
会社員として働きながら、トークボックスプレイヤー/ビートメイカーとして活動するKzyboost。Daichi Yamamotoのライブサポートをはじめ、さまざまなアーティストの楽曲に参加し、国内ではまだ珍しいトークボックスの音色を、歌うように、時には楽曲に溶け込ませるように響かせてきた。
8月には、KM、Fitz Ambro$e、BudaMunk、Qunimune、FKD、grooveman Spotという6名のプロデューサーを迎えたEP『36 by 37』をリリース。タイトルは、36歳当時の自身を37鍵のシンセサイザーで描くというコンセプトに由来する。これまで自身でもビートを作ってきたKzyboostが、今作では「あえて自分でビートを作らない」と決め、歌詞とトークボックスによる表現に向き合った作品だ。
聞き手は、Kzyboostの作品をリリースするレーベル「Andless」でA&Rを務め、ライターとしても活動するMINORIが務めた。そもそもトークボックスとはどのような機材なのか。なぜこの表現方法を選び、続けてきたのか。そして、会社員と音楽家という二つの顔を持ちながら、どのように作品を生み出しているのか。『36 by 37』の制作背景とともに、Kzyboostの現在地を聞いた。
トークボックスで、自分の言葉を歌うまで
ー改めてなんですけど「トークボックス」というものをまだよく知らない人も多いと思っていまして。これは楽器なんですか? エフェクターの一種?
Kzyboost:エフェクターの一種で、「トーキング・モジュレーター」とも呼ばれるものです。トークボックスをやる人は基本キーボードとかシンセサイザーに繋いだりするけど、ギターに繋いで使う人もいる。俺がやってるみたいに、歌として発声をするというか、音を言葉に変えて伝えようとする時には、シンセサイザーで単音を鳴らすような使い方じゃないと声がどうしても濁っちゃうというか。 言葉を作るのは難しいかな。
ーなるほど。仕組みが何回聞いてもよく分からないんですが、チューブを使って息を”吹いて”いるわけではなくて、”チューブから音が出てきてる”んですよね?
Kzyboost:そうそう。キーボードを弾いて出た音がチューブに伝わって出てきて、その音を、口の形を変えることで言葉にしたりする。口を使って音を変える感覚は、サックスとかトランペットに近いかな。機械から出る音を口で受け止めて、それを反響させる演奏方法。
ーでもどうしてトークボックスを選んだんですか?結構ニッチですよね。
Kzyboost:一番最初に俺、トークボックスの曲聴いてうわってなったんが、ブラックストリート(Blackstreet)の「Deep」っていう曲で。
(曲を実際に流す)
Kzyboost:2003年か。このアルバムが衝撃的すぎて。この曲をダンスのショーケースで使ってる人たちを見て、衝撃で。その時はShazamもないから、ネットで調べまくって、結果「トークボックス」ってモノまでたどり着いて。そこから実際にトークボックスでライブをしてる動画を見たり、他のアーティストの曲も聴いたりして、ファンキーな曲もいっぱいあんねんけど、このメロウな方にトークボックスを使うっていうのにすごい魅力を感じた。
ー確かに、この曲のトークボックスの使い方はかずやさん(Kzyboost)の演奏に近いものを感じますね。
Kzyboost:そうそう。ゴリッとした使い方はよくあるけど、スロージャムにトークボックスが使われてて、その色っぽさが好きで。
ーかずやさんのトークボックスは歌みたいに聴こえる時もあるし、曲の一部として自然に溶け込んでいたと思えばグワっと前に出てきたりとか、聴いていて面白いです。でもほぼトークボックスだけで活動している人って珍しいですよね。特に国内では、まだ多くないですよね。
Kzyboost:めっちゃ少ないと思う。自分も23歳ぐらいからトークボックスをやりだして、ちゃんとオリジナルの曲を作ったのは2018年くらいで。それまで歌詞を書くということができなかったし、作ったらダサッみたいな(笑)。
ー確かにトークボックスを日本語でやると面白くなっちゃう時ってありますよね。芸人がネタで使ったりしてるくらいだし。
Kzyboost:そう。洋楽のカバーとかは全然できるんやけど、オリジナルを作るのがすごく難しくて。「自分が作ったビートでトークボックスのオリジナルの曲作る」っていうのが1個の目標やったけど、そこまで行くのにめっちゃ時間がかかった。 途中で「俺は何がしたいんやろ?」ってなった時も結構あった。
ーどうやってその壁を乗り越えたんですか?
