JADEが語る「Angel of My Dreams」2年越しの大ブレイク、世界的ヒットまでの道のり「時代を超える名曲を作りたかった」

今年8月のサマーソニックでソロ初来日を果たした、元リトル・ミックスのジェイド(JADE)。その2カ月後、彼女は思いがけない形で注目を集めることになった。10月18日に開催されたヴィクトリアズ・シークレットのファッションショーで、約78億円相当の「ファンタジー・ブラ」を身につけたカイリー・ジェンナーのランウェイを、2024年発表のソロデビュー曲「Angel of My Dreams」が彩ったのだ。これをきっかけに同曲のストリーミング再生数は急増し、2年越しの大ブレイクへ。長年追い求めてきた成功や2ndアルバムの制作など、ジェイドが現在の心境を率直に語った。

「自分の曲だから言っているわけじゃないんですけど、『Angel of My Dreams』は本当に素晴らしいポップソングだと心から思っています」。ソロデビュー曲が再び脚光を浴びていることについて、ジェイドはRolling Stoneに語った。

ジェイドが週に一度のセラピーに通うために地下鉄に乗るとき、普段なら移動中にわざわざTikTokの動画を作ることはない。だが、今週は違った。というより、この英国のポップアーティストを取り巻くすべてが、突然変わってしまったように感じられる。「この地下鉄に乗っている人たちは誰も、ヴィクトリアズ・シークレットのファッションショーで、カイリー・ジェンナーがファンタジー・ブラを着けて歩いたときに私のデビューシングルが流れていたなんて知らないんだろうな」。そんなキャプションを添えてジェイドが投稿した動画は、その後1300万回再生され、220万件の「いいね」を集めた。

ヴィクトリアズ・シークレットがファッションショーで「Angel of My Dreams」を使用したがっていることは、ジェイドも知っていた。2024年発表のソロデビューアルバム『THAT'S SHOWBIZ BABY!』からのリードシングルだ。だが、リリースからすでに2年半が経っていることもあり、これほど重要な場面で使われるとは思ってもいなかった。サプライズで登場したジェンナーは、5000万ドル相当(約78億円)とされるクリスタルを散りばめた「ファンタジー・ブラ」を身につけ、巨大な白い天使の翼を背負いながら、「Angel of My Dreams」に合わせてランウェイを歩き、ショーデビューを飾った。

「あの曲を選んでくれた人のなかに、きっとゲイの男性がいるんじゃないかな」とジェイドはRolling Stoneに語る。「あんな特別な瞬間のために私の曲を選んでくれたことには、感謝してもしきれないです」

10月18日(日)にショーが放送されて以降、Spotifyによると、「Angel of My Dreams」の全世界でのストリーミング再生数は4300%増加。10月20日(火)には、1日あたりの再生数で過去最高を記録した。現在、Spotifyでの累計再生数は8600万回を超えている。ジェンナーも、3億8100万人のフォロワーに向けて、この曲を使用したInstagramの投稿を公開した。「彼女には連絡して、ありがとうって伝えました」とジェイドは言う。「彼女にも、ヴィクトリアズ・シークレットのチームにも、何かプレゼントを贈らなきゃですね」

やるべきことは、ますます増えている。「Angel of My Dreams」が突如として再ブレイクを果たした今、ジェイドは少しずつ進めてきた2ndアルバムの制作と、新たな飛躍によって舞い込むさまざまなチャンスを両立させなければならなくなった。ある意味では、彼女はこの出来事を予期していたともいえる。今年、2人の霊能者と1人の占星術師から、10月末に重要なことが起こると告げられていたのだ。「本当に現実になるなんて、信じられないです」と彼女は言う。そもそも彼女が占いに頼るようになったのは、この数カ月が精神的にあまりにもつらく、どんな形であれ、少しでも希望を感じられるものが必要だったからだ。

カード占いで、アメリカでのブレイクが間近に迫っていると告げられたときは、心強く感じた。もっとも、そんな予言を聞くのは初めてではなかった。「もう何回言われたかわからない」とジェイドは語る。「アメリカではよくあるでしょう? 『君はスターになるよ。とんでもないことになる』って言ってくる人たちがいるんです。私はもう15年間、ずっとそう言われ続けてきました」。ガールズグループ、リトル・ミックスに在籍していた頃も、同じ言葉を繰り返し聞かされたが、アメリカでの本格的なブレイクは結局実現しなかった。ソロ活動を始めてからのジェイドは、真のポップスターとして大成功を収めたいという飽くなき野心を原動力に、かつてないほど懸命に努力を重ねてきた。

