
ソウルを拠点に活動するシンガーソングライター、Hyelyn Joo(ジュ・ヘリン)。R&Bと韓国の歌謡曲をルーツに、渋谷系やジャズ、インディー・ポップ、エレクトロニカなどのエッセンスを軽やかに横断するサウンド、日常の何気ない感情を鮮やかに切り取る歌詞、透明感のある歌声で独自の音楽世界を築いてきた。韓国大衆音楽賞で2年連続・計4部門にノミネートされるなど着実に評価を高める一方、洗練されたポップセンスは日本の耳耳リスナーからも注目を集めている。
2021年にデビューシングル「Kids」を発表。2024年の初EP『COOL』でしなやかな音楽性を開花させると、2025年の『stereo』ではクラブミュージックの影響を取り入れてサウンドの幅を広げ、同年の『RE-MAKE』では自身の楽曲をバンド編成で大胆に再解釈した。作品を重ねるごとに表情を変えながらも、耳に残るメロディは一貫している。
そして彼女は本日10月15日、日本デビューEP「Good For Me (これでいい)」をリリースした。浮遊感のあるドラムンベースのビートに、これまでになくクールで抑制の効いたボーカルを重ねた表題曲には、韓国のラッパーpH-1を招聘。個人的にはLuci Gangの「HEADLOCK」に匹敵するヒット・ポテンシャルを秘めた一曲だと思う。ちなみにHyelynはLuciとも親交が深く、彼女の楽曲にフィーチャリングで参加したこともある。
さらに明日10月16日には、YonYonが主宰する「Peace Tree Night」への出演で初来日を果たすほか、Luci Gangも出演する11月8日の「BiKN shibuya 2026」では、『RE-MAKE』をともに作り上げたメンバーとのバンド編成によるライブも予定されている。日本での本格的な活動が始まるタイミングで、これまでの歩みから音楽的なルーツ、各作品の制作背景、日本デビューへの思いまでじっくり尋ねた。
◆ Korean version here.(韓国語版はこちら/한국어판은 여기에서)
渋谷系との共振、日常から生まれるポップス
―私がHyelynさんを最初に知ったのは『COOL』でした。アートワークや収録曲に触れたとき、どこか渋谷系にも通じる美意識を感じたんです。Hyelynさんご自身も渋谷系がお好きだそうですが、その音楽のどんなところに魅力を感じていますか?
Hyelyn Joo(以下、HJ):渋谷系で特に好きなのは、プロダクションとメロディの関係性ですね。サウンドにはものすごく多くの情報が詰まっていて、ハーモニーも非常に豊か。それなのに、メロディそのものは直感的でポップ。そのバランスが好きで、自分が曲を作るときにも、そうしたプロダクションをよく参考にしています。
―その方面で好きなアーティストを挙げるとしたら?
HJ:日本の音楽は本当にたくさん聴いているので、一人だけ選ぶのは難しいですね。でも、TOWA TEIさんは好きですし、i-depというグループも好きです。偶然彼らの音楽を見つけて、ものすごく影響を受けました。Fantastic Plastic Machineもよく聴いています。

『COOL』アートワーク
―Hyelynさんの音楽にはR&Bやポップスの要素がありながら、そのどちらにも括りきれない独自の魅力があるように思います。ご自身では今、Hyelyn Jooはどんなアーティストで、どんな音楽を作っていると捉えていますか?
HJ:実は、まさに今おっしゃっていただいたように感じてもらえたら嬉しいんです。どれか一つのジャンルに偏っているわけではないけれど、自分だけの色がある。その独自性がどこから生まれているのか考えてみると、結局、個人的な話をわかりやすく伝えているところなのかなと思います。
どんなジャンルの音楽を作るときにも、そこは変わらず大切にしている部分です。聴いていて理解しやすいけれど、語られているのはとても個人的な話なんだと感じてもらえているんじゃないでしょうか。
―「個人的な話」というのを具体的に言うと?
HJ:私の曲はすべて、ものすごく個人的なものです。自分では日記のようなものだと思っています。ただ、日記を自分にしかわからないように書くのであれば、わざわざ誰かに聴かせる意味はないとも思っているんです。
例えば「Kiss!」は、恋人同士でたくさん喧嘩をするけれど、それでもお互いを愛しているという曲です。こんなに喧嘩ばかりしている私たちが、これから先の未来を一緒に夢見てもいいのだろうか。それでもいいのなら、一緒に進んでいこう。そういうテーマなんです。その気持ちを表現するために、些細で個人的な出来事を歌詞に並べています。
〈朝4時までこんなことをしているのは、私たちの話が通じていないからなのか、それとも、むしろよく通じているからなのか(말이 안 통하는 거야 / 아님 말이 잘 통하는 거야 우리)〉という歌詞がありますよね。実際に朝4時まで喧嘩をしたことがあって、その経験を歌詞にしたんです。単純な出来事ではあるんですが、印象に残る歌詞にしたいと思いました。そういう意味でも、自分が経験した具体的な場所や時間を、難しくならないように伝えることを心がけています。
『COOL』のリード曲「Kiss!」
―どの曲にも面白いエピソードがありそうですね。例えば、初期のシングル「Hair Cut」はどんな経験から生まれたのでしょうか?
HJ:「Hair Cut」こそ、ものすごく個人的な話ですね。私の曲の中でも、歌詞がいちばん直接的ではなく、少し遠回しな表現になっている曲だと思います。実際、歌詞の意味について質問されることも多くて。そのたびに、自分でも「ああ、これは少しぼかして書いた曲だったんだな」と気づかされるんです。
韓国語のタイトルは「미장원(美容院)」で、場所がはっきり示されていますよね。実際、当時の恋人の髪を私が切ってあげたことがあったんです。前髪を少し整える程度だったんですが、人の髪を切るのは初めてだったので印象に残っていて。
それから、韓国には「いやらしいことを考えると髪が早く伸びる」という言い伝えがあるんです(笑)。ただ、私がそこから想像したのは、必ずしもそういうことだけではなくて。恋人のことをすごく愛していると、その人が自分以外の誰かを好きになってしまうんじゃないかと、不安になることもありますよね。だから、恋人の髪がやけに早く伸びるのは、もしかしたら私以外の誰かのことを考えているからなんじゃないか、って想像したんです。その発想が自分でも面白いと思って、曲にしてみました。
R&Bと韓国歌謡に育まれた感性
―ご自身の音楽観を形作るうえで、特に影響を受けたアーティストを挙げるとしたら?
HJ:子どもの頃に影響を受けた音楽は、大きく分けると韓国の歌謡曲とR&Bの二つだったと思います。韓国のアーティストでは、ユン・サンさんとパク・ヘギョンさんですね。両親の影響で幼い頃からよく聴いていたので、韓国の歌謡曲ならではの曲作りや、そこにある情緒から大きな影響を受けています。
一方で、ブラックミュージックにも夢中になっていました。ディアンジェロやエリカ・バドゥ、ジル・スコットといったR&B/ソウルのアルバムをよく聴いていましたし、ブランディーも好きでした。そうしたアーティストたちのアルバムを集めたのが、自分で音楽を買い集めるようになった最初のきっかけだったと思います。
―別のインタビューで、人生の最後に聴きたい曲としてディアンジェロの「Untitled (How Does It Feel)」を挙げていましたよね。R&B/ソウルのどんなところに惹かれてきたのでしょうか?
HJ:これは最近になって考えるようになったことなんですが、そもそも自分はなぜ音楽をやっているのか、人はなぜ音楽を聴くのかと考えると、もちろん理由はいろいろあると思うんです。ただ、音楽を作る側の立場からすると、やっぱり「かっこいいことをやりたい」という欲求が大きい気がするんですよね。
もちろん、何かメッセージを伝えたいとか、ほかにもいろいろな目的はあります。でも結局、「自分はほかの人とは違うんだ」とか、「自分がかっこいいと思うのはこういうものなんだ」とか、そういうことを誰かに伝えたいという、本能的な欲求が大きいんじゃないかと思うんです。
私にとってR&B/ソウルは、いちばん本能的に「かっこいい」と感じる音楽なんです。もう少しわかりやすく言うと、音楽を聴いた瞬間に、セクシャルな意味ではなく、本能的に「セクシーだ」と感じるというか。今ではそこから派生したジャンルもたくさんありますけど、R&Bならではのグルーヴは、やっぱりいちばんかっこいい。自分がほかのジャンルの音楽を作っているときでも、その感覚は変わらないですね。

―先ほど名前が挙がったユン・サンさんやパク・ヘギョンさんなど、韓国の歌謡曲からは具体的にどのような影響を受けてきたのでしょうか?