Kzyboost:最初は音楽的なことが全くわからんかったから、こうじさん(grooveman Spot)と出会ったのはでかかったと思う。
ー最初からキーボードが弾けたとか、そういうわけではなかったんですね。
Kzyboost:ほんまに訳わからん状態でずっとビート作ってた。動画とか見て、こんな感じでやってんのかなって。 だから最初は仙台のこうじさんの家に行って、レクチャーじゃないけど、こうやって作ってんねやって横で見させてもらって。それこそ音のミキシングとか、そういうのも全くわからんかったから。2015年くらいに自分で初めて出したCDとかあんねんけど音圧ガッタガタで。やばいよ。
ーそこからgrooveman Spotさんとの交流が始まった。
Kzyboost:そう。トークボックスを乗せたいからなんかオケくださいって頼んで送ってもらって。そこまではカバーしかやってこなかったんだけど、2020年に「Rainy Girl」っていうオリジナルのトークボックスの曲をSoulflexのKenTと一緒に作って。今でもライブで演奏してるんやけど。
ー6年前か。ちょっと他人事みたいな言い方になりますけど、目覚ましい成長をとげてますね。
Kzyboost:でも、そう考えるとオリジナルの曲はまだまだ少ない。Daichi(Daichi Yamamoto)とこうじさんと一緒に作った「Wanna Ride(The Breeze)」とかも2021年だし。
ーでもそれ以前にも他のアーティストの曲に参加することは結構あったんじゃないですか?かずやさんのトークボックスは客演の時も活躍している印象があります。
Kzyboost:そうね。入り方はむずいけどなあ。下手すると邪魔しちゃうしね。とりあえずトークボックス乗せりゃいいみたいな感じでやっちゃうと、究極ダサなるから。そこの塩梅が難しいよな。
ーいつもいい塩梅に感じます。
Kzyboost:そう、気をつけてますよ(笑)。目立ちはしたいけど、邪魔しないようにとか、馴染むように、みたいなのはすごい意識する。実は「Rainy Girl」をリリースした当初、大阪でSoulflexのバンドメンバーに混じってライブすることが多くて。
ーそうだったんですか、知らなかった。でも音楽理論ガチガチの人たちの中に入るの、結構大変じゃなかったですか?
Kzyboost:本当にそう。「今日はCメジャーのところをCマイナーで」みたいなことを急に言われて、「わかんないっす」みたいな。難しかったなあ。でも、それがあったから、空気を読むというか、セッションの中で「今行った方がいいな」みたいなのがなんとなくわかるようになった。それが今、例えばDaichiのサポートとか、客演に入る時とかに生きてるのかもしれない。でもそれまではバンドの中だったから、Daichiと、ラッパーとっていうのは初めてやったし、特にDaichiのラップは日本語の発音がすごい綺麗やから、余計邪魔したらあかんから今でもめっちゃ考えるよね。
Photo by Ryosuke Hoshina
6人のプロデューサーと広げた、トークボックスの可能性
ートークボックスで日本語の歌詞を作る時に、どこを意識したらいい感じになるとかありますか?
Kzyboost:自分的に意識してることがあって。日本語って英語と比べると基本カクカクしてるから、トークボックスの場合は特に言い方を工夫しないと違和感が残る。例えばEPの「Draco」で考えると、最初のリリックが〈昨日の涙どこに〉なんやけど、これが「昨日の涙がどこに」とかになると、なんかやっぱ「が」とかが入ると説明っぽくなりすぎて、ニュアンスが変わってくる。だから、”スムーズに言葉を繋げるにはどうしたらいいか”が大事かな。いい歌詞書けたと思っても、RECしてみたら「なんかちょっとカクカクしてんな」みたいな。自分の中であんねん。日本語にしたら、響きがかっこ悪いみたいな。だからそれを払拭するのに時間がかかった。
ー今回のEP『36 by 37』で言うと、「No Count」とかはBPMが速いから結構難しかったんじゃないですか?
