
米テネシー州第9選挙区から連邦下院選に立候補しているブレント・テイラー州上院議員が、近年でもとりわけ呆れるような性的スキャンダルの渦中にいる。2021年にも女性たちに一方的にヌード写真を送っていたとされる疑惑に対し、彼が持ち出したのは、なんとも奇妙な釈明だった。
要するに、まだ若かったのだから大目に見てほしい、というわけだ。
「私も60歳が近づき、若気の至りなど、とっくに過去の話になっている」。この問題を最初に報じた地元紙『ナッシュビル・シーン』に、テイラーはそう語った。「あなたがどんな話をつかんだつもりでいるにせよ、妻はすべて知っているし、ずっと前に夫婦で解決している。神も妻も私を許してくれた。ほかの皆さんにも、同じように許してもらえればと思う」
ただし、この言い訳には少々都合の悪い事実がある。写真を送ったとされる当時、テイラーはすでに50代だったのだ。現代医学のおかげで、中年になっても若々しい活力を保てる人は増えた。とはいえ、それが性器の写真を送りつける行為の、まともな弁解になるとは思えない。
「私のしたことに失望する人がいるのはわかっている。ただ、大切なのは、私に責任を引き受ける意思があると知ってもらうことだと思う」。テイラーは現地時間10月27日、テネシー州の地元ラジオ司会者マット・マーフィーにそう語った。「選挙の7日前にこの話をしたくなかったのなら、そもそもこんなことをするべきではなかった」
マーフィーに対してテイラーは、問題のやりとりを「連絡を取るべきではない相手との、テキストメッセージでのやりとり」だったと説明した。
それでも、テイラーは批判を受け流しているようだ。「私から言えるのは、昔は確かに遊び人だった、ということだけだ」と、『ナッシュビル・シーン』に語っている。彼が使った「rounder」という言葉は、ブルーグラスの歌などで、道楽者やろくでなしを指す際によく登場する。
もちろん問題は、2021年を「昔」と呼んでいいのか、ということだ。しかも、選挙戦でテイラーに大きな余裕があるわけではない。公表されている世論調査は少ないものの、対立候補である民主党のジャスティン・ピアソン州下院議員との差は比較的小さい。それでも、同選挙区では依然としてテイラーの勝利が有力視されている。最近、農村部の白人有権者がより多く含まれるよう、共和党に有利な区割り変更が行われたためだ。この変更によって選挙情勢は大きく変わり、現職の民主党議員スティーブ・コーエンは、再選を目指さず引退する道を選んだ。
ピアソンは、テイラーによる性的なメッセージの送信をめぐる報道と、その釈明についてXで反応した。「ブレント・テイラーが複数の女性に一方的にヌード写真を送りつけていたと知り、強い懸念を覚えている」と投稿。「ごく最近、50代で、しかも公職に就いていた時期の行為であるにもかかわらず、『若気の至り』で片づけようとするのは、ばかげている」
さらに、こう続けた。「ブレント・テイラーのような職業政治家や、ドナルド・トランプのような億万長者は、あまりにも長い間、権力を乱用し、その責任を問われずにきた。こうした加害行為こそ、社会と政治から根絶しなければならない」
一方、31歳のピアソンは、実際に若い。一定の知名度も彼の強みだ。2023年には銃による暴力に抗議する行動に参加したことで、テネシー州下院から一時的に除名され、州内で広く名を知られるとともに、賛否両面の注目を集めた。コーエンが不出馬を決めるより前の約1年前、ピアソンはその議席を目指すと表明している。
「ここは私の故郷であり、私はずっと、この地域のために働きたいと思ってきた」と、ピアソンは昨年、米ローリングストーン誌に語っている。「私たちが望む変化のために、そして私たちが手にするに値すると確信している未来のために闘う。その時が、今なのです」