VWゴルフGTIの各世代を乗り比べ|『Octane』UKスタッフの愛車日記

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。1991年 VWゴルフMk2 GTIを所有するデイヴィッドが、GTI 50周年記念イベントで歴代ゴルフGTIを乗り比べた。はたしてその感想は?

【画像】イギリスで開催されたVWのGTI 50周年イベントに歴代ゴルフGTIがずらりと集合

車を購入するたびに、つい自分を責めてしまうことがある。16歳で初めて車を購入して以来、これまでに所有した車の台数はもうすぐ50台に達する。我ながら呆れてしまう。総額でどのくらい費やしたのだろう? もっといい車が買えたのではないか? 果たしてこの車で良かったのだろうか?…と悩む。

フォルクスワーゲン・ゴルフMk2を購入してからの9カ月間は、もしかするとMk1を買うべきだったのではないかと考えていた。なにしろMk1といえば、ホットハッチ界における私の初恋の相手なのだ。学生時代、レストアして低予算でチューニングを施した2.0リッターのフォード・エスコートMk1が盗難にあった後、ラーサグリーンのMk1を所有していた。その後も、数台のMk1とMk2(とプジョー205 GTI 1.6も1台含む)を所有した。あの最初のGTIとの出会いから25年が経ち、直感的には後期型のMk2のほうが実用性が高いだろうと思っていた。しかし、それは遠い記憶に基づく推測にすぎなかった。Mk1とMk2のGTIを最後に運転したのは、10年以上も前のことだ。

そんな中、前回もレポートしたビスター・ヘリテージでのGTI 50周年記念ミーティングイベントが開催された。そこではMk1をはじめ、Mk8をベースとした”Edition 50”に至るまで、各世代のゴルフGTIを1台ずつ運転することができた。VW社がプレス用車両として保有し、良好な整備状態を維持したMk1やMk2は、私のものと比べてどのような乗り味なのだろうか?

VW社のMk1は、”Campaign”モデルだ。つまり、1.6ではなく1.8リッターエンジンで、5段マニュアルトランスミッションとピレリのスロット型アルミホイールを装備している。見た目も最高で、私の心を強く揺さぶった。インテリアは、記憶していた以上にベーシックだった。しかし、車内の匂いから、燃料ポンプが作動するときの小さな作動音、イグニッションをオンにした時に赤く点滅するLEDに至るまで、懐かしい感覚が呼び起こされた。懐かしい、いい時代だった。

忘れていたのは、低速時におけるパワーアシストのないステアリングの重さと、右ハンドル車特有のふにゃふにゃしたブレーキペダルの感触だった(左ハンドルから右ハンドルへの不完全な変更に起因するのだろう)。Mk1は機敏で安定感があった。しかし、プジョー205 GTIや、パワーステアリングを装備したMk2ゴルフGTIと比べると、ステアリングの反応は鈍かった。

VW社が所有するMk2は、私の車と非常によく似た乗り味だった。驚くほどのことではないかもしれないが、古い車にどれほど個体差があるかは、私が説明するまでもないだろう。どちらかといえば、私の車のほうが走りは良かった。ダンパーが引き締まっていて、クラッチ操作も格段に滑らかだ。私の車のパワーステアリングは軽すぎて操作感が曖昧だが、VW社の車も同様だった。ただし、その程度自体は、私の車よりもわずかに軽いと感じた。

では、ほかの世代のモデルについてはどうだったか? Mk3は、まあ悪くはなかった。Mk4は、刺激に欠けていた。しかし、Mk5以降のGTIは、よりシャープでモダンな印象の車へと生まれ変わっていた。Mk5とMk6は、いずれクラシックGTIとしてMk3とMk4を追い越すだろう。私はそう確信している。Mk7、Mk8、そして”Edition 50”は、驚くほど素晴らしかった。速く、鋭く、楽しい。GTIに求められるものを、すべて備えていた。しかしながら、私が今なお愛してやまないシンプルなMk1やMk2とは、はるかに隔たった存在でもあった。

余談だが、私は新型のゴルフGTIクラブスポーツ(標準のGTIよりも足まわりが引き締められ、豪華さを抑えたモデル)を借り、スノードニアで長い週末を過ごした。その車は完璧だった。ただ、マニュアルトランスミッションの設定がないため、運転する楽しさはやや薄れてしまう(現在のゴルフGTIはすべてオートマチック車だ)。スポーツモードでは、標準のGTIよりもさらにシャープで速い走りを見せる。それでいて、通常モードでもパーフェクトに快適だった。

では、後期型Mk2を選んだ私の判断は正しかったのだろうか? 答えはイエスだ。スタイリング、よりクイックなステアリング、より強力なブレーキ、そしてわずかに優れた快適性という点で、正解だったと思う。では、プジョー205はどうだろう? 走りの面では205のほうが優れている。しかし、冗談半分、そして完全に私の妄想であると承知のうえで言わせてもらえば、205はパフォーマンスカー専門誌である姉妹誌『evo』の読者向けだと言えよう。ゴルフは『Octane』を好むような、クールな若者のための車だ。もちろん異論もあるだろうが…

文:David Lillywhite