「そういえば最近タワマンの価格上がってるらしいよ」。漫画「#タワマン暮らし」の過去回では、妻のひと言をきっかけに、夫婦が自分たちの購入したタワーマンションの現在価格を調べ始めて......というエピソードをご紹介しました。
「タワマンの価格が上がっているらしい」、調べてみると……✅答えはコチラ!
住み慣れた家も、価格を調べれば「売却できる資産」という側面が見えてきます。ただ、高く売れそうだからといって、誰もが同じ結論に至るとは限りません。暮らしやすさや家族の意向、次の住まいによっても、判断は変わります。
では実際に、タワマンで暮らした経験のある人たちは、売却を考えたときにどうしたのでしょうか。
タワマン居住経験者136人のうち、103人が売却を考えた経験あり
2026年9月30日にマイナビニュース会員を対象に実施したアンケートでは、回答者400人のうち136人(34.0%)が、タワマンでの居住経験が「ある」と回答しました。
その136人に「タワマンを売却しようと思ったことはありますか?」と聞いたところ、「ある」は103人(75.7%)、「ない」は33人(24.3%)でした。
売却を考えた103人の自由回答には、実際に売った人だけでなく、価格を調べて見送った人や、家族の反対で取りやめた人もいました。具体的な声を紹介します。
「もっと高く売れるはず」が、期待外れに
漫画では、現在価格を知った夫婦が売却を考えました。一方、アンケートには、調べてみた価格が期待に届かず、売るのをやめたという声も寄せられています。
・「売却価格をシミュレーションしたが、なかなか思ったような高価格にならなくて売るまでに至らなかった。」(41歳・女性)
・「思いの外金額が高くなく断念していま価格と睨めっこしている」(42歳・男性)
・「希望額よりかなり安かったのでやめた」(46歳・女性)
・「買う時は高いが売る時は安くて売らなかった」(26歳・男性)
・「高く売れるなら、と思ったけど、意外とそうでもなくて、諦めた。」(37歳・女性)
共通しているのは、自分が期待する価格と、売却を検討した際に把握した価格とのズレです。「高く売れるなら」という気持ちは、具体的な金額を知ることで変わることもあるようです。
なかには、断念したあとも「価格と睨めっこしている」という人も。売却を見送ったからといって、関心までなくなるわけではないことがうかがえます。
憧れやステータスより、日々の暮らしやすさ
住まいを評価する基準は、売却価格だけではありません。日常の移動や将来への不安から、タワマンでの暮らしを見直したという回答もありました。
・「ステータス誇示には魅力的だけど将来のことや安全性を考えると不安材料が多く、売却して戸建てに引っ越した」(46歳・女性)
・「ゴミ捨てやちょっとした移動が大変だから」(37歳・男性)
・「移動に時間がかかってめんどくさい」(37歳・女性)
・「不便なので売り払いました」(49歳・男性)
・「最近の地震はすごく怖くて、ものすごく揺れるので一軒家を購入予定」(44歳・女性)
魅力を感じる部分があっても、毎日の小さな負担や、これからの暮らしへの不安が気になる人もいるようです。実際に戸建てへ引っ越した人もいれば、購入を予定している段階の人もいました。
漫画の夫婦が価格をきっかけに売却を考えたのに対し、こちらは生活上の事情が中心です。同じ「売りたい」でも、そこに至る理由は異なります。
家族の意向や、一緒に暮らす人の事情で判断が変わる
自分が売却したいと思っても、家族の意向と一致するとは限りません。また、子育てや親族との同居を通じて、住まいに求める条件が変わることもあります。
・「家族に反対されたのでやめた」(49歳・男性)
・「仕事や子育てと、売却価格を検討して、売却し、子育てのしやすい地域に転居した」(36歳・男性)
・「自分の実親や叔母と一緒に住んだ時期がありますが高齢者には高層階マンションやタワーマンションは不便な部分や不安を感じる部分もあります、自分も少しタワマン暮らしに飽きていたこと、自宅で洗車やDIYが行いにくい事を気にしていた。知り合いの不動産会社が良い価格で買い取ると提案したので売却しました」(38歳・男性)
「家族に反対された」という回答からは、本人と家族で意向が分かれたことが分かります。反対の理由までは書かれていませんが、住まいの売却は、自分の希望だけでは決められない場合もあるようです。
一方、子育てのしやすさや、親族との暮らし、自分の趣味を考慮して売却した人もいました。同じ家でも、誰がどのように暮らすかによって、重視する条件は変わります。