そして今、その夢が現実になろうとしている。「前に進み続けるためなら、必要なだけ努力するつもりです」とジェイドは言う。「この1週間は本当に目まぐるしかった。これが一時的なブームで終わらないことを願っています。ここからさらに勢いをつけて、できるだけ長く続くものにしていく。それが今の私の仕事なんだと思います」

2年越しの大ブレイク、予想外の反響

―ファッションショーの映像を観たとき、最初はどう思いましたか?

ジェイド:カイリー・ジェンナーがあのブラを着けて登場することが、どれほど大きな意味を持つのか、それによってどんな反響が生まれるのか、私自身もわかっていなかったと思います。朝起きて初めて映像を見たら、みんなが私をタグ付けしていて。「なんてこと! すごすぎる! これってショーの一番の見せ場じゃない!」って思ったんです。そこから雪だるま式に反響が広がっていくなんて予想もしていませんでした。でも、考えてみれば、あの場面には本当にぴったりの曲だったと思います。「Angel of My Dreams」というタイトルだけでも、ランウェイを歩くエンジェルたちにすごく合っているでしょう。それに、この曲が描いているテーマも。音楽業界との絶え間ない闘い、業界に対する愛憎入り交じる感情、注目される存在であり続けること、スポットライトを浴びるために闘い続けること。そういうことを歌った曲だから、まさに完璧だったと思います。何もかも10点満点です。

―あの大きな反響から数日が経ちましたが、今はどんな気持ちですか?

ジェイド:まだ実感が湧いていない気がします。一体何が起こっているの?って。自分の曲が大ヒットするのは、どんなアーティストにとっても夢だと思うんです。でも、「Angel of My Dreams」がリリースされたのは2年前ですから。私のなかでは、あの曲はすでに世界的な大ヒット曲だったんです。ふさわしい評価も、アーティストとしての信頼も得られたし、当時も大きな注目を集めて、ポップソングとして高く評価されました。だから、そのときは「うん、これで十分だな」って思っていたんです。この曲が何について歌っているのかを考えると、心のどこかでは、もっと成功してもいいはずだと思っていました。でも同時に、「いや、このくらいの成功で私は満足している」って、ちゃんと納得できていたんです。

―今回の出来事が起こる前、今月初めにあなたの動画にコメントした人が、リトル・ミックスのシングル「Touch」が再び注目を集めていると書き込んでいましたよね。それに対して、「ということは、私のソロ曲も10年後にバズるのかな?」と返していました。

ジェイド:本当に不思議なんですよね。私がそう言ったあと、別のインタビューまで掘り起こされて、そこでは「数年後に『Angel of My Dreams』がもう一度注目される瞬間が来てほしい。本当にそれだけの価値がある曲だから」って話していたんです。まるで自分の言葉で現実を引き寄せたみたいで、ちょっと怖いくらい。ヴィクトリアズ・シークレットのショーで曲を使うことを承認したときも、去年は「Fantasy」を使っていたから、「いいね、素晴らしい舞台だし、私の曲を使ってもらえてうれしい」くらいに思っていたんです。まさか、あんな特別な場面で使われるなんて、まったく知りませんでした。

―曲が再びバズり始めた瞬間から、TikTokでも精力的に発信していますよね。

ジェイド:もう、この曲を使えるだけ使い倒すつもりです(笑)。聞いてください、今の私には恥も外聞もないし、それを堂々と言えるのが誇らしいんです。何かが勢いに乗り始めたら、すぐに全力で動かなきゃいけないでしょう。曲が再び注目され始めた瞬間、周りのチームのみんなが、ドラマ『ジ・オフィス』で全員が大慌てしているあのシーンみたいになっていました。私たちは本当に一生懸命やってきたから、ファンが「私たちは最初から応援していたんだから。ようやくこのときが来たね」って言ってくれるのを見ると、すごくうれしいです。だから、これからは少なくとも1日3本はTikTokを投稿するつもりです。

―さらに大きな舞台では、昨夜開催された2026年のマーキュリー賞授賞式でも「Angel of My Dreams」を披露しました。あのステージでこの曲を歌うことは、もともと決まっていたんですか?