HJ:まずユン・サンさんについては、私もすべての作品を把握しているほど詳しいわけではないんですが、私の理解では、エレクトロニカのサウンドを韓国で大衆的なものにした最初のアーティストなんです。実験的で挑戦的な音楽を、韓国の歌謡曲に積極的に取り入れてきた方だと思います。普通なら少し難解に感じられそうなサウンドを、韓国のリスナーにも親しみやすい形にして大衆化させた。そういう意味でも、韓国の音楽史において重要な方だと思っています。
パク・ヘギョンさんは、今でも彼女のような声を持つ人がほかにいるだろうかと思うくらい、韓国ではアイコニックな女性ボーカリストとして認知されている方です。私にとっても大先輩ですね。ヒット曲もたくさんありますし、アルバム単位の完成度も素晴らしい。
それに、私の母がすごく好きだったんですよ。母と同世代の韓国の女性なら、カラオケに行けば必ずパク・ヘギョンさんの曲を歌う、と言ってもいいくらいです。
ユン・サン「한 걸음 더(もう一歩)」1990年リリース
パク・ヘギョン「고백(告白)」1999年リリース
―幼い頃から音楽が身近にあったそうですが、音楽活動を始めたきっかけについても改めて聞かせてもらえますか?
HJ:母が歌うのが好きで、幼い頃から母の歌声を聴いて育ちました。母が集めていた韓国の歌謡曲のCDを、車の中で聴くのも大きな楽しみの一つでした。そういう環境で育ったので、自分も自然と音楽をやる人になりたいと思うようになったんだと思います。
本格的に音楽を始めたのは中学生の頃です。当時は自分で曲を作りたいというよりも、とにかく歌いたいという気持ちが強かったんです。それで、その頃初めて両親に「歌手になりたい」と伝えました。
―Hyelynさんが、ただ歌うだけでなく、自分で曲を作るシンガーソングライターを志すようになったのは、大学時代の経験や出会いが大きかったそうですね。
HJ:もともとは歌手になりたいという気持ちだけで、音楽大学に進学したんです。でも、大学に入って、ほかの音楽大学や芸術大学の学生たちとも交流するようになると、歌うことだけをやっていても、歌い続けていくのは難しいんじゃないかと思うようになりました。
私が子どもの頃は、作曲家と歌手の役割がはっきり分かれていた時代だったと思います。歌の上手い歌手に、優れた作曲家が曲を提供するというのが、ごく一般的だったんです。でも、私が大学に進む頃には、シンガーソングライターでなければ生き残れないような時代になっていた気がするんです。それで、歌い続けていくためには、自分でも曲を作らなければいけないんだと、初めて考えるようになりました。
大学時代には、今の私の音楽を最も大きく支えてくれているパク・ジュヌやク・ヨンジュンをはじめ、現在のチームのメンバーたちとたくさん出会いました。彼らは楽器を演奏するプレイヤーなので、曲を作ることにも慣れていたんです。
彼らの場合、一緒に遊ぶことがそのまま音楽を作ることだったんですよ。誰かが突然楽器を弾き始めたら、そこに別の誰かが加わって、自然とジャムセッションが始まる。そんなことを日常的にやっていました。そういう姿をたくさん見ているうちに、「ああ、音楽を作るって、そんなに難しいことじゃないんだな」と初めて思えたんです。それなら自分にもできるかもしれないと思って、簡単なデモを作るところからソングライティングを始めました。
エレクトロニカへの拡張、バンドによる再解釈
―最初のEP『COOL』は、一貫したコンセプトを掲げて作ったというより、その時期に作っていた曲をまとめた作品だったそうですね。でも、完成した作品を聴くと、タイトルにふさわしいクールな統一感があるように感じます。ご自身ではどんなサウンドを目指していたのでしょうか?
HJ:あの頃はミニマルで、クリーンで、整理されたサウンドに夢中になっていました。爆発力のある音楽というよりも、長く聴き続けられる音楽ですね。いつ聴いても負担に感じないようなサウンドが好きだった時期なんです。
だから、曲自体は特に統一したコンセプトを決めずに作っていたんですが、サウンドの質感には共通するものがあったので、統一感を感じてもらえたんだと思います。
『COOL』は、私にとって大切な最初のEPであり、デビューEPです。もちろん今聴けば、物足りなく感じる部分もあります。でも、それ以上に、あの頃の自分らしさがよく表れていると思うんです。その後の作品を作るときも、今、新しい音楽を作るときも、「これは自分らしいのか」と考えるうえでの基準になってくれる作品だと思います。
―次のEP『stereo』では、2ステップなどのY2K的なサウンドからボサノヴァまで横断し、エレクトロニカ的な音楽性が際立っていたことに驚かされました。
HJ:サウンドを変化させ続けているのは、自分に制限を設けたくないからなんです。活動初期に一つのサウンドを確立して、それだけで記憶されるアーティストになるよりも、まずは自分のいろいろな色を提示しておきたいと思いました。そうすれば、これからどんな方向に進むとしても、自由でいられるんじゃないかと思って。
実は『stereo』を作る前まで、私はエレクトロニカ・サウンドにそれほど興味がなかったんです。むしろアコースティックで、もっとオーガニックなサウンドにずっと関心がありました。以前は少しでも電子音楽っぽいサウンドが聴こえてくると、スキップしてしまう傾向さえあったくらいです。
でも、『COOL』をリリースしたあと、友人たちを通じて渋谷系の音楽を少しずつ掘り下げるようになったんです。いろいろな作品を探して聴いているうちに、さらにドラムンベースにも興味が広がっていきました。それまで聴いてこなかったジャンルの音楽をたくさん聴くようになって、そこから『stereo』というEPの構想につながったんです。
先ほど話したFantastic Plastic Machineやi-dep、TOWA TEIのことは以前から知っていましたが、本当に深く夢中になって、そういう音楽ばかり聴いていたのがこの時期でした。それで、自分でもこういうアルバムを作ってみたいと思ったんです。
―2曲目の「Busy Boy」が、『stereo』という作品の方向性を決めるきっかけになった曲だったそうですね。この曲はどのように生まれたのでしょうか?
HJ:ソン・ギルヒョンというキーボーディストと知り合ったのは、『COOL』をリリースしたあとでした。彼はBump2Soul(ファンク、ソウル、R&B、ジャズを基調とした音楽を奏でる、韓国の5人組インスト・バンド)でも活動しているんですが、私のバンドに参加してくれたことが出会いのきっかけでした。一緒に活動するうちに、曲も作ってみたいと思うようになって。それで、毎週のように私の作業部屋に集まって、曲作りを始めたんです。
最初にビートのデモができたんですが、その時点では「Busy Boy」というテーマがあったわけではなくて。ただ、いいサウンドのビートを作っていたんです。
そのあと、一人で歌詞を書いているときに、以前メモ帳に書き留めていた〈昼寝を3回もしていいのかな?(낮잠을 세 번이나 자도 되나?)〉という言葉を見つけました。これが曲の冒頭の歌詞になっています。やはり実際にあった出来事をもとに書き留めていた言葉で、当時、忙しくて十分に眠れない恋人を気の毒に思っていた経験が背景にあります。
ビートを聴きながら改めてその言葉を見てみると、なぜかいつもとは違った感じがして。それで、曲の冒頭に使ってみたところから、「Busy Boy」というタイトルを思いつきました。そこからは自然に言葉が出てきて、短い時間で歌詞を書き上げることができました。
―続く『RE-MAKE』で印象的なのが、既存曲の大胆なアレンジと再解釈です。幼い頃から影響を受けてきたアーティストたちのライブ盤やアンプラグド作品への憧れが原点にあったそうですね。どういう人たちの影響が大きかったんですか?
