ロッテ・横山陸人(撮影=岩下雄太)

 「数字というよりかはタイトルが欲しいので、セーブ王を狙ってやっていきたいと思います。40セーブというところが目標ですし、最低限30セーブ取らないとタイトルはかすりもしないと思うので、30セーブ以上を目標に一旦設定してタイトルを狙える位置にできればいいなと思っています」

 ロッテの横山陸人は昨年11月27日の契約更改後の記者会見で、“セーブ王”を目標に掲げたが、今季35セーブを記録し“有言実行”で最多セーブのタイトルを獲得した。

 昨季はシーズン最終盤に抑えを任され12セーブを挙げた横山は今季、「1年間クローザーでやらないと意味がないですし、そういう場面が来れば、いつでも使われるような。セーブシチュエーションは絶対に横山だと思ってもらえるような監督、コーチにアピールして、結果を出せていければいいかなと思っています」と、開幕から勝ち試合の最終回を担った。

 今季初登板となった3月27日の西武との開幕戦、3-1の9回にマウンドに上がると、先頭のカナリオを1ボール2ストライクから149キロのストレートで空振り三振、続く外崎修汰を三ゴロ、最後は渡部聖弥を1ボール2ストライクからシンカーで空振り三振に打ち取り、チームの今季初勝利に導いた。

 4月19日の楽天戦は、8-5の9回に無死満塁で1点も入らなかった中で、その裏、横山が登板。攻撃時間が長かったことに加え、1点も入らず、楽天に流れが傾きかけている中、「攻撃時間が長かったんですけど、集中力を切らさずブルペンでも準備ができていた」と、先頭の小郷裕哉にライト前に運ばれたものの、続く中島大輔を遊飛、小深田大翔を右飛、辰己涼介を投ゴロで試合を締めた。「そういうところ(集中力を切らさず準備できているところ)が今良い結果につながっているのかと思うので、これからも継続していければと思います」と胸を張った。

 4月29日の楽天戦では5-3の9回に登板し、渡邊佳明を初球の150キロのストレートで左邪飛、マッカスカーを初球のストレートで二ゴロ、太田光を初球の150キロストレートで中飛と、打者3人をわずか3球で試合を締めた。

 3・4月をリーグトップタイの8セーブで終えると、5月は2度の3連投があるなど、12試合に登板して、球団新記録となる月間11セーブを記録。2度の3連投も確かに凄いが、それ以上に素晴らしかったのは、相手に流れが傾きそうなところをしっかりと締めたところ。5月22日の楽天戦、2-1の9回に二死満塁のチャンスで無得点に終わったことに加え、攻撃時間が長かった。相手に流れが来てもおかしくない中できっちりと三者連続三振で締めた。翌23日の楽天戦は2-6の9回に一挙5点を奪い逆転した7-6の9回裏に登板し、先頭の浅村栄斗に四球を与えるも後続を打ち取りセーブ。5月27日の広島戦、5-4の9回満塁のチャンスで無得点に終わった中、9回裏のマウンドに上がり、先頭のモンテロに四球を与えたが、きっちりとスコアボードにゼロを入れた。

 横山は「元々逆転したら投げるとは言われているので、それに合わせて作っています。特に急ぐこともなく、時間が余ることなくしっかり集中して体を作れているのかなと思います」と説明した。

 6月は9試合を投げ5セーブと、6月終了時点で両リーグトップの24セーブを記録。特に6月は9試合中7試合が1イニング15球以内で終えており、6月4日のヤクルト戦は1回を投げ4球、6月14日のDeNA戦は1回・7球、6月21日の楽天戦は1回・6球の“省エネ”投球でセーブを挙げた。少ない球数で抑えられている要因について「どんどん相手バッターが早いカウントから振ってきているというのもすごく感じるので、しっかり初球からコースを投げられていて、相手も早く振ってくる結果、たまたま少ない球数で抑えられているのかなと思います」と自己分析した。

 7月はわずかに登板試合数が4試合。6月30日の楽天戦で登板した後、7月10日のオリックス戦まで1週間以上登板間隔が空いた。「難しいとかは考えなかったんですけど、結果としてあまり良くなかったので、もっともっと改善しなきゃいけないと思った月でしたね」と話すように、7月は月間防御率は5.40だった。

 7月終了時点で26セーブ。「もともっと(セーブ数を)稼ぎたいなと思っているので、セーブシチュエーションで投げたら落とさないようにしっかりやっていきたいと思います」と意気込み、8月の戦いに向かった。8月23日の日本ハム戦で、球団では7人目となるシーズン30セーブに到達。「特に意識していなかったんですけど、良かったかなと思います」と話し、「セーブのタイトルを獲りたいと思ってやっているので、このまましっかりシーズン最後まで気を抜かずに投げていければかなと思います」と意気込んだ。

 7月以降はセーブ機会のシチュエーションが減った一方で、タイトルを争うライバルのマチャド(オリックス)、杉山一樹(ソフトバンク)がセーブを量産。それでも、「もちろんチームの勝利優先です。(チームの勝利を)優先した結果が自分のタイトルにも繋がってくると思うので、チームが勝てるように投げていければいいかなと思います」と決意。

 シーズン最終盤、9月26日の西武戦、10月2日のソフトバンク戦とセーブ失敗し悔しい登板もあった。杉山、マチャドにセーブ数を抜かされたが、今季3度目の3連投となった10月4日の楽天戦で1回を無失点に抑え、今季35セーブ目を挙げ、自身初の最多セーブのタイトルを確定させた。

 「本当に獲れたことに安心というか、良かったと思いますし、ダメな時も結構多かったんですけど、辛抱強く監督、コーチが起用し続けてくれたので、そのおかげで取れたのかなと思います」

 1年間抑えで戦い抜いたことにやりがいや難しさを感じたのだろうかーー。

 「やりがいも難しさもすごい感じました。本当にいろんな学びもあった中で、自分も成長できたので、良かったのかなと思います」

 タイトルを獲れるチャンスでしっかりと掴み取った横山。これを自信に変え、来季は今季以上にチームを勝利に導いてほしい。

取材・文=岩下雄太