事で使う言葉が異なるように、ビジネス英会話も、日常の英会話とは少々異なります。でも、あまり心配しなくて大丈夫。このシリーズでは、知っておくときっと役立つ“ビジネス英語のキホン”をご紹介します。

第2回目は「アイスブレイクのポイント」。日本の商談では、本題に入る前に “つかみの雑談”で場を和ませることがよくありますが、英語圏ではどうでしょう。話が広がりやすい鉄板ネタや、逆にNGなトピックスとは?

■世間話はとても大切! コツは“共通点を見つける”こと

世間話をすることは、ビジネス上の人間関係を築く上で非常に大切なことです。ビジネスを離れた話をすることで場の空気が和み、それが結果としてビジネスによい影響を及ぼします。

会話を始める方法の1つが、質問やコメントをすることです。今現在いる場所(街や国)での経験、出身地について尋ねたり、天気の話をしたり、また目の前にある事柄や共通の体験についてコメントをしたりするとよいでしょう。

また、会話を続けるコツは、相手との共通点を見つけることです。そのためには、相手の話をよく聞きましょう。自分の知っていることや興味のある話題が出たら、それについてさらに質問をしたり、自分の経験について話すなど、その方向へ話を誘導していくのもよいでしょう。また、相手が興味のありそうなことの情報を与えたり、何かを勧めたりすることもできます。

時には、自分から会話を終わらせる必要があるかもしれません。その場合は、相手に良い印象を残すようにしましょう。去らなければならない理由を述べ、あえて、あるいは話ができて楽しかった、ということを伝えましょう。この先またコンタクトを取りたい、と思った場合には名刺の交換を申し出るのもよいでしょう。

■鉄板のアイスブレイクのネタは?

〇スポーツ、グルメ、レジャー、時事問題(※良い話題)

あなたの会社にクライアントの来訪予定があるときは、短い雑談をして、来訪者をリラックスさせましょう。別の国や地域からの来訪者の場合には、滞在はどうかというようなことについて尋ねるとよいでしょう。

例えば、その都市の滞在について(Have you enjoyed your stay in ○○?)、食べ物について(Have you had ○○?)、名所について(Have you visited ○○?)などを尋ねることができます。また、滞在期間に関する質問(How long will you be staying in ○○?)をするのもいいですね。

Do you know any good places to eat around here?(この辺りで美味しいお店をご存知ですか?)
What do you do in your free time?(余暇は何をされていますか?)
What kind of sports are popular in England?(イギリスではどのようなスポーツが盛んなのですか?)
So, how about (Shohei Otani 選手名やチーム名)?(では、大谷翔平(選手名やチーム名)はどうでしょうか。)
What would you recommend doing while I’m in Sydney?(シドニー滞在中のオススメの過ごし方をおしえてください。)

× 政治、宗教、既婚・未婚、年齢はNG

クライアントや仕事の関係者と雑談をするときは、相手の年齢や政治、宗教、結婚しているかどうかなどに関する話題は避けた方が良いでしょう。人によっては、このような話題はプライベートなことなので話したくない、と思っているかもしれないからです。

【ワンポイント】相手の興味を最大限引き出すには?

クライアントとなる可能性のある人に自分の会社の説明をするときは、相手の興味を最大限に引き出すよう、十分な情報を与えることが大切です。そのためには、事業形態、沿革、ビジネス上の戦略、本社や支社の所在地、従業員数、専門分野などを話すとよいでしょう。ただ基本的な情報を全て相手に伝えるというよりも、会社の得意とするところを手短に伝える、という方が効果的であったりします。

自分の会社の得意とするところは何なのか、また、どのような点が相手に評価されるのだろうか、などの事柄を考え、それらに焦点を当てて話をするとよいでしょう。聞く側からすれば、もっと相手の会社のことを知りたい、ということになり、将来のビジネスにつながるかもしれないからです。

次回は、「相手を褒めるとき」のコツと、鉄板フレーズをご紹介します。