「不審者パーカー」やリカバリーウェアなど、SNSを中心にその機能性が度々話題になるワークマン。

今年の秋冬の新商品発表会に参加すると、ひときわ目を引くコーナーを発見。今年、一番の目玉シリーズが展示されているようだ。

一体、どんな機能を備えた商品なのか? 今回は、ワークマンが新たな目玉として力を入れるシリーズの特徴や選び方について、製品担当者に詳しく聞いてみた。

  • ワークマンの2026年秋冬新商品発表会

    ワークマンの2026年秋冬新商品発表会

リカバリーウェアより成長見込みあり!? 秋冬、ワークマンの目玉は「XShelter」

今回注目したいのは、「XShelter」シリーズだ。同社専務取締役の土屋哲雄氏によると、「XShelter」シリーズはリカバリーウェア事業よりも成長を見込んでおり、現在、同社が特に力を入れている戦略素材なのだという。SNS上でもじわじわ話題になってきているように感じる。

そもそも「XShelter」とは、同社が独自開発した断熱素材。これまでに「XShelter断熱α(アルファ)」と「XShelter断熱β(ベータ)」の商品を販売してきた。そんな中、今年は新たに「XShelter快適断熱Σ(シグマ)」と「XShelter断熱Ω(オメガ)」が登場。つまり、全部で4シリーズが存在するということになる。

……α、β、Σ、Ω。なんだか数学の授業以来の不思議な感覚で、頭が混乱してきた。

しかも、どうやらそれぞれ得意分野が異なるようだ。そこで、早速担当者に突撃……。まずは今回新たに登場した注目の「Σ」から紹介したい。

寒い外も、暑い電車も!? 5~30℃を想定した新作「XShelter快適断熱Σ」

今回、特に気になったのが、新登場の「XShelter快適断熱Σ(シグマ)」だ。

というのも、こちらは外気温5~30℃を想定し、断熱性だけでなく、光や湿気などにも対応する25の機能を搭載しているという。

  • 「XShelter快適断熱Σ(シグマ)」の25の機能

    「XShelter快適断熱Σ(シグマ)」の25の機能

従来の「XShelter断熱α」と「XShelter断熱β」は、主に「夏は涼しく、冬は暖かい」環境を作るための断熱性に着目したシリーズ。

一方、新たに登場したΣは、それだけではない。

例えば、冬に外を歩いているときは寒いのに、暖房の効いた電車に乗った途端、汗がにじんでくる……かといって、満員電車では上着を脱ぐのもひと苦労。

そんな経験はないだろうか? 朝からちょっとした戦いである。

「XShelter快適断熱Σ」は、そんな1日の中で生じる「寒暖差」に着目した商品なのだ。防寒性だけを追求するのではなく、暖かい場所に移動したときの暑さや蒸れにも配慮し、1着で幅広い温度環境に対応することを目指したという。もちろん、5~30℃ならどんな環境でも必ず快適に過ごせるという意味ではないが、気温の変化に合わせて何度も上着を脱ぎ着するのが面倒……という人にとっては、なんとも気になる存在だ。

氷を置いたらどうなった? 発表会で見た「XShelter」の断熱実験

そんなΣの機能を紹介するため、発表会ではちょっと変わった実験も行われていた。

熱したホットプレートの上に、従来の布(写真右)と「XShelter快適断熱Σ」の布を置き、それぞれの上に氷を乗せるというものだ。同じように熱を受ける環境で、氷の溶け方にどのような違いが出るのかを比較する実験らしい。

30秒程度待ってみると……。

  • ホットプレートと氷を使った「XShelter快適断熱Σ」の断熱実験(右:従来の布、左:「XShelter快適断熱Σ」)

    ホットプレートと氷を使った「XShelter快適断熱Σ」の断熱実験(右:従来の布、左:「XShelter快適断熱Σ」)

なるほど、こうして実際に並べてみると、素材による違いが視覚的にも伝わってくる。

さらに、もう一つ気になったのが「蒸れにくさ」に関する実験だ。こちらでは、従来品の白い布と「XShelter快適断熱Σ」の黒い布を使い、水蒸気の通りやすさを比較していた。

  • 水蒸気を通しにくい従来品の白い布

    水蒸気を通しにくい従来品の白い布

  • 水蒸気を通しやすい「XShelter快適断熱Σ」の黒い布

    水蒸気を通しやすい「XShelter快適断熱Σ」の黒い布

従来品の白い布は水蒸気を通しにくいのに対し、Σの黒い布は水蒸気を通しやすいという。寒さを防ぐだけでなく、暖房の効いた場所で感じる蒸れにも配慮しているというわけだ。

こうした実験は、あくまで発表会で設定された条件下での比較だが、素材の特徴を理解するうえでは興味深い。

ちなみに、Σの商品ラインアップもなかなか幅広い。テーマパークなどで活躍しそうな「ポンチョ」(2,500円)や、フォーマルな場面でも使えそうな「テック2Bジャケット」(3,990円)、「テック長袖シャツ」(2,990円)などが展開されている。

  • 「XShelter快適断熱Σ テック2Bジャケット」(3,990円)

    「XShelter快適断熱Σ テック2Bジャケット」(3,990円)

  • 「XShelter快適断熱Σ テック長袖シャツ」(2,990円)

    「XShelter快適断熱Σ テック長袖シャツ」(2,990円)

寒暖差が激しい日の通勤にはもちろん、朝から夜まで屋外と屋内を行き来する日や、季節の変わり目にも取り入れやすそうだ。

結局、どれを選べばいい? 「XShelter」全4シリーズを比較

さて、ここまで新登場のΣを紹介してきたが、まだ3シリーズが残っている。

正直、名前を覚えるだけでもひと苦労。では、いったい何が違うのだろうか?

