三井住友海上女子陸上競技部による「スマイルラン教室」が10月17日、富山県総合運動公園で開催された。同部アドバイザーの土佐礼子さんと元選手の福居紗希さんが講師を務め、小学生から大人までの約80名がランニングで汗を流した。

  • 富山にて、三井住友海上女子陸上部による「スマイルラン教室」が開催された

    富山にて、三井住友海上女子陸上部による「スマイルラン教室」が開催された

子どもから大人まで約80人が参加! 秋空の下でランニング

富山駅からローカル路線バスに揺られること40分。県民に親しまれている富山県総合運動公園は、長閑な田園風景のなかにあった。この日のイベントは、青色の400m陸上トラックを7レーン備える補助競技場で行われる。

  • 周囲には田畑が広がる、自然豊かな環境。公園の西には一級河川の神通川が流れる

    周囲には田畑が広がる、自然豊かな環境。公園の西には一級河川の神通川が流れる

  • こちらが富山県総合運動公園。陸上競技場、屋内グラウンド、多目的広場などを備えている

    こちらが富山県総合運動公園。陸上競技場、屋内グラウンド、多目的広場などを備えている

「スマイルラン教室」は、三井住友海上火災保険、トヨタモビリティ富山、三井住友海上エイジェンシー・サービスが主催する市民参加型のランニングイベント。富山市、富山県警察、大塚製薬が共催している。毎年、この時期に開催しており、今年で3回目となる。

  • 補助競技場のトラックに集合する参加者たち

    補助競技場のトラックに集合する参加者たち

抜けるような青空の下、秋風がとても心地良い。まさにランニング日和となった。開会式で、三井住友海上火災保険 女子陸上競技部 アドバイザーの土佐礼子さんは「お天気の良いお休みの日に、遊びに行くのも我慢して来てくれたお子さんたちにもランニングの面白さを伝えられるよう、今日は楽しく皆さんと身体を動かしていけたらと思います」と挨拶する。

また、土佐さんと一緒に講師を務める同部元選手の福居紗希さんは「私も現役時代は、土佐さんからたくさんのアドバイスをいただきました。是非、みなさんにもスマイルラン教室を通じてたくさんのヒントを吸収してもらえたら、と思います」と話す。

  • 元女子マラソン日本代表で現在は三井住友海上火災保険の女子陸上競技部アドバイザーを務める土佐礼子さん(右)と、元三井住友海上女子陸上競技部選手で富山県出身の福居紗希さん(左)

    元女子マラソン日本代表で現在は三井住友海上火災保険の女子陸上競技部アドバイザーを務める土佐礼子さん(右)と、元三井住友海上女子陸上競技部選手で富山県出身の福居紗希さん(左)

今回の教室に関連して、交通安全の啓発活動も行われた。三井住友海上と富山県警察は10月上旬、「地域の交通安全啓発の推進」に関する協定を締結。交通安全イベントの実施や啓発物の作成・配布、交通事故防止に関する情報発信などで連携し、県民が安心して安全に暮らせる社会の実現を目指している。

協定では、三井住友海上の代理店網を活用した継続的な啓発にも取り組む。県警が作成した啓発物を代理店に共有し、日頃の顧客との接点を通じて交通安全を呼びかけていくという。

教室の前日となる10月16日には、土佐さんが富山南警察署の一日警察署長を務め、富山市立大沢野小学校を訪問。高学年の児童を中心に、自転車の交通安全指導を行った。三井住友海上から同校へ反射材を贈呈したほか、県警と同社の啓発チラシも配布し、家庭でも交通安全について話し合うよう呼びかけた。

  • 10月16日、富山南警察署の一日警察署長を務めた土佐礼子さん

    10月16日、富山南警察署の一日警察署長を務めた土佐礼子さん

こうした連携のもと、スマイルラン教室当日にはパトカーも登場。車内が開放され、子どもたちの人気を集めていた。

  • 子どもたちに車内が開放され、大人気となっていた富山県警察のパトカー2台

    子どもたちに車内が開放され、大人気となっていた富山県警察のパトカー2台

まずはストレッチから

スマイルラン教室は、入念なストレッチから始まった。脚だけでなく、肩や腕、腰など、全身をゆっくりと動かしていく。身体の硬い大人からは、ときどき「イタタタ…」という苦笑いの声があがるが、土佐さんは「無理のないように動かしてみてください」と呼びかける。小さな子も、見よう見まねで大人と同じストレッチを行った。

  • 念入りに準備運動、そしてストレッチを行う

    念入りに準備運動、そしてストレッチを行う

  • トラックに仰向けになり、肩まわりをゆっくりと動かすストレッチ

    トラックに仰向けになり、肩まわりをゆっくりと動かすストレッチ

  • 福居さんは、この身体の柔らかさ!!

    福居さんは、この身体の柔らかさ!!

そしてランニングフォームの改善につながる練習も行われた。走るときの身体の動きを細分化し、どの筋肉、どんな関節を使っているのか、参加者に意識してもらう土佐さん。こうした練習を積み重ねることで、よりスムーズな足の運びが実現できるのだろう。

  • 足にタッチしながらジョギング

    足にタッチしながらジョギング

  • 1歩ごとに膝を深く曲げて歩く

    1歩ごとに膝を深く曲げて歩く

  • スケート選手のようにトラックを跳ねて進む練習

    スケート選手のようにトラックを跳ねて進む練習

  • 前傾姿勢を前進するスピードに変える感覚を身につける

    前傾姿勢を前進するスピードに変える感覚を身につける

途中で2回ほど休憩を挟んだ。間髪入れず、よく冷えたポカリスエットを提供する大塚製薬。なお隙間の時間には、ゴム跳びで身体を動かした。土佐さんのリズミカルな足さばきに、きゃあきゃあ言いながら頑張ってついていく子どもたち。