Kzyboost:めっちゃ速いね。あれはすごく難しかった。完全にチャレンジ。
ー最初にQunimuneさんにビートを頼む際に、なにか注文はしたんですか?
Kzyboost:ツーステップみたいな速いやつやりたいですって頼んだよ。
ー自分で挑戦しに行ったんだ。ビートが届いて、どうでした?
Kzyboost:めっちゃかっこよくて。でも俺、どうやって書き始めようかなって悩んで。フックの部分だけで1、2カ月ぐらいかかったんじゃないかな。今回の作品は、ビートは他のプロデューサーに任せてたから、自分は歌詞に集中してたんやけど。平日の仕事帰りに、ビートを聴いて考えたりしてたよ。「No Count」は特に、どういうコンセプトが合うんか分からんかったな。
ー確かに、曲のコンセプト気になってました。ハラハラ系ですよね(笑)。
Kzyboost:Daichiのライブでlit(福岡のライブイベント)に出演した日だったかな。飲みすぎて、「もう酒いらんわ」ってなって、次の日大阪帰ってきて。でもちょっとだけ飲みたいなと思って、夜に大阪駅の近くを歩いてて。近くにグランフロントっていう建物があんねんな。そこによくカップル同士が座ってるような、公園みたいな広場があんねんけど、そこに俺もちょこんって座って、ちょっとビール飲みながら「No Count」のビート聴いてて。「なんかいけるかも」って瞬間があって。それでパーって書いて、そこから一気に進んだ。 で、歌詞を考えてる時に、そこで路上ライブしてる人がいて、アリシア・キーズ歌ってて、それも歌詞に入れたりして。
ーだから急に〈路上のAlicia〉が出てくるのか。
Kzyboost:最後の方に〈GF〉って歌詞が出てくるんだけど、それは「グランフロント」の略で。ちなみにGF WORKSっていうトークボックスを作ってる会社があって、俺しかわからんと思うけどそういう小ネタも入れつつ。
ーいや、いいっすね。そういうことだったんだ。バイブスがめちゃくちゃ伝わってきました。このEPは、何かテーマを決めて作り始めたんでしたっけ?
Kzyboost:特にテーマは決めてなくて、でも今回は「自分でビートを作らない」ってことだけは決めてたかも。純粋にずっと一緒に曲を作りたかった人たちに頼んだ。「Draco」のこうじさん(grooveman Spot)は何度も一緒に作ってきたからこそ、今回は作り方を変えてみた。
ーどんな風に作ったんですか?
Kzyboost:先にアカペラでフックとヴァースを録って送った。いつもやったらビートありきで始めるから、逆で。だから俺の中ではちょっといつもとは違って。完全に合わせに行ってもらった感じやから、逆にこうじさんが時間かけてやってくれたね。
ー面白いですね。ポップスの制作っぽい進め方というか。トップラインがあった上で、トラックをアレンジしてもらうみたいな。
Kzyboost:そう。そのニュアンスでやりたいです、みたいなのは伝えて。ちなみにタイトルの「Draco」は”りゅう座”っていう夏の星座のことで。なんでそのタイトルにしたんか俺もあんま覚えてないんやけど、でも俺的にはこの曲はやっぱりJ君(JJJ)に対しての気持ちもちょっと込めた。もちろんそれだけじゃないけどね。
ーそうなんですね。あとは、BudaMunkさんプロデュースの「All The Way」では1番をほぼまるまる歌ってますよね。最初に聴いた時は新鮮でした。
Kzyboost:まずBudaMunkさんの曲作る時は、俺はとりあえずベロベロになろうと思って(笑)。一人で居酒屋行って歌詞考えてたら、「最初地声の方が良さそうやな」と。途中からトークボックスに切り替えようと思って。