ジェイド:もう何カ月も前から決まっていました。当時は「これが『THAT'S SHOWBIZ BABY!』のプロモーション活動を締めくくる最後のステージになるね」って話していたんです。マーキュリー賞で「Angel of My Dreams」を披露して、すべてを締めくくろうって。みんなで懸命に取り組んできて、批評家からも高く評価された素晴らしいプロモーション活動だったから、そのフィナーレとして最高だと思っていました。それが、こんなことが起こった直後にあの曲を披露することになるなんて、これ以上ないほど完璧なタイミングでした。だから、今回のブレイクに合わせて計画したわけじゃないんです。結果的に、再び注目を集めてから初めて「Angel of My Dreams」をライブで披露するステージになったんだと思います。

―スタンディングオベーションも受けていましたね。

ジェイド:思い出すだけで泣きそうになります。ここまで来るために、自分がどれほど努力してきたかは、よくわかっているから。それに今年は、プライベートでも少し大変な1年だったんです。年末を迎える頃には、マイク・サバスと曲を書いたり、たくさんの友達に囲まれたりしながら、とにかく今年を乗り越えられた自分を誇らしく思っていました。そして昨夜、私がステージに立ったとき、みんなが立ち上がってくれたんです。レイも、オリヴィア・ディーンも。私たちは音楽業界で活動する女性だから、前に進み続けること、自分らしさを貫いて、ありのままの自分でいることが、どれほど大変な闘いなのかを知っています。いつだって周りからあれこれ評価され続けることも含めて。

ブレイクの先へ──次なるアルバムと新たな挑戦

―ほかには、周囲の人たちからどんな応援を受けていますか?

ジェイド:Instagramを開くたびに、ほかのアーティストが私の曲を使ってくれていたり、DMで「こんなことが起こって本当にうれしい。あなたがどれだけ長い間、この瞬間を待っていたか知っているから」って送ってくれたりするんです。この業界って、一度その世界に入ると抜け出せなくなるようなところがあるんですよね。だって、毎日何千人もの人が自分について話したり、自分の体型やサウンド、どういう見た目であるべきかについてコメントしたりするなんて、普通のことじゃないから。特にポップミュージックの世界では、常に人から厳しい目を向けられます。それに影響されないようにするのは、本当に難しい。実際、私も影響を受けてきました。でも今は、そういうことに対処できる環境が以前よりずっと整っています。

―すでに2ndアルバムの制作を始めていますが、今回の大きな反響が起こったときは、どのくらい作業が進んでいたんですか?

ジェイド:A・G・クックと何度かセッションをしたんですけど、それがすごくよかったんです。気負わず楽しく制作できたし、相性もよかった。だから、新しい人たちとも仕事をしています。今回のアルバムで中心になるコラボレーターはマイク・サバスです。彼は私のそういう部分も理解してくれています。私はすごく演劇的な表現が好きだけど、ハイパーポップも大好き。だから、その演劇性とハイパーポップを、新鮮に感じられる形で融合させようとしているんです。ただ、次のフェーズに進む前に、「Angel of My Dreams」にもう一度勢いを与えて、この曲にふさわしい時間とエネルギーを注がなきゃいけないこともわかっています。でも、いいこともあるんです。「Angel of My Dreams」が盛り上がっている間に、2ndアルバムの制作も進められますから。

―数カ月前、マイク・サバスがRolling Stoneのインタビューで、AI時代にアーティストであることについて語っていました。彼は、何かを生み出すという非常に人間的なプロセスでしか得られない、鳥肌が立つような感覚を大切にすべきだと話していました。彼との制作で、そういう瞬間はありましたか?