  • 整理運動代わりのゴム跳びで、軽やかなステップを養う

    整理運動代わりのゴム跳びで、軽やかなステップを養う

そして最後に、全員で軽いランニングを行った。練習してきたことを思い出し、実践する参加者たち。笑顔で嬉しそうに走る人の姿が多く見られた。

  • 400mトラックを5周した

    400mトラックを5周した

  • 着地面の柔らかい陸上トラックで走りやすそうだった

    着地面の柔らかい陸上トラックで走りやすそうだった

最後に、参加者から土佐さんに質問する時間がもうけられた。マラソンを走り終えたあとは、どんなクールダウンをしたら良いか、という質問に土佐さんは「基本的には、準備体操と同じことをやれば良いと思います。しっかり深呼吸もして下さい。ランニングのあとは、実は内臓系も疲労しています。肋骨も固まっています。上から触ってあげるだけでも良いので、『今日はよく頑張ったね』などと語りかけながら、優しくマッサージしてもらえたらと思います」と回答する。

  • 参加者から、たくさんの質問が寄せられた

    参加者から、たくさんの質問が寄せられた

還暦を過ぎてからマラソンに挑戦しているという男性は、ランニング前に何を食べたら良いか分からずバナナ1本しか食べていない、と打ち明ける。これに土佐さんは「バナナ1本だけじゃ、ちょっと足りません。お餅を1個追加するとか、炭水化物をしっかり摂取して欲しいです。でもお腹いっぱいになると消化にエネルギーを使っちゃうので身体が疲れます。空腹にならない程度の量が良いと思います」。

運動会で徒競走に出場するという小学生の女の子は、速く走るコツについて聞いた。「腕を速く振る練習をしてみてください。特に、肘を後ろにしっかり引くことを意識してみて。がんばってね」と土佐さん。

走る魅力について聞かれると「マラソンは走りきったあとの達成感が大きな魅力のひとつです。ランニングすると、気持ちもリフレッシュできます。富山県民の皆さんは、こんな素晴らしい運動場を無料で使えるんですね。走る場所がある、というのはそれだけで恵まれた環境です」。

現在は、現役時代のような食事制限はしていない、と土佐さん。さまざまなものを食べながらも、食べる量は減らしている、と話す。「あの人、本当にマラソン選手だったの? って言われないように…。昔は大食いでしたが、少食になりました」と笑顔をみせた。

フルマラソンを走っていると精神的にも辛くなってくるんですが、どうやって乗り越えたら良いですか、という質問には「みなさんの中には『30kmの壁』と思っている人も多いと思います。すると30kmに到達するまでがキツくなります。私は『30kmからスタートする』くらいの気持ちで走っています。キツい、辛いと思うと本当にしんどくなるので、脳をごまかしちゃう。キツくないんだ、30kmからスタートなんだから、という気持ちです。これは練習の段階から訓練しておくことが大事です。マラソンって、キツいところを乗り越えると楽になる時間が訪れます。その繰り返しなので、練習ではキツい山場を乗り越える経験もしてもらえたら、と思います」。

走っていると膝が痛くなるんですが、という質問には「私も先日、フルマラソンに出たら膝が痛くなりました。その原因として、前ももが張っている、ということがあります。なので、しっかりマッサージしてください。ランナーは30kmを過ぎたあたりから、身体の色んなところが張ってきます。その影響が全て膝の痛みにつながってしまうこともあります。前もも、臀部、腰の張りをほぐす、そのためにストレッチをしてケアする、そんなことを頭に入れておいてください」とアドバイスした。

閉会式で、土佐さんは参加者に向けて「これからも健康イチバンで、長く走り続けてもらえたら」と呼びかけた。福居さんは「私も現役時代はたくさんの怪我に悩みました。お時間のあるときに、少しずつ体操、ストレッチを続けることで身体に柔軟性も出てきます。関節の可動域が広がれば、膝、足首の負担も減って痛くなりにくくなると思うので、少しずつ動かしてもらえたらと思います」とする。なお福居さんは、これからも県内でマラソンを続けていくそう。「走っている姿を見かけたときは声をかけてください」とはにかんだ。

最後に、三井住友海上火災保険 富山支店長の中田康太郎氏に話を聞いた。「昨年はあいにくの空模様で、スマイルラン教室も室内競技場で開催しました。今年はお天気に恵まれ、青空の下で開催できて本当に良かったです」と中田氏。

  • 三井住友海上火災保険 富山支店長の中田康太郎氏

    三井住友海上火災保険 富山支店長の中田康太郎氏

イベント開催の意義について聞くと「従来なら、保険会社はこうした取り組みには参加してこなかったと思うんです。でも保険会社の原点は、地域に防災、防犯、安全をお届けすること。そこで、私たちから発信していけることはないか、と考えるようになりました。とはいえ、保険会社の支店の発信力は微々たるものです。トヨタモビリティ富山さんなど、お取引先にもご協力いただいて、これを大きなウェーブにしていければ良いですね。こうしたイベントは地域の皆さまと繋がる、大変ありがたいお客様接点です。今後も、積極的に開催していければと思っています」と話す。

現在、三井住友海上火災保険の富山支店では地震のときに電気を落とす『感震ブレーカー』のほか、家屋の耐震補強、そして家具の固定などを地域の住民に訴求している。

「来春には、お取引先の皆さまに参加いただく“防災コンソーシアム”の実現も目指しています。また富山県警、富山大学の協力の下、保険会社に入ってくる事故のデータを分析することで事故のない社会を実現する、そんな取り組みも進めてまいります」と中田氏。 イベントの今後については「スマイルラン教室に参加するパートナー企業も増やすなどして、より大きな催しにしていけたら、と思っています」と抱負を語った。