HJ:バンドサウンドを中心としたアルバムを作るのは初めてだったので、それぞれの楽器の音をどんなバランスで聴かせるか、考える必要がありました。そこでザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズとパーセルズについて、特にミックスの面で参考にしました。
ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズは昔から活動しているグループで、パーセルズは比較的新しいグループですよね。活動してきた時代は違いますが、どちらもバンドとして素晴らしいサウンドを作っています。それぞれのアルバムを実際に聴き比べながら、そこから何を学べるだろうかと考えました。
一方で、アレンジやアルバム全体のムードという点では、ジャミロクワイとベニー・シングスから、より大きな影響を受けています。まずジャミロクワイについては、私たちのバンドでライブ用のアレンジを考えるにあたって、ライブ映像をたくさん観ていたんです。どんな要素がライブをより多彩で面白いものにしているのか参考にしました。
ただ、そうしたライブならではのサウンドをアルバムに収めるとなると、ある程度、音を整理する必要がありますよね。あまり雑然とした音にはせず、長く聴き続けられるアルバムにしたかったので、もう少しミニマルで洗練された、アコースティックなサウンドも参考にしたいと思ったんです。そういう意味で、ベニー・シングスの音楽もたくさん聴きました。
―例えば、先ほどお話しいただいた「Hair Cut」と「Busy Boy」は、『RE-MAKE』ではどちらも大きく印象の異なるアレンジになっていますよね。
HJ:『RE-MAKE』のアレンジでは、これまで私の作品をプロデュースしてくれているパク・ジュヌが大きな役割を果たしました。彼はライブに関する知識も豊富ですし、たくさん音楽を聴いてきた人で、好みもはっきりしているんです。
「Hair Cut」と「Busy Boy」のリメイクも、彼が方向性を提案してくれました。ク・ヨンジュンやソン・ギルヒョンとラフにジャムした短い音源を、「こんな感じでどう?」と聴かせてくれたんです。それが本当に良くて、私は「いいね」と言うしかありませんでした(笑)。そこからバンドのみんなで少しずつアイデアを重ねて、自然にアレンジができあがっていきました。
『RE-MAKE』メイキング動画
―逆に、Hyelynさんが主導してリアレンジした曲はありますか?
HJ:バンドメンバーがアレンジを考えると、演奏面でより多彩でかっこいい方向に発展していくことが多いんです。それはそれで本当に素晴らしいことなんですが、そこまで複雑にする必要はないのに、どんどん難しくなってしまうこともあるんですよね。
そういうとき、私は選択肢を絞る役割を担っていたように思います。私はメンバーほど楽器を上手に演奏できませんし、演奏に関する専門的な知識も彼らほど豊富ではありません。でも、自分の好きなサウンドがありますし、これまでいろいろな音楽を聴いてきた経験もあるので、感覚的に「こういう方向のほうがいいんじゃないかな?」と意見を出すことはできます。そして、その方向性を実際の演奏で形にしてくれるのがメンバーたちなんです。

日本デビュー曲での新たな挑戦
―この度リリースされた新曲「Good For Me (これでいい)」も素晴らしかったです。『stereo』で打ち出したエレクトロニック・サウンドを発展させる一方で、アコースティック・バージョンからは、シンガーソングライターとしての魅力がよりストレートに伝わってきました。今回は全4曲という構成ですが、どのような作品にしようと考えたのでしょうか?
HJ:実は最初、pH-1さんをフィーチャリングに迎えたオリジナルの1曲だけをリリースする予定だったんです。でも、そこにリミックスとアコースティック・バージョンも加えたほうがいいんじゃないかと、私から提案しました。それで、オリジナルが完成したあと、かなり短い期間でその2つのバージョンを新たに制作して、一つの作品にまとめたんです。
というのも、これは日本でのデビューシングルでもあるからです。日本のリスナーの方々に、私がどんな音楽を作っているのか、これまで韓国でどれほど幅広いサウンドに取り組んできたのか、一つの作品を通して伝えられたらなと。同じ曲でも、いくつかの異なるバージョンを一つの作品として届けることで、Hyelyn Jooというアーティストのことを、よりわかりやすく紹介できるんじゃないかと思ったんです。それで、インストゥルメンタルも含めた全4曲という構成にしました。
デビューEP『Good For Me (これでいい)』はメイントラック”Good For Me (feat. pH-1)”をはじめ、韓国のDJ/プロデューサーValoによるリミックス、アコースティック、インストゥルメンタルの計4トラックで構成。日本語のフレーズも織り交ぜた、日本デビュー作ならではの一曲に
―オリジナルの「Good For Me」については、どんなサウンドを目指していたのでしょうか?
HJ:実は2、3カ月ほど前に、パク・ジュヌとソン・ギルヒョンと一緒に東京に滞在して、特に目的を決めずに音楽を作ってみるという経験を初めてしたんです。「Good For Me」は、その東京滞在中に書いた曲なんですよ。日本でシングルをリリースするのであれば、実際に東京で作った曲を出したほうが、その街にも似合うんじゃないかと思って。
最初は可愛らしいドラムンベースの曲だったんです。でも最近は、あまり可愛らしすぎるサウンドは作りたくないと思っていたんです。
最初は、可愛らしいドラムンベースの曲だったんです。でも、最近はアーティストとして、あまり可愛らしいサウンドばかりを作りたくないという気持ちが強くなっていて。私自身も年齢を重ねていますから。
だから、東京で最初のデモができたときは、私が少しナイーブになってしまって。「この曲は可愛すぎるから、私はやりたくない」と言って、周りのみんなを困惑させてしまったんです(苦笑)。でも、そのデモを韓国に持ち帰って、私が気になっていた部分をプロデューサーたちに話したら、みんなも理解してくれました。
それなら、可愛らしいサウンドのままにするのではなく、ビート自体をもっと重くしてみようと。歌詞やメロディだけを聴くと、かなり可愛らしくなりそうな曲なので、そこにサウンドとのコントラストを作ることで、長く聴ける曲にしたかったんです。今回のサウンド作りでは、そのバランスをいちばん大切にしました。
―その歌詞も印象的です。「もういい」「大嫌い」と相手を突き放しながら、心の中では「ごめんね、許して」と思っている。強がる言葉と本当の気持ちがせめぎ合っているように感じました。
HJ:今回は、これまで自分が書いたことのない感情について書いてみたいと思っていたんです。それから、今回は私一人で作詞したのではなく、キム・サンというシンガーソングライターにも参加してもらいました。
サンさんとは、ク・ヨンジュンやパク・ジュヌと同じくらいの時期に友達になったんです。彼は日本の文化や音楽に、私以上に詳しい人なんですよ。ほとんどオタクと言っていいくらい。今回は日本語の歌詞も書く必要があったので、そういう日本の文化や音楽に対する感覚を共有しながら、一緒に歌詞を書いてみたいと思いました。
それで、作詞を始める前にいろいろな話をしていたんですが、お互いの恋愛経験について話しているうちに、二人ともプライドの高い恋人と付き合った経験があるとわかって。そういう相手が、喧嘩をするたびに習慣のように別れを口にする。そのたびに、もううんざりだ、もういいと思うんだけれど、実際に相手が去っていくことを考えると不安になる。私たちは、その感情を共有していたんです。
普段、一人で歌詞を書くときは、自分の個人的な経験を積極的に盛り込んでいます。でも、今回は二人で書くことにしたので、絶対に二人に共通する話にしたかったんです。お互いの経験について話してみると、本当に話がよく通じました。プライドの高い恋人との、少しトキシックな恋愛経験とでも言うんでしょうか。どこまでが私の話で、どこからがサンさんの話なのかわからなくなるくらい、お互いの経験が重なった歌詞を書きたいと思いました。
Luci GangやYonYonとの交流、日本での新たな一歩へ
―「Good For Me (これでいい)」に参加しているpH-1さんとは、どのように交流を深めてきたのでしょう?