担当者に聞いた特徴を整理すると、以下のようになる。

シリーズ 主な特徴 おすすめの使用シーン
XShelter断熱α 軽量性・断熱性 通勤、普段の歩行など
XShelter断熱β ストレッチ性・断熱性 動きやすさを重視する日、日常着
XShelter快適断熱Σ 寒暖差や蒸れへの配慮 電車通勤、季節の変わり目
XShelter断熱Ω 厳しい寒さに対応する断熱性能 寒冷地への旅行、屋外作業など

こうして並べてみると、同じ「XShelter」でも、想定する使用シーンが大きく異なることが分かる。

では、それぞれどのような商品があるのか、もう少し詳しく見ていこう。

「XShelter断熱α」は"軽さ"が魅力! 通勤にも使えるアウターが登場

「XShelter断熱α」は、XShelterの出発点となったシリーズ。

空気層を持つシート状の断熱材を使い、厚手の中綿を大量に入れなくても断熱性を確保しているため、一般的なダウンジャケットと比べたときの軽さが大きな特徴だそうだ。

  • 「XShelter断熱α」シリーズ

    「XShelter断熱α」シリーズ

一方、ストレッチ性は低いため、激しく体を動かす場面よりも、通常の歩行など、動きがそれほど大きくない場面におすすめだという。

ラインアップには、「ステンカラーコート」(4,900円)や「防水ウォームアウター」(4,900円)などが用意されている。

  • 「XShelter断熱α ステンカラーコート」(4,900円・写真右)/写真左は「XShelter断熱β メルトンコート」(5,800円)

    「XShelter断熱α ステンカラーコート」(4,900円・写真右)/写真左は「XShelter断熱β メルトンコート」(5,800円)

ステンカラーコートなら、スーツやきれいめな服装にも合わせやすそう。

「冬のアウターは重くて肩が凝る……」という人や、通勤でも使える防寒着を探している人はチェックしてみてはいかがだろうか。

「XShelter断熱β」は"ストレッチ"が特徴! 普段着にも取り入れやすい

続いて「XShelter断熱β」。

こちらは、先ほどのαと同じく高い断熱性を持ちながら、αの「伸びにくい」という弱点を改善した、ストレッチ性が特徴の素材だ。

  • 「XShelter断熱β」シリーズ

    「XShelter断熱β」シリーズ

  • ストレッチ性

    ストレッチ性

作業をする場合や、動きやすさを重視する人におすすめだという。

しかも、βはアウターだけではない。

チェック柄の「長袖シャツ」(2,990円)や、スウェット生地の「スウェットジップパーカー」(3,900円)など、普段の私服にも取り入れやすいアイテムがそろっている。

  • 「XShelter断熱β 長袖シャツ」(2,990円)

    「XShelter断熱β 長袖シャツ」(2,990円)

  • 「XShelter断熱β」スウェットシリーズ

    「XShelter断熱β」スウェットシリーズ

いかにも防寒着! という見た目ではなく、いつものファッションを楽しみながら寒さ対策ができるのはうれしいところ。休日のお出かけや、よく動く日の普段着としても重宝しそうだ。

「XShelter断熱Ω」は"非日常の寒さ"に! 最上位クラスの断熱性能

そして最後は「XShelter断熱Ω(オメガ)」。何やら名前からして強そうだが、実際にXShelterの中でも最上位クラスの高い断熱性能を狙ったシリーズだという。

  • 「XShelter断熱Ω(オメガ)」シリーズ

    「XShelter断熱Ω(オメガ)」シリーズ

強い寒さや風など、過酷な環境で使うことを前提としているため、どちらかといえば屋外作業をする人や、非常に寒い地域への旅行・出張を予定している人向けとのこと。例えば、普段は比較的温暖な地域に住んでいる人が、真冬の寒冷地に旅行する場合など。

慣れない寒さの中で「こんなに寒いと思わなかった……!」と後悔しないためにも、こうした高断熱のウェアは選択肢の一つになりそうだ。ちなみに、実際の店頭では「この環境下ではこの製品がおすすめ」といった、気温ごとの展示も行われるという。

  • 気温ごとにおすすめの「XShelter」を紹介

    気温ごとにおすすめの「XShelter」を紹介

気温を目安に商品を選べるのは、ありがたい。特に旅行先の気候が普段と大きく異なる場合は、事前に確認しておくとよさそうだ。

通勤、普段着、冬の旅行……自分に合う「XShelter」は?

今回、発表会で担当者に話を聞いて感じたのは、「XShelter」とひと口に言っても、重視する機能や使用シーンによって選ぶべき商品が異なるということ。

軽さを重視するなら「α」、動きやすさなら「β」、日常の寒暖差が気になるなら「Σ」、厳しい寒さに備えたいなら「Ω」。

アルファベットならぬギリシャ文字が並んで最初は戸惑ったが、こうして特徴を整理してみると、意外と分かりやすい。日によって気温が大きく変わる季節の変わり目。毎朝「今日、何を着ればいいんだ……?」と悩む人は、自分の生活スタイルに合う「XShelter」を探してみてはいかがだろうか。