ーライブの時も地声で歌うとアクセントになっていいですよね。
Kzyboost:そう。なんか動ける曲できた!と思って。トークボックスのパートはずっとキーボードの前にいて、ホイールを左手で操作してるから動けないし。ライブはまだ試行錯誤中ではあるけど。
ー今回が初めてのプロデューサーでいうと、Fitz Ambro$eさんもですよね。「Spellbound」は今回のEPの中で一番いつものかずやさんに近い感じがしました。
Kzyboost:今回初めて一緒に曲作ったけど、ずっとやりたかってんな。びっくりするぐらいデモ送ってくれて、40曲ぐらいあったね。
ーすごい数。
Kzyboost:最初違うビート選んでそれでやってみたけどちょっと違うってなって、今回のビートを選んで。仕上げに、Fitzがイントロに声入れてくれて。ちょっとトーン変えてるとは思うけど。
ーあれFitzさんの声なんだ。 めちゃくちゃいい声ですね。ちなみにタイトルの「Spellbound」ってどういう意味でつけたんですか?検索したら「魔法にかかった」みたいな意味だって出てきたんですけど。
Kzyboost:俺の”スペルバウンド”は手品のトリックの名前やねんな。
ーそっか、かずやさん手品するから。
Kzyboost:そう。”スペルバウンド”は、例えば手に持ってるコインが銀貨やったとしたら、手をパッてかざした次の瞬間に金貨になってたりとかする、俺が一番好きなマジックの技。それを一応テーマにして、めっちゃくさく言うと「あなたがいれば寂しい夜が一瞬で華やかな夜になります」みたいな、そういう感じの意味で。
ー そんなロマンチックだったんですね。 今回のEPの中で時間がかかった曲、早くできた曲ってそれぞれどれでしたっけ?
Kzyboost:一番早かったのは「On Me」じゃないかな。いい意味であんまり詰め込まずにどうでもいいやみたいな感じで作った曲かもしれない。 「Spellbound」とか「Draco」もそうやけど、言葉が詰まるというか、文字数が多い曲が多かったから。
ー確かにすごくバランスが良いですよね。聴きやすいですし踊れるし、すごく好きです。FKDさんがビート作りに苦戦していたのはなんとなく覚えてます(笑)。やっぱりみんなトークボックスプレイヤー向けにビートを作る機会はあまりないので難しいところはありますよね。
Kzyboost:自分が一番難しかったのはKMさんの「Duality」。歌詞も全部書き直した。
ーやばい。一度作ったんですか?
Kzyboost:一回作ったで。全部録って。でもDaichiに送って「いや、これもうちょっといけますね」って返ってきて。いや、自分でもわかってて。そこで全部書き直そうと思って、めっちゃ時間かかったな。最初のものとは全く変わった。サビも全部違う。
ー最初にKMさんからビートが届いた時はどうでした?
Kzyboost:クラシックや、これはって。ビートが来た時点で「おっしゃ!」ってなって、書いてみて「あれ?」ってなって(笑)。どんぐらいかかったんやろう。ビートが届いたんが前年の10月で、ちょうどDaichiのツアーの時期で。
ー確かに、福岡公演の喫煙所でビートを聴かせてもらった記憶があります。
Kzyboost:ほんで俺が最初にワンヴァース録ってKMさんに送ったんが年末やな。でも曲全体で言ったら半年ぐらいかかってると思う。
ー結構かかりましたね。「Duality」はどういうテーマにしようと思ったんですか?
