トランプは「戦争好きの忠臣」を切り捨てるのか? 米中間選挙で歴史的惨敗、国防長官に更迭論

米中間選挙で歴史的な大敗を喫した共和党は、責任を押し付ける相手を探している。その筆頭に挙がっているのが、ピート・ヘグセス国防長官だ。この1年半以上にわたり、ピート・ヘグセスはドナルド・トランプ政権にとって、最も頼りになる閣僚の一人だった。

筋骨隆々でエネルギッシュ。周囲に長く居合わせた人間なら誰彼構わず、高強度トレーニング「クロスフィット」の技を仕掛けかねないほど、底なしの活力に満ちている。そして、かつて幼い息子に映画『ブラッド・スポーツ』の格闘シーン以外を早送りさせたこともあるトランプと同様、ヘグセスも暴力をこよなく愛している。とにかく戦争が好きでたまらない男なのだ。自らの肩書にまで「戦争」という言葉を冠するようになり、挙げ句の果てにはトランプが近年まれに見る無謀な戦争に踏み切るのを手助けした。ちなみに「戦争長官」「戦争省」は2025年の大統領令で認められた別称であり、法定の正式名称は今も国防長官・国防総省のままだ。

しかし今週、二人はある現実を思い知らされた。どうやら彼らは、アメリカ国民よりも少々戦争が好きすぎたらしい。有権者は民主党候補に次々と票を投じ、政権与党にとって近年まれに見る歴史的な中間選挙の大敗をもたらしたのだ。こうしてトランプは、ある選択を迫られている。忠実な「テストステロンの巨人」を守り抜くのか、それともヘグセスを切り捨てるのか。

もっとも、トランプ自身が決断を下す前に、事態が動く可能性もある。今年初め、トランプが共和党予備選で対立候補を支持したことでMAGA(トランプ支持派)陣営から事実上追放され、予備選にも敗れたトーマス・マッシー下院議員は、来週の議会再開と同時にヘグセスの弾劾決議案を採決に持ち込むと表明している。ただし、仮にマッシーの決議案が下院を通過したとしても、ヘグセスを罷免するには上院で出席議員の3分の2以上の賛成が必要となる。100人全員が出席した場合は、少なくとも67人の賛成が必要だ。つまり、ヘグセスが国防総省を去る最も現実的なシナリオは、大統領自身が彼の解任を決断することだ。

とはいえ、今のところトランプは慎重な態度を見せている。木曜日に行われたABCニュースのインタビューでは、ヘグセスを「続投させるつもりだ」と明言。「彼についてあれこれ電話がかかってくるんだが、どうしてなのか理解できない」と語った。しかし、その裏では側近たちに、ヘグセスを解任すべきかどうか意見を求めているとも報じられている。

「ヘグセスは更迭候補に挙がっている」。元ホワイトハウス職員の一人はFOXニュースにそう語った。

トランプは、この問題について公の場でも思案を巡らせているようだ。水曜日には、ヘグセスが国防長官として「非常によくやっている」と評価する一方で、仮に別の政治的ポストに転じたとしても「大いに人気を集めるだろう」と発言した。例えば、テネシー州選出の上院議員という選択肢だ。同州のマーシャ・ブラックバーン上院議員は州知事選に勝利したため、2027年には上院議員の職を離れる見通しだ。これにより、新知事となるブラックバーンがヘグセスを後任の上院議員に暫定的に指名する可能性も浮上している。州法上、指名された議員の任期は、次の選挙が行われる2028年11月までとなる。

一方のヘグセスは、相変わらず忠実な兵士を演じ続けている。木曜日には「戦争省では、我々は揺るがない。戦う。そして共和国を守る」と投稿した。

イラン戦争に関与した政権幹部のなかには、すでに先行きの厳しさを察知している者もいる。木曜日には、マルコ・ルビオ国務長官が辞任を検討し、将来の大統領選出馬に向けた活動へ転じる可能性が報じられた。もっとも、ホワイトハウスと国務省はこうした報道を否定している。仮にルビオが辞任すれば、イラン戦争がもたらした混乱の後始末は、事実上、トランプ政権の別の誰かに押し付けられることになる。一方、JD・ヴァンス副大統領は中間選挙後、長文の投稿を公開し、共和党の惨敗は戦争が原因だと主張した。

トランプにとって、この選択は見た目ほど単純ではない。一方では、政治的に壊滅的な打撃をもたらした戦争のさなか、ヘグセスを迅速かつ断固として解任し、元FOXニュース司会者である彼に可能な限り責任を押し付けることが、政治的には得策だろう。しかし他方で、トランプは今なお戦争の真っただ中にいる。そして現在の国防長官は、大統領の命令なら何でも実行する意志があり、そうする強い動機も持っている。今ヘグセスを更迭すれば、国民に対して適切なメッセージを発信できるだろう。だが、政権が急速に求心力を失い、レームダック化する可能性に直面しているトランプにとって、数少ない心から忠誠を誓う閣僚の一人を切り捨てることは、必ずしも魅力的な選択とはいえない。

「つい2日前にも、大統領はヘグセスと同じ部屋にいて、『君は私の最高の部下だ。私にとって一番の男だ』と伝えていた」。ある政権当局者はCNNにそう語った。

別の政権当局者がFOXニュースに語ったように、「トランプが何をするつもりなのかは、本人にしかわからない」のだ。

ヘグセスは、トランプの4年間の任期を、就任時と同じ役職のまま全うできないかもしれない。彼が始めた戦争も、同じように早く終わりそうならよかったのだが。

from Rolling Stone US

At the War Department:

We Stand.

We Fight.

We Defend the Republic. https://t.co/Kkr0DazmCE — Secretary of War Pete Hegseth (@SecWar) November 5, 2026

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