ジェイド:「Angel of My Dreams」は、私たちが作った曲のなかでも、初めて鳥肌が立って、胸が高鳴るような感覚を覚えた曲のひとつだったと思います。これは特別な曲になるって、わかったんです。とにかく、ほかの誰にも作れないようなものを作りたかった。あの曲は、18歳だった私が『Xファクター』のオーディションを受けて、突然スターダムに押し上げられたという、自分自身の物語から生まれています。最初は華々しい勝利の瞬間のように感じられるけど、そこから一気に突き落とされる。気づけば音楽業界の真っただ中に放り込まれていて、その世界をどう渡り歩いていけばいいのか、自分で道を見つけなきゃいけない。すごく悲劇的でありながら、美しい曲だと思います。切実で、悲しくて、痛いほど正直な曲。私は、いつまでも聴き継がれる、時代を超える名曲を作りたかったんです。一時的な流行で終わるものではなくて。

―ポップスターを目指すことには、奇妙な諸刃の剣のような側面がありますよね。レーベルをはじめ、音楽業界の組織から支援や後押しを得るためには、世間の注目を集めて露出を増やす必要がある。でもその一方で、露出が増えすぎると、リスナーに飽きられてしまう危険もあります。

ジェイド:ここで格好つけて、成功を望んでいなかったふりをするつもりはありません。だって、努力を実らせるためには、これからも必死に頑張り続けなきゃいけないから。それは少しも恥ずかしいことじゃないです。今、活躍している女性アーティストたちを見ていて、本当に素晴らしいと思うのはそこなんです。例えばティナーシェ。彼女が活動を始めてから、どれだけ経っていると思います? めちゃくちゃ頑張って、必死に努力して、前に進もうとしてきた。それなのに、インディペンデントで活動しなきゃいけなくなって、自分の価値を証明するために私財まで投じなきゃいけなかった。そして、ようやくその努力が報われた。でも、多くのアーティストが同じような結末を迎えられるわけじゃありません。今、トップで活躍している女性アーティストの多くは、長い間活動を続けてきた人たちなんです。それでも努力が報われる証拠にならないと言うなら、何が証拠になるのかわかりません。彼女たちは自分の仕事を熟知しているし、やるべきことをきちんとやってきた。膨大な時間を費やして、何度も何度も自分の実力を証明してきたんです。

―この2年間で、「Angel of My Dreams」という曲や、そこで描いているスターとしての成功、音楽業界に対する考え方は変わりましたか?

ジェイド:グループを離れてソロとして活動を始めたときは、すごくプレッシャーを感じていました。みんなが私を見て、「さて、一人になって何ができるの?」って思っていたから。それ自体が大きな重圧だったんです。曲作りでも、少し波乱のある時期を過ごしていたし。自分にはこんなことも、あんなこともできるんだって、みんなに証明しようと必死でした。でも2年が経った今は、もっと静かな自信が生まれている気がします。これはただ純粋に素晴らしい曲なんだし、あとはなるようになるって。リリースしてからのこの曲の歩みには、皮肉なところがあると思います。この曲では、音楽業界の有害な側面について、すごく正直に歌っています。世間から注目され続けることに執着したくないし、人々が私を見てくれているときや、音楽で成功しているときだけ愛されている、なんて感じたくない。それなのに、今回の出来事を通じて、結局またその世界に引き戻されてしまっているんですから。

―これからどうするつもりですか?

ジェイド:ずっと、成功するまでにはゆっくり時間がかかると思っていました。でも今は少し話題になっているから、アメリカのチームもラジオでのプロモーションをもっと強化しようとするだろうし、テレビやポッドキャストへの出演など、いろいろなチャンスも出てくると思います。そうやって、すべてが雪だるま式に広がって、次々と新しい機会が舞い込んでくるんでしょうね。ちょうど数週間後にはアルバム制作のためにロサンゼルスへ行く予定だから、それはよかったと思います。私にとって大事なのは、今回の出来事を一度きりのものとして扱わないこと。今の私は、実質的に自分のデビューシングルをもう一度リリースしようとしているようなものだって、ちゃんとわかっています。だからこそ、自分らしく、無理のない形で進めていきたい。もともとの計画を変更して、それに合わせて対応しなきゃいけなくなったから、この先どう切り替えていくのかは、まだよくわかりません。今だって、何が起こっているのか全然理解できていないんです。だって今、私は文字どおり実家の母の家の空き部屋に座っているんですから。しかも、ありがたいことに、母がちょうどソーセージサンドイッチを作ってくれたところなんです(笑)。

From Rolling Stone US.

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