HJ:最初にやり取りをしたのは、pH-1さんから彼の楽曲「OVERNIGHT」にフィーチャリングで参加してほしいという連絡をいただいたときです。そのときは、おそらく私の『stereo』を聴いて連絡してくださったんじゃないかと思います。最初は、もう少しフックの効いたキャッチーなメロディを書いてほしいという提案だったんですが、私はその曲では、少し難しいラインに挑戦してみたかったんです。それで、最初に提案された方向性とはかなり違うものを作ったんですが、pH-1さんはそれを気に入ってくれたんです。それが最初のつながりでした。
私はこれまで何度かほかのアーティストの曲に参加したことがありますが、自分の作品に誰かをフィーチャリングで迎えたことは一度もなかったんです。pH-1さんが初めてなんです。今回は日本でのシングルでもありますし、こういう恋愛の物語を描くことになったので、私が歌っている相手、つまり恋人の側からの歌詞もあったらいいなと思ったんです。プライドの高い恋人の立場から描いたヴァースが、2番に入ってきたら面白いんじゃないかと。
サウンドが仕上がった時点で、これはpH-1さん自身の曲だと言ってもおかしくないくらい、その役割が彼に似合うと思ったんです。それでお願いしたところ、pH-1さんも「自分のスタイルに合っている」と言ってくださって、制作もスピーディーで楽しいものになりました。
彼が曲に加えてくれたものを簡単に説明すると、もともとは一方の立場からしか語られないはずだった物語に、もう一つの視点が生まれたことです。ちょっと情けなくて、プライドが高い。でも、その関係を引き留めるためにプライドを捨てることもできない。そんな男性の立場からの歌詞が途中に入ってくるんです。そこにpH-1さんの声も加わることで、曲がより多面的になったと思います。pH-1さんが歌う、可愛らしくて短い日本語の歌詞も、新鮮に感じてもらえると思います。

Hyelyn JooとpH-1
―ラッパーといえば、先日Luci Gangさんにインタビューした際、Hyelynさんとはジム友達だと話していました。そもそも出会いのきっかけは?
HJ:最初に出会ったのはK-POPのソングキャンプだったんです。3、4年前のことで、私にとって人生初参加でした。Luciも初めてだったと聞いています。そういう経験もしてみようと思って、招待を受けて参加したんです。
実は最初、Luci Gangという名前の「Gang」から、ちょっと怖い人なのかなと思っていたんですよ(笑)。性格が強そうなイメージがあったので。でも、実際に会ってみたら本当に性格が良くて。初めて会ったときから、あんなに気さくで、一緒にいて居心地がいいと感じる人って、なかなかいないと思うんです。その場ですっかり好きになって、お互いにInstagramをフォローし合いました。
それからしばらくして、LuciがYouTubeなどで私の『COOL』を紹介してくださったんです。『stereo』をリリースしたときにも「よく聴いているよ」とメッセージを送ってくれて。それがすごく嬉しかったですね。
その後、Luciが「raincoat」という曲を作ったとき、最初から私のことを思い浮かべながら書いてくださったそうなんです。フィーチャリングで参加してほしいと、丁寧に連絡をくれました。私はLuciの人柄に惚れ込んでいたので、実は曲を聴く前に「やります」と返事をしたんです(笑)。実際に曲を聴いてみたら、私が得意とするムードの曲だったので、楽しく参加することができました。
そのあと、Luciは私が参加したことをありがたく思ってくれたみたいで。ちょうど私も運動を始めようとしていたんですが、Luciは以前からずっとトレーニングを続けていたので、フィーチャリング料の代わりにパーソナルトレーニングをしてもらうことになったんです。
Luciも、私に教えるために半ば強制的にジムへ行く回数が増えるから、ちょうどいいと言っていて(笑)。そうして、私たちはジム仲間になりました。今ではお互いの筋肉の状態をチェックし合うような関係です(笑)。彼女の豪快な性格や、率直でありながら礼儀正しいところが本当に大好きです。
Luci Gang「raincoat Remix (feat. Hyelyn Joo)」
Hyelyn Jooが作詞で参加した、K-POPグループ・STAYC「2:LOVE」
―YonYonさんは「Good For Me」の日本語歌詞に加えて、『RE-MAKE』日本盤の歌詞の対訳も手がけていますよね。お二人はどのように交流を深めてきたのでしょうか?
HJ:YonYonさんとは、知り合ってからそれほど長いわけではないんです。でも、私の音楽を高く評価してくださっているように感じます。日本でも私の音楽を一生懸命紹介してくださり、DJをするときにも、私の曲を日本でたくさんかけてくださっていると聞いています。しかも、そういうことを私にわざわざアピールするわけではなく、いろいろな場所でさりげなく私の音楽を薦めてくださっているんです。ありがたいですね。
ちょうど日本でのシングルリリースを準備していた頃に、YonYonさんからパーティーに出演者として招待していただいたんです。それで、YonYonさんへの感謝の気持ちも込めて、パーティーの開催時期に合わせてリリースしようと考えました。「Peace Tree Night」で新曲を初披露できたらいいなと思ったんです。恩人のような存在ですね。
―そのあとはBiKNでのステージも控えていますよね。ライブではどんなところに注目してほしいですか?
HJ:BiKNでは、日本で初めてバンド編成でのライブを披露します。『RE-MAKE』を一緒に作ったメンバーたちと、韓国以外の場所で初めてライブができるのが本当に嬉しいです。
『RE-MAKE』はジャパン・エディションのアナログ盤もリリースしました。そこに収められた音楽を、日本のリスナーの皆さんに直接届けられることを何より楽しみにしています。

Hyelyn Joo『Good For Me(これでいい)』
配信中
再生・購入:https://linkco.re/T8SxVasg

ADRIFT presents「Peace Tree Night」
2026年10月16日(金)東京・下北沢ADRIFT
OPEN 18:30 / START 19:00
出演:YonYon(Full Band Set)、Hyelyn Joo、Chill The World 칠더월드
DJ:CHEBB
料金:ADV 4,400円/U-25 3,000円/DOOR 5,000円
チケット:https://buzz-ticket.com/e/peacetreenight

「BiKN shibuya 2026」
2026年11月8日(日)Spotify O-EAST / Spotify O-nest / duo MUSIC EXCHANGE / 7thFLOOR
OPEN 11:00 / START 12:00
出演:Chace(CN)、Hyelyn Joo(KR)、Dekopon Escaping 丑橘出逃乐队(CN)、Reality Club(ID)、STOLEN 秘密行动(CN)、Luci Gang(KR)、Hammer Head Shark(JP)、oceanfromtheblue(KR)、Gordon Flanders(HK)、衛柏 Neon(CN)、Kangziwon 강지원(KR)、rubenmccarter(CN)、Bridge Dog(AU)、and more…
チケット:一般 11,000円/学生 6,000円(税込・別途ドリンク代)
公演詳細:https://bikn.asia/
Interview
시부야케이부터 R&B, 한국 가요까지… 주혜린이 자신만의 팝을 만드는 방법

서울을 기반으로 활동하는 싱어송라이터 주혜린(Hyelyn Joo). R&B와 한국 가요를 음악적 뿌리로 삼아 시부야케이, 재즈, 인디 팝, 일렉트로니카 등 다양한 장르의 요소를 유연하게 넘나드는 사운드, 일상의 사소한 감정을 선명하게 포착하는 가사, 맑고 투명한 목소리로 자신만의 음악 세계를 구축해 왔다. 한국대중음악상에서 2년 연속 총 4개 부문 후보에 오르며 꾸준히 음악적 성취를 인정받고 있는 그는, 세련된 팝 감각으로 일본의 음악 애호가들 사이에서도 일찌감치 주목받고 있다.
2021년 데뷔 싱글 Kids를 발표한 주혜린은 2024년 첫 EP 『COOL』을 통해 유연하고 섬세한 음악적 색채를 본격적으로 드러냈다. 이어 2025년 발표한 『stereo』에서는 클럽 음악의 영향을 받아 사운드의 폭을 넓혔고, 같은 해 선보인 『RE-MAKE』에서는 자신의 기존 곡들을 밴드 편성으로 과감하게 재해석했다. 작품마다 새로운 모습을 보여주면서도 귀에 오래 남는 멜로디의 매력만큼은 변함없이 이어지고 있다.
그리고 오늘, 10월 15일 일본 데뷔 싱글 Good For Me (これでいい)를 발매했다. 공중에 떠 있는 듯한 드럼 앤 베이스 비트 위에 이전보다 한층 쿨하고 절제된 보컬을 얹은 이 곡에는 한국 래퍼 pH-1이 피처링으로 참여했다. 개인적으로는 루시 갱의 HEADLOCK에 버금가는 히트 가능성을 지닌 곡이라고 생각한다. 흥미롭게도 주혜린은 루시 갱과도 친분이 깊으며, 그의 곡에 피처링으로 참여한 인연도 있다.
이어 내일인 10월 16일에는 YonYon이 주최하는 Peace Tree Night 무대를 통해 처음으로 일본을 방문한다. 루시 갱도 출연하는 11월 8일 BiKN shibuya 2026에서는 『RE-MAKE』를 함께 만든 멤버들과 밴드 편성으로 공연할 예정이다. 일본에서 본격적인 활동을 시작하는 이 시점에 주혜린을 만나 지금까지 걸어온 길과 음악적 뿌리, 각 작품의 제작 과정, 일본 데뷔에 대한 생각을 차근차근 들어봤다.