売りたい気持ちはあっても、次の住まいや費用が壁になる
売却するかどうかを考える際には、その後どこで暮らすかも関わってきます。次の物件や費用を検討し、売却を見送ったという声もありました。
・「引っ越し先の、いい物件が見つからずにやめた」(46歳・男性)
・「費用を考えるとそこまで利益が出ないので売っていない」(42歳・男性)
・「だんだん他が高くなってきたのでやめた」(46歳・男性)
・「買い替えが厳しかった」(47歳・女性)
売却への気持ちがあっても、希望する住み替え先が見つからなければ、実行にはつながらないこともあります。また、売却価格だけでなく、費用を考えて判断した人もいました。
漫画の「今のうちに売る」という発想から、実際の行動に移るまでには、次の生活をどう整えるかという検討もあることが見えてきます。
売却を考えたものの、決断や手続きが進まない
迷いや手続きの負担から動けないという回答もありました。
・「現在進行形で検討している最中」(41歳・男性)
・「手続きが面倒くさすぎる」(48歳・男性)
・「売りたいがかなり迷う」(36歳・男性)
・「迷って考えて何もしていない」(44歳・男性)
・「売却の良いタイミングがわからず、行動に移せない」(35歳・男性)
同じ「まだ売っていない」という状況でも、検討中なのか、手続きが負担なのか、時期を決められないのかで事情は違います。
「売ろうと思ったことがある」という回答だけでは、その後の行動までは分かりません。自由回答からは、考え始めてから決断するまでの、さまざまな段階が見えてきました。
想定より高かったから売る人、さらに待つ人
価格を調べた結果、期待以上だったという声もありました。ただし、価格を前向きに評価した人たちの間でも、選んだ行動は分かれています。
・「思ったより高かったので迷わず売った」(33歳・男性)
・「当初の購入価格は上回っているが、もう少し上昇を待ちたいので保留した」(48歳・男性)
・「自分の想定以上に高額で売却出来ると知った」(46歳・男性)
・「調べて意外に高くてよかった」(43歳・男性)
・「資産価値を再確認し持ち続けることにした」(37歳・男性)
「迷わず売った」という人は、漫画の夫婦が考えた行動と重なります。一方で、購入価格を上回っていても、さらに上昇を待つため保留した人や、資産価値を確認して持ち続けることにした人もいました。
価格を好意的に受け止めたからといって、「今が売りどき」という結論になるとは限りません。売ることにも、持ち続けることにも、それぞれの判断がありました。
売却だけではない、人とのつながりを通じた選択
回答には、友人に貸しているケースや、知人への売却、不動産会社との出会いを挙げる声もありました。
・「友人に貸していて賃料をもらっている」(44歳・男性)
・「知り合いに安く譲った」(44歳・男性)
・「いい不動産屋さんと巡り合って売れました」(39歳・女性)
友人に貸すという回答は、「売るか、住み続けるか」以外の選択を示しています。また、知り合いに安く譲ったという人もいましたが、その理由や経緯までは分かりません。
価格を調べたあとの選択には、物件の条件だけでなく、身近な人や取引相手との関わりが登場するケースもありました。
同じ「売りたい」でも、重視するものは人それぞれ
今回の回答には、価格が期待に届かず売却を見送った人、想定以上の価格で迷わず売った人、さらに値上がりするのを待つ人がいました。暮らしやすさや子育てを考えて転居した人、家族の反対で取りやめた人もいます。
漫画では、現在価格を知った夫婦が「今のうちに売ること」を考えました。アンケートでも価格が判断のきっかけになっていましたが、その先には、売却・保有・住み替え・賃貸と異なる選択がありました。
今回紹介したのは、個々の回答者が語った自身や家族などの経験です。特定の世代や性別、タワマン居住者全体の考え方を示すものではありません。
同じ家を見ても、「売却できる資産」としての価値を重視する人もいれば、「家族と暮らす場所」としての使いやすさを大切にする人もいます。立場や生活の変化による小さな「当たり前のズレ」は、住まいをめぐる何気ない会話や、大きな決断にも表れるようです。
調査時期: 2026年9月30日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計400人
調査方法: インターネットログイン式アンケート


