
英女優のミア・ゴスが、AIで作られた自身の偽写真がInstagram上で拡散した問題について、強く反発している。写真はファンアカウントによって投稿され、数日間にわたって削除されることなく広まり続けていた。
問題となったのは、「My Ex Is My Biggest Fan(元恋人は私の一番のファン)」と書かれたTシャツを着たゴスが、自撮りしているように見える画像だ。投稿元のアカウントは「@miagoth_」というユーザーネームを使用し、本人であるかのような印象を与える認証マークも付いていた。しかし、ゴスはSNSを利用していないことで知られ、これまでInstagramの公開アカウントを持ったこともない。この偽写真は、ゴスが元パートナーで俳優のシャイア・ラブーフとの離婚手続きを進めていることを認めた後、急速に拡散した。
ゴスは、タイ・ウェスト監督によるホラー三部作『X エックス』(2022年)、『Pearl パール』(2022年)、『MaXXXine マキシーン』(2024年)で主演を務めたことで広く知られている。イギリス出身の彼女とラブーフの間には、4歳になる娘イザベルがいる。
問題のアカウントは、プロフィール欄にファンアカウントであることを明記していた。一方で、アカウント名の横には、認証済みであることを示す青いチェックマークが付いていた。Instagramでは、このマークは従来、著名人などの公式アカウントであることを示すために使われてきた。
しかし近年は、有料サービス「Meta Verified」に加入することでも、ほぼ同じ見た目の認証マークを取得できるようになっている。両者は見た目ではほとんど区別がつかない。そのため、米誌『People』もゴス本人が写真を投稿したものと勘違いし、記事として取り上げてしまったとみられる。同記事は現在削除されている。
しかも、こうした問題は今回が初めてではなかった。ゴスの広報担当者によると、問題のファンアカウントは以前からAIで作られたゴスの偽画像を繰り返し投稿しており、ゴス側はInstagramに対してアカウントの削除を複数回要請していたという。
ゴスの広報担当者であるクリスティーン・トリピッキオは、米メディア『The Verge』に寄せた声明で、偽写真の拡散について「憂慮すべき事態だ」とコメントした。
「そもそも、このようなファンアカウントがInstagramの認証基準を満たし、認証マークを取得できてしまうこと自体、根本的な問題として憂慮すべきです」とトリピッキオは述べている。「それ以上に理解に苦しむのは、Instagramが著名人の肖像やその信頼性を守ることよりも、偽造・加工された画像の拡散を優先しているように見えることです」
このアカウントは、問題の写真が投稿された時点で100万人以上のフォロワーを抱えていた。Metaの広報担当者は、著名人へのなりすましを理由にアカウントを削除したと明らかにしている。しかし、AIで作られた偽画像への対応は、依然としてSNSプラットフォーム各社にとって大きな課題となっている。
Metaは、実在する人物をAIで再現した画像や動画の投稿を一律に禁止しているわけではない。AIで作られたコンテンツには、その旨を示すラベルを表示する仕組みもあるが、『The Verge』によれば、静止画像への表示は必須とされていない。今回の騒動は、AIによる偽画像の拡散だけでなく、著名人の公式アカウントと誤認されかねない認証制度の問題も浮き彫りにした。