시부야케이와의 공명, 일상에서 탄생한 팝
― 제가 주혜린 씨를 처음 알게 된 작품은 『COOL』이었어요. 아트워크와 수록곡을 접하면서 어딘가 시부야케이와 통하는 미학이 느껴졌거든요. 주혜린 씨도 시부야케이를 좋아한다고 들었는데, 그 음악의 어떤 점에 매력을 느끼시나요?
주혜린(이하 HJ): 시부야케이에서 특히 좋아하는 건 프로덕션과 멜로디의 관계예요. 사운드에는 정말 많은 정보가 담겨 있고 화성도 굉장히 풍부하잖아요. 그런데도 멜로디 자체는 아주 직관적이고 팝적이에요. 저는 그 균형이 좋아요. 그래서 곡을 만들 때도 그런 프로덕션을 많이 참고해요.
― 그 계열에서 특히 좋아하는 아티스트를 꼽는다면요?
HJ: 일본 음악을 정말 많이 들어서 한 명만 고르기는 어려워요. 그래도 TOWA TEI를 좋아하고, i-dep이라는 그룹도 좋아해요. 우연히 그들의 음악을 발견했는데 정말 큰 영향을 받았어요. Fantastic Plastic Machine도 자주 듣고요.

『COOL』 아트워크
― 주혜린 씨의 음악에는 R&B와 팝의 요소가 있지만, 어느 한 장르로 규정하기 어려운 독자적인 매력이 있다고 생각해요. 지금 스스로는 주혜린이라는 아티스트가 어떤 음악을 만드는 사람이라고 생각하시나요?
HJ: 사실 방금 말씀하신 것처럼 느껴주신다면 정말 기쁠 것 같아요. 어느 한 장르에 치우쳐 있지는 않지만 저만의 색깔이 있는 음악이요. 그런 독자성이 어디에서 나오는지 생각해 보면, 결국 아주 개인적인 이야기를 이해하기 쉽게 전달한다는 점이 아닐까 싶어요.
어떤 장르의 음악을 만들든 그 부분은 변함없이 중요하게 생각해요. 듣기에는 어렵지 않지만, 그 안에 담긴 이야기는 굉장히 개인적이라는 걸 느껴주시는 게 아닐까 생각해요.
― 개인적인 이야기라는 건 구체적으로 어떤 의미인가요?
HJ: 제 노래는 전부 정말 개인적인 이야기예요. 저에게는 일기 같은 거라고 생각해요. 다만 일기를 저 혼자만 알아볼 수 있게 쓴다면 굳이 다른 사람에게 들려줄 의미가 없다고도 생각하거든요.
예를 들어 Kiss!는 연인끼리 정말 많이 싸우지만, 그럼에도 서로를 사랑한다는 내용의 곡이에요. 이렇게 맨날 싸우는 우리가 앞으로의 미래를 함께 꿈꿔도 되는 걸까. 그래도 괜찮다면 함께 나아가 보자. 그런 주제를 담고 있어요. 그 감정을 표현하기 위해 아주 사소하고 개인적인 일들을 가사에 나열했어요.
말이 안 통하는 거야 / 아님 말이 잘 통하는 거야 우리라는 가사가 있잖아요. 새벽 4시까지 이러고 있는 게 우리가 말이 안 통해서인지, 아니면 오히려 너무 잘 통해서인지 묻는 내용인데요. 실제로 새벽 4시까지 싸운 적이 있어서 그 경험을 가사로 쓴 거예요. 단순한 일이긴 하지만 기억에 남는 가사로 만들고 싶었어요. 그런 의미에서 제가 경험한 구체적인 장소나 시간을 너무 어렵지 않게 전달하려고 노력해요.
― 곡마다 재미있는 에피소드가 있을 것 같네요. 예를 들어 초기 싱글 Hair Cut은 어떤 경험에서 탄생한 곡인가요?
HJ: Hair Cut이야말로 정말 개인적인 이야기죠. 제 곡 중에서도 가사가 가장 직접적이지 않고, 조금 돌려서 표현한 곡이라고 생각해요. 실제로 가사의 의미에 대해 질문을 많이 받거든요. 그럴 때마다 저도 아, 이 곡은 조금 모호하게 써놓은 곡이었구나 하고 새삼 깨닫게 돼요.
한국어 제목은 미장원이잖아요. 장소가 명확하게 드러나 있죠. 실제로 당시 사귀던 남자친구의 머리를 제가 잘라준 적이 있어요. 앞머리를 조금 다듬어준 정도였는데, 다른 사람의 머리를 잘라본 건 처음이라 굉장히 기억에 남았어요.
그리고 한국에는 야한 생각을 하면 머리가 빨리 자란다는 속설이 있잖아요(웃음). 그런데 제가 거기서 상상한 건 꼭 그런 의미만은 아니었어요. 연인을 정말 많이 사랑하다 보면 그 사람이 나 말고 다른 누군가를 좋아하게 되지는 않을까 불안해질 때도 있잖아요. 그래서 남자친구의 머리가 유난히 빨리 자라는 건 혹시 나 아닌 다른 사람을 생각하고 있기 때문이 아닐까, 그런 상상을 해본 거예요.
그 발상이 저 스스로도 재미있어서 곡으로 만들어봤어요.
R&B와 한국 가요가 빚어낸 음악적 감수성
― 주혜린 씨의 음악관을 형성하는 데 특히 큰 영향을 준 아티스트를 꼽는다면 누구일까요?
HJ: 어릴 때 영향을 받은 음악은 크게 한국 가요와 R&B, 두 가지였던 것 같아요. 한국 아티스트 중에서는 윤상 선배님과 박혜경 선배님이요. 부모님의 영향으로 어릴 때부터 자주 들었기 때문에 한국 가요 특유의 작곡 방식이나 그 안에 담긴 정서에서 큰 영향을 받았어요.
한편으로는 흑인 음악에도 푹 빠져 있었어요. D'Angelo, Erykah Badu, Jill Scott 같은 R&B와 소울 아티스트들의 앨범을 많이 들었고, Brandy도 좋아했어요. 그런 아티스트들의 앨범을 모으기 시작한 게 제가 직접 음악을 사서 모으게 된 첫 계기였던 것 같아요.
― 다른 인터뷰에서 인생의 마지막 순간에 듣고 싶은 곡으로 D'Angelo의 Untitled (How Does It Feel)을 꼽으셨더라고요. R&B와 소울의 어떤 점에 그렇게 끌리셨나요?
HJ: 이건 최근 들어 생각하게 된 건데요. 애초에 나는 왜 음악을 하는 걸까, 사람들은 왜 음악을 듣는 걸까 생각해 보면 물론 이유는 여러 가지가 있겠죠. 그런데 음악을 만드는 사람의 입장에서 보면 결국 멋있는 걸 하고 싶다는 욕구가 굉장히 큰 것 같아요.
물론 어떤 메시지를 전달하고 싶다거나 다른 목적도 많겠죠. 하지만 결국 나는 다른 사람들과 달라, 내가 멋있다고 생각하는 건 이런 거야라는 걸 누군가에게 보여주고 싶어 하는 본능적인 욕구가 큰 게 아닐까 싶어요.
저에게 R&B와 소울은 가장 본능적으로 멋있다고 느껴지는 음악이에요. 좀 더 쉽게 말하면 음악을 듣는 순간, 성적인 의미가 아니라 본능적으로 섹시하다고 느껴진다고 할까요. 지금은 거기서 파생된 장르도 굉장히 많지만, R&B 특유의 그루브는 역시 가장 멋있어요. 제가 다른 장르의 음악을 만들 때도 그 감각은 변하지 않아요.

― 앞서 언급하신 윤상과 박혜경 같은 아티스트를 비롯해, 한국 가요에서는 구체적으로 어떤 영향을 받으셨나요?
HJ: 우선 윤상 선배님에 대해서는 저도 모든 작품을 다 알고 있을 만큼 깊이 아는 건 아니지만, 제가 이해하기로는 일렉트로니카 사운드를 한국에서 대중적인 것으로 만든 최초의 아티스트라고 생각해요. 굉장히 실험적이고 도전적인 음악을 한국 가요에 적극적으로 도입해 온 분이죠. 자칫 어렵게 느껴질 수 있는 사운드를 한국 청취자들에게도 친숙한 형태로 만들어 대중화하셨다고 생각해요. 그런 의미에서도 한국 음악사에서 중요한 분이라고 생각합니다.
박혜경 선배님은 지금도 그분 같은 목소리를 가진 사람이 또 있을까 싶을 만큼 한국에서 상징적인 여성 보컬리스트로 인식되는 분이에요. 저에게도 정말 대선배님이시죠. 히트곡도 많고 앨범 단위의 완성도도 훌륭해요.
그리고 저희 엄마가 정말 좋아하셨어요. 엄마와 같은 세대의 한국 여성분들이라면 노래방에 가서 박혜경 선배님 노래를 꼭 부른다고 해도 될 정도예요.
― 어릴 때부터 음악이 늘 가까이에 있었다고 들었어요. 본격적으로 음악을 시작하게 된 계기도 들려주시겠어요?
HJ: 엄마가 노래 부르는 걸 좋아하셔서 어릴 때부터 엄마의 노랫소리를 들으며 자랐어요. 엄마가 모아두신 한국 가요 CD를 차 안에서 듣는 것도 큰 즐거움 중 하나 였고요. 그런 환경에서 자라다 보니 저도 자연스럽게 음악을 하는 사람이 되고 싶다고 생각하게 된 것 같아요.
본격적으로 음악을 시작한 건 중학생 때예요. 당시에는 직접 곡을 만들고 싶다기보다 일단 노래를 부르고 싶다는 마음이 훨씬 컸어요. 그래서 그 무렵 처음으로 부모님께 가수가 되고 싶다고 말씀드렸어요.
― 단순히 노래를 부르는 가수에서 직접 곡을 만드는 싱어송라이터를 꿈꾸게 된 데에는 대학 시절의 경험과 만남이 큰 역할을 했다고 들었습니다.
HJ: 원래는 그냥 가수가 되고 싶다는 마음만 가지고 음악대학에 진학했어요. 그런데 대학에 들어가 다른 음악대학이나 예술대학 학생들과도 교류하게 되면서, 노래만 해서는 계속 노래하는 사람으로 살아남기 어렵지 않을까 하는 생각이 들기 시작했어요.
제가 어릴 때는 작곡가와 가수의 역할이 명확하게 나뉘어 있던 시대였던 것 같아요. 노래를 잘하는 가수에게 훌륭한 작곡가가 곡을 주는 게 아주 일반적이었죠. 그런데 제가 대학에 갈 무렵에는 싱어송라이터가 아니면 살아남기 어려운 시대가 된 것 같았어요. 그래서 계속 노래를 하려면 나도 곡을 만들어야겠구나, 처음으로 그렇게 생각하게 됐어요.
대학 시절에는 지금 제 음악을 가장 크게 뒷받침해 주는 박준우와 구영준을 비롯해 현재 팀의 멤버들을 많이 만났어요. 그 친구들은 악기를 연주하는 플레이어들이라 곡을 만드는 데도 익숙했어요.
그 친구들에게는 같이 노는 게 곧 음악을 만드는 일이었어요. 누군가 갑자기 악기를 연주하기 시작하면 다른 사람이 거기에 합류하고, 자연스럽게 잼 세션이 시작되는 거죠. 그런 걸 일상적으로 하고 있었어요. 그런 모습을 많이 보다 보니 아, 음악을 만든다는 게 그렇게 어려운 일만은 아니구나라는 생각을 처음 하게 됐어요. 그렇다면 나도 할 수 있지 않을까 싶어서 간단한 데모를 만드는 것부터 송라이팅을 시작했죠.
일렉트로니카로의 확장, 밴드 사운드로 재해석한 음악
― 첫 EP 『COOL』은 처음부터 일관된 콘셉트를 정해놓고 만든 작품이라기보다 당시 작업하던 곡들을 모은 앨범이라고 들었어요. 그런데 완성된 작품을 들어보면 제목처럼 쿨한 통일감이 느껴지거든요. 당시 어떤 사운드를 추구하셨나요?
HJ: 그때는 미니멀하고 깨끗하고 정돈된 사운드에 푹 빠져 있었어요. 폭발력이 있는 음악보다는 오래도록 들을 수 있는 음악이요. 언제 들어도 부담스럽지 않은 사운드를 좋아하던 시기였죠.
그래서 곡 자체는 특별히 통일된 콘셉트를 정해놓고 만든 건 아니지만, 사운드의 질감에는 공통점이 있었기 때문에 통일감을 느끼셨던 것 같아요.
『COOL』은 저에게 소중한 첫 EP이자 데뷔 EP예요. 물론 지금 들어보면 아쉽게 느껴지는 부분도 있어요. 하지만 그보다도 당시의 제 모습이 잘 드러나는 작품이라고 생각해요. 이후의 작품을 만들 때도, 지금 새로운 음악을 만들 때도 이게 나다운가?를 생각하게 해주는 기준 같은 작품이에요.
― 다음 EP 『stereo』에서는 투스텝을 비롯한 Y2K 감성의 사운드부터 보사노바까지 폭넓게 넘나들면서 일렉트로니카적인 색채가 두드러진 점이 인상적이었어요.
HJ: 계속 사운드를 변화시키는 건 저 자신에게 제한을 두고 싶지 않기 때문이에요. 활동 초기에 하나의 사운드를 확립해서 그것만으로 기억되는 아티스트가 되기보다는, 우선 제가 가진 여러 가지 색깔을 보여주고 싶었어요. 그래야 앞으로 어떤 방향으로 나아가든 자유로울 수 있지 않을까 싶었거든요.
사실 『stereo』를 만들기 전까지는 일렉트로니카 사운드에 그렇게 관심이 많지 않았어요. 오히려 어쿠스틱하고 좀 더 오가닉한 사운드에 계속 관심이 있었죠. 예전에는 조금이라도 전자음악 같은 사운드가 들리면 그냥 넘겨버리는 경향까지 있었을 정도예요.
그런데 『COOL』을 발매한 뒤 친구들을 통해 시부야케이 음악을 조금씩 깊이 파고들기 시작했어요. 여러 작품을 찾아 듣다 보니 드럼 앤 베이스에도 관심이 넓어졌고요. 그동안 듣지 않았던 장르의 음악을 많이 접하면서 『stereo』라는 EP의 구상으로 이어진 거예요.
앞서 말씀드린 Fantastic Plastic Machine이나 i-dep, TOWA TEI는 이전부터 알고 있었지만, 정말 깊이 빠져서 그런 음악만 듣던 때가 바로 이 시기였어요. 그러면서 저도 이런 앨범을 만들어보고 싶다고 생각했죠.
― 두 번째 트랙 Busy Boy가 『stereo』의 방향성을 결정하는 계기가 된 곡이라고 들었습니다. 어떻게 탄생한 곡인가요?
HJ: 손길현이라는 키보디스트를 알게 된 건 『COOL』을 발매한 뒤였어요. 길현이는 Bump2Soul이라는 밴드에서도 활동하고 있어요. 펑크(funk), 소울, R&B, 재즈를 기반으로 음악을 하는 한국의 5인조 인스트루멘털 밴드인데요. 그 친구가 제 밴드에 합류하면서 처음 알게 됐어요. 같이 활동하다 보니 곡도 함께 만들어보고 싶어졌고, 그래서 거의 매주 제 작업실에 모여 곡을 만들기 시작했어요.
처음에는 비트 데모가 나왔는데, 그때부터 Busy Boy라는 주제가 있었던 건 아니에요. 그냥 사운드가 좋은 비트를 만들고 있었죠.
그 후 혼자 가사를 쓰다가 예전에 메모장에 적어둔 낮잠을 세 번이나 자도 되나?라는 문장을 발견했어요. 이게 곡의 첫 가사가 됐어요. 이것도 실제 있었던 일을 바탕으로 적어둔 말이에요. 당시 바빠서 잠을 충분히 자지 못하는 연인이 안쓰럽게 느껴졌던 경험이 배경에 있어요.
비트를 들으면서 그 문장을 다시 보니까 왠지 평소와는 다르게 느껴지더라고요. 그래서 곡의 첫 부분에 넣어봤고, 거기서 Busy Boy라는 제목이 떠올랐어요. 그다음부터는 가사가 자연스럽게 나와서 짧은 시간 안에 완성할 수 있었어요.
― 『RE-MAKE』에서 인상적인 건 기존 곡들을 과감하게 편곡하고 재해석했다는 점이에요. 어린 시절부터 영향을 받은 아티스트들의 라이브 앨범이나 언플러그드 작품에 대한 동경이 출발점이었다고 들었습니다. 구체적으로 누구에게 큰 영향을 받으셨나요?
HJ: 밴드 사운드를 중심으로 한 앨범을 만드는 건 처음이어서 각각의 악기 소리를 어떤 균형으로 들려줄지 고민해야 했어요. 그래서 특히 믹스 측면에서는 The Brand New Heavies와 Parcels를 참고했어요.
The Brand New Heavies는 오래전부터 활동해 온 그룹이고, Parcels는 비교적 최근에 등장한 그룹이잖아요. 활동해 온 시대는 다르지만 두 팀 모두 밴드로서 훌륭한 사운드를 만들고 있어요. 각각의 앨범을 실제로 비교해서 들으면서 그 안에서 무엇을 배울 수 있을지 생각했어요.
반면 편곡이나 앨범 전체의 분위기라는 측면에서는 Jamiroquai와 Benny Sings에게 더 큰 영향을 받았어요. 우선 Jamiroquai의 경우, 저희 밴드가 라이브 편곡을 구상할 때 공연 영상을 정말 많이 봤어요. 어떤 요소들이 라이브를 더 다채롭고 재미있게 만드는지 참고했죠.
다만 그런 라이브 특유의 사운드를 앨범에 담으려면 어느 정도 소리를 정리할 필요가 있잖아요. 너무 산만한 사운드보다는 오래 들을 수 있는 앨범을 만들고 싶었기 때문에 좀 더 미니멀하고 세련된 어쿠스틱 사운드도 참고하고 싶었어요. 그런 의미에서 Benny Sings의 음악도 많이 들었죠.
― 예를 들어 앞서 이야기한 Hair Cut과 Busy Boy는 『RE-MAKE』에서 원곡과 상당히 다른 인상으로 편곡됐잖아요.
HJ: 『RE-MAKE』의 편곡에서는 지금까지 제 작품을 프로듀싱해 준 박준우가 큰 역할을 했어요. 준우는 라이브에 관한 지식도 풍부하고 정말 많은 음악을 들어온 사람인데, 취향도 아주 뚜렷해요.
Hair Cut과 Busy Boy의 리메이크도 준우가 방향성을 제안해 줬어요. 구영준, 손길현과 가볍게 잼을 하면서 만든 짧은 음원을 들려주며 이런 느낌은 어때?라고 하더라고요. 그게 정말 좋아서 저는 좋다는 말밖에 할 수 없었어요(웃음). 거기서부터 밴드 멤버들이 조금씩 아이디어를 더하면서 자연스럽게 편곡이 완성됐어요.
― 반대로 주혜린 씨가 주도해서 새롭게 편곡한 곡도 있나요?
HJ: 밴드 멤버들이 편곡을 구상하면 연주 면에서 좀 더 다채롭고 멋있는 방향으로 발전하는 경우가 많아요. 그건 그거대로 정말 훌륭한 일이지만, 그렇게까지 복잡하게 만들 필요는 없는데 점점 어려워질 때도 있거든요.
그럴 때 저는 선택지를 좁히는 역할을 했던 것 같아요. 저는 멤버들만큼 악기를 잘 연주하지도 못하고, 연주에 관한 전문적인 지식도 그들만큼 많지는 않아요. 하지만 제가 좋아하는 사운드가 있고 지금까지 들어온 음악의 경험이 있으니까, 감각적으로 이런 방향이 더 좋지 않을까? 하고 의견을 낼 수는 있어요. 그리고 그 방향을 실제 연주로 구현해 주는 게 멤버들이죠.

일본 데뷔곡에서 선보이는 새로운 도전
― 이번에 발매된 신곡 Good For Me (これでいい)도 정말 좋았어요. 『stereo』에서 선보였던 일렉트로닉 사운드를 발전시키면서도, 어쿠스틱 버전에서는 싱어송라이터로서의 매력이 더욱 직접적으로 전해졌습니다. 이번 작품은 총 네 트랙으로 구성됐는데, 어떤 작품을 만들고 싶으셨나요?
HJ: 사실 처음에는 pH-1이 피처링한 오리지널 곡 한 트랙만 발매할 예정이었어요. 그런데 제가 리믹스와 어쿠스틱 버전도 추가하면 좋지 않을까 하고 제안했죠. 그래서 오리지널이 완성된 뒤 비교적 짧은 기간에 그 두 버전을 새로 제작해 하나의 작품으로 묶었어요.
이번 작품이 제 일본 데뷔 싱글이기도 하니까요. 일본 리스너분들에게 제가 어떤 음악을 만드는 사람인지, 지금까지 한국에서 얼마나 다양한 사운드를 시도해 왔는지를 하나의 작품을 통해 보여드리고 싶었어요. 같은 곡이라도 서로 다른 여러 버전을 하나의 작품으로 들려드리면 주혜린이라는 아티스트를 좀 더 쉽게 소개할 수 있지 않을까 생각했죠. 그래서 인스트루멘털까지 포함해 총 네 트랙으로 구성했어요.
― 오리지널 버전의 Good For Me에서는 어떤 사운드를 추구하셨나요?
HJ: 사실 두세 달쯤 전에 박준우, 손길현과 함께 도쿄에 머물면서 특별한 목적을 정하지 않고 음악을 만들어보는 경험을 처음 했어요. Good For Me는 그 도쿄 체류 중에 쓴 곡이에요. 일본에서 싱글을 발매한다면 실제로 도쿄에서 만든 곡을 내는 게 그 도시와도 더 잘 어울리지 않을까 싶었거든요.
처음에는 귀여운 드럼 앤 베이스 곡이었어요. 그런데 최근에는 너무 귀여운 사운드를 만들고 싶지는 않다는 생각이었어요.
그래서 도쿄에서 첫 데모가 나왔을 때 제가 조금 예민해졌어요. 이 곡은 너무 귀여워서 나는 하고 싶지 않아라고 말해서 주변 사람들을 당황하게 만들었죠(쓴웃음). 그런데 그 데모를 한국에 가져와 제가 신경 쓰였던 부분을 프로듀서들에게 이야기하니까 다들 이해해 줬어요.
그렇다면 귀여운 사운드를 그대로 유지하기보다는 비트 자체를 좀 더 묵직하게 만들어보자고 했죠. 가사와 멜로디만 들으면 상당히 귀여운 곡이 될 것 같아서, 사운드와 대비를 만들어 오래 들을 수 있는 곡으로 만들고 싶었어요. 이번 사운드 작업에서는 그 균형을 가장 중요하게 생각했어요.
― 가사도 인상적이었어요. 이제 됐어, 너무 싫어라며 상대를 밀어내면서도 마음속으로는 미안해, 용서해 줘라고 생각하고 있잖아요. 강한 척하는 말과 진심이 서로 부딪히는 것처럼 느껴졌습니다.
HJ: 이번에는 제가 지금까지 써보지 않았던 감정을 가사로 써보고 싶었어요. 그리고 이번에는 혼자 작사한 게 아니라 김산이라는 싱어송라이터와 함께 작업했어요.
산이와는 구영준이나 박준우와 비슷한 시기에 친구가 됐어요. 그 친구는 일본 문화나 음악을 저보다 더 잘 알아요. 거의 오타쿠라고 해도 될 정도예요. 이번에는 일본어 가사도 써야 했기 때문에 일본 문화와 음악에 대한 감각을 공유하면서 함께 가사를 써보고 싶었어요.
그래서 작사를 시작하기 전에 여러 이야기를 나눴는데, 서로의 연애 경험에 대해 이야기하다 보니 둘 다 자존심이 강한 연인과 사귄 경험이 있다는 걸 알게 됐어요. 그런 상대가 싸울 때마다 습관처럼 헤어지자는 말을 하는 거예요. 그럴 때마다 정말 지긋지긋하다, 이제 됐다 싶다가도 막상 그 사람이 떠난다고 생각하면 불안해지는 거죠. 저희 둘은 그런 감정을 공유하고 있었어요.
평소 혼자 가사를 쓸 때는 제 개인적인 경험을 적극적으로 담아요. 하지만 이번에는 둘이 함께 쓰기로 했으니까 반드시 두 사람에게 공통되는 이야기를 쓰고 싶었어요. 서로의 경험을 이야기해 보니 정말 말이 잘 통하더라고요. 자존심 강한 연인과의, 조금은 톡식한 연애 경험이라고 할까요. 어디까지가 제 이야기이고 어디부터가 산이의 이야기인지 구분하기 어려울 정도로 서로의 경험이 겹쳐 있는 가사를 쓰고 싶었어요.

― 이번 곡에 참여한 pH-1과는 어떻게 인연을 맺고 교류하게 됐나요?
HJ: 처음 연락을 주고받은 건 pH-1이 자신의 곡 OVERNIGHT에 피처링으로 참여해 달라고 연락을 줬을 때예요. 아마 제 『stereo』를 듣고 연락을 준 게 아닐까 싶어요. 처음에는 조금 더 훅이 강하고 캐치한 멜로디를 써달라는 제안이었는데, 저는 그 곡에서 조금 어려운 라인에 도전해 보고 싶었어요. 그래서 처음 제안받은 방향과는 꽤 다른 걸 만들었는데, pH-1이 그걸 마음에 들어 했어요. 그게 첫 인연이었죠.
저는 지금까지 다른 아티스트의 곡에 몇 번 참여한 적은 있지만, 제 작품에 누군가를 피처링으로 초대한 적은 한 번도 없었어요. pH-1이 처음이에요. 이번에는 일본에서 발매하는 싱글이기도 하고, 이런 연애 이야기를 다루게 됐으니까 제가 노래하는 상대방, 그러니까 연인의 입장에서 쓴 가사도 있으면 좋겠다고 생각했어요. 자존심이 강한 연인의 관점에서 쓴 벌스가 2절에 들어오면 재미있지 않을까 싶었죠.
사운드가 완성된 시점에 이건 pH-1 본인의 곡이라고 해도 이상하지 않을 만큼 그 역할이 잘 어울릴 것 같았어요. 그래서 부탁했더니 pH-1도 내 스타일과 잘 맞는다고 해줬고, 작업도 빠르고 즐겁게 진행됐어요.
그가 곡에 더해준 걸 간단히 설명하자면, 원래 한쪽 입장에서만 이야기될 뻔했던 서사에 또 하나의 시점이 생긴 거예요. 조금 한심하고 자존심은 세지만, 그 관계를 붙잡기 위해 자존심을 버릴 수도 없는 남자. 그런 남자의 입장에서 쓴 가사가 곡 중간에 들어오죠. 거기에 pH-1의 목소리까지 더해지면서 곡이 훨씬 입체적으로 변했다고 생각해요. pH-1이 부르는 귀엽고 짧은 일본어 가사도 신선하게 느끼실 것 같아요.
루시 갱과 YonYon과의 교류, 일본에서 내딛는 새로운 발걸음
― 래퍼 이야기가 나와서 말인데요. 얼마 전 루시 갱을 인터뷰했을 때 주혜린 씨와 헬스장 친구라고 하더라고요. 두 분은 어떻게 처음 만나셨나요?
HJ: 처음 만난 건 K-POP 송캠프였어요. 3~4년 전 일이었는데, 저에게는 인생 첫 송캠프였어요. Luci도 처음이었다고 들었어요. 저도 그런 경험을 한번 해보고 싶어서 초대를 받고 참여했죠.
사실 처음에는 루시 갱이라는 이름에 Gang이 들어가니까 조금 무서운 사람인가 싶었어요(웃음). 성격이 세 보일 것 같은 이미지가 있었거든요. 그런데 실제로 만나보니 성격이 정말 좋은 거예요. 처음 만났을 때부터 그렇게 털털하고 함께 있으면 편안한 사람은 흔치 않다고 생각해요. 그 자리에서 완전히 좋아하게 돼서 서로 인스타그램도 팔로우했어요.
그러고 얼마 뒤에 Luci가 유튜브 등에서 제 『COOL』을 소개해 줬어요. 『stereo』를 발매했을 때도 잘 듣고 있어라고 메시지를 보내줬고요. 그게 정말 기뻤어요.
그 후 Luci가 raincoat라는 곡을 만들었는데, 처음부터 저를 떠올리면서 썼다고 하더라고요. 피처링으로 참여해 달라고 정중하게 연락을 줬어요. 저는 Luci라는 사람 자체에 푹 빠져 있었기 때문에 사실 곡을 듣기도 전에 할게요라고 대답했어요(웃음). 실제로 들어보니 제가 굉장히 잘할 수 있는 분위기의 곡이어서 즐겁게 참여할 수 있었어요.
그다음에는 Luci가 제가 참여해 준 걸 고맙게 생각했던 것 같아요. 마침 저도 운동을 시작하려던 참이었는데, Luci는 오래전부터 꾸준히 트레이닝을 해왔거든요. 그래서 피처링 비용 대신 Luci에게 퍼스널 트레이닝을 받기로 했어요.
Luci도 저를 가르치려면 반강제로 헬스장에 가는 횟수가 늘어나니까 오히려 좋다고 하더라고요(웃음). 그렇게 저희는 헬스장 친구가 됐어요. 지금은 서로 근육 상태를 체크해 주는 사이예요(웃음). Luci의 호탕한 성격이나 솔직하면서도 예의 바른 모습이 정말 좋아요.
주혜린이 작사에 참여한 K-POP 그룹 STAYC의 2:LOVE
― YonYon은 Good For Me의 일본어 가사뿐 아니라 『RE-MAKE』 일본반의 가사 번역도 맡았잖아요. 두 분은 어떻게 가까워지셨나요?
HJ: YonYon과 알고 지낸 지는 그렇게 오래되지 않았어요. 그런데 제 음악을 굉장히 높이 평가해 주는 것 같아요. 일본에서도 제 음악을 열심히 소개해 주고, DJ를 할 때도 일본에서 제 곡을 많이 틀어준다고 들었어요. 게다가 그런 걸 굳이 저에게 생색내지도 않고 여러 곳에서 자연스럽게 제 음악을 추천해 주더라고요. 정말 감사하죠.
마침 일본 싱글 발매를 준비하고 있을 때 YonYon이 파티에 출연자로 초대해 줬어요. 그래서 YonYon에 대한 감사한 마음도 담아 파티가 열리는 시기에 맞춰 곡을 발매하려고 생각했어요. Peace Tree Night에서 신곡을 처음 라이브로 선보일 수 있으면 좋겠다고 생각했거든요. 저에게는 은인 같은 존재예요.
― 그다음에는 BiKN 무대도 예정돼 있죠. 라이브에서는 어떤 점에 주목해 주셨으면 하나요?
HJ: BiKN에서는 일본에서 처음으로 밴드 편성의 라이브를 선보여요. 『RE-MAKE』를 함께 만든 멤버들과 한국이 아닌 곳에서 처음으로 공연할 수 있다는 게 정말 기뻐요.
『RE-MAKE』는 일본 에디션 바이닐도 발매했어요. 그 안에 담긴 음악을 일본 리스너분들께 직접 들려드릴 수 있다는 게 무엇보다 기대돼요.

주혜린 『Good For Me (これでいい)』
음원 발매 중
듣기·구매: https://linkco.re/T8SxVasg

ADRIFT presents Peace Tree Night
일시: 2026년 10월 16일(금)
장소: 일본 도쿄 시모키타자와 ADRIFT
시간: OPEN 18:30 / START 19:00
출연: YonYon (Full Band Set), Hyelyn Joo, Chill The World 칠더월드
DJ: CHEBB
티켓: 예매 4,400엔 / 25세 이하 3,000엔 / 현장 5,000엔
예매: https://buzz-ticket.com/e/peacetreenight
BiKN shibuya 2026
일시: 2026년 11월 8일(일)
장소: Spotify O-EAST / Spotify O-nest / duo MUSIC EXCHANGE / 7thFLOOR
시간: OPEN 11:00 / START 12:00
출연: Chace(CN), Hyelyn Joo(KR), Dekopon Escaping 丑橘出逃乐队(CN), Reality Club(ID), STOLEN 秘密行动(CN), 루시 갱(KR), Hammer Head Shark(JP), oceanfromtheblue(KR), Gordon Flanders(HK), 衛柏 Neon(CN), Kangziwon 강지원(KR), rubenmccarter(CN), Bridge Dog(AU) 외
티켓: 일반 11,000엔 / 학생 6,000엔 (세금 포함, 음료 요금 별도)
공연 정보: https://bikn.asia/