Kzyboost:シンプルに「二面性」じゃない? KMさんにビートをお願いする時に、「今年から(仕事で)支店長になりまして」って話をちょっとしてたから、「支店長成り上がりソング作ろう」って。あとは「仕事も音楽もどっちも本気でやろうとしたら、どっちも離れていく」みたいなこともテーマにしたくて。これはあくまで俺の話だけど、別に世の中の人でも、親でありながら仕事してるみたいなことはあるだろうし、通じる部分かなって。
ーそれでテーマは”二面性”になった。2023年の『Too Wise』とも通じるところがありますね。
Kzyboost:だから今回はリリックを「仕事してる時」と「音楽やってる時」で徹底的に対比させるようにした。冒頭の〈揺れるmorning rush〉のところは、通勤の時、満員電車に揺られて「俺今何やってんねやろ」みたいな。そこと対になるのが「鳴らすKM Trackの上 朝までcruisin」って部分で、KMさんのビート聴きながら制作してる時のことを言ってて。上司とかの愚痴を聞きながら、「そうっすよね」みたいな飲んでる時間があって、でも帰ってからもう一回KMさんのビート聴いて歌詞考えるみたいな。
ーなるほど。本当だ、ちゃんと聴いたらすごい仕組みになってますね。〈時間に囚われてるweekdays 取り返すようにのめるweekend〉とかも。
Kzyboost:それを対比させた上で、メロディに落とし込むのがめっちゃ難しくて。 トークボックス難しい。なんでトークボックスなんかやってんねんって思った。あと「Duality」には普通だったら歌詞にあんま出てこない言葉も多いかも。〈寝坊したならso sorry〉とかも、意味わからん。
ー私が気になったのは〈エモいメロ奏で〉ってところ。多分普通に歌ってたらちょっと面白い歌詞だよなって。
Kzyboost:俺もこれ絶妙にダサいな、みたいに思いながら、でもトークボックスにしたら意外といけるかも、みたいな。トークボックスだからこそ様になる歌詞みたいなのもあると思うな。

Photo by Ryosuke Hoshina
支店長と音楽家、切り替えないという生き方
ーさっきもかずやさんのアーティストと会社員としての二面性の話を少し伺いましたが、会社員としても本当にバリバリ働いてますもんね。エレコムの支店長で。本当に毎日忙しそう。
Kzyboost:そうね。一日の流れで言うと大体朝の5時半ぐらいに起きて、7時半前ぐらいには会社に着いてる。そこから仕事して、早い日だったら19時半とかに帰ってきて、遅い時やったら22時ぐらいまでかかるかな。東京来てからあんまりできてないけど、そっからちょっとパソコンいじって曲作ってっていうのが、平日の流れやな。終わってからちょっとお酒飲んでね。
ー制作する時間を取るの、難しくないですか。
Kzyboost:難しい。 もはや二面性じゃなくなってきてんじゃんみたいな。繋がってんじゃんって。最近は境目がない。基本は仕事のことも音楽のことも、どっちも考えてる。昔は切り替えないといけない、「仕事する時は仕事、音楽する時は音楽だけ」って思ってたけど、別に切り替えんでもいいんじゃないっていうのが俺の今の最適解なのかもしれへん。スイッチを持つこと自体、無駄かもって思って。前まではその二面性を使い分けることは俺にしかできないし、なんかかっこいいって思ってたんよなあ。でも別に全くそんな必要なくて。
ーなるほど。
Kzyboost:その二面を曲にするのは全然いいと思うけど、普段から意識する必要はないというか。常にどっちのことも考えられるようになろうって、最近はちょっと思ってるかも。
ー面白い変化ですね。
Kzyboost:「どっちも」とかじゃなくて、俺は俺だから、こう生きていくしかないから。 役職が上がって余計思うよね。上司の意見を聞いて、部下の意見を聞いて、合わせにいかなあかん時はもちろんあるけど、でも自分を持たないと、自分がどこにおんのか分からんくなる気がするから。真に受けすぎるのはもうやめようと。自分を強く保つ必要もないけど、いろいろ真に受けすぎなくていいんじゃないか。自分が好きな人と仲間に囲まれてるだけで、全然それでいいやんって。
ー確かに。なんかちょっと達観してる感じがしますね。私が聞くのもちょっと変なんですけど、Daichiさんのバンドにツアーメンバーとしても参加したり、Andlessから作品をリリースするようになって変わったことはありますか?
Kzyboost:それまで全部自分でやってたから、率直に意見をもらえることはめちゃくちゃありがたいし。何が正解かも分からずやってきたけど、こんなんやってみたいってことにも踏み切れるようになってきたから、何もかも変わった気がするけどなあ。
ー本当ですか。なんかちょっと良かったです。Kzyboostとして、他にもやってみたいこととかはあるんですか?前に、もっと歌ってみたいって話もしてましたよね。
Kzyboost:そうね。歌にしろトークボックスにしろ、もっとできることはいっぱいあるやろし。今37歳になって、40歳までに何ができるんやろうみたいな。
ー40か。大きいですね。あと3年。
Kzyboost:アルバム作りたいな。 まずは忙しいから制作期間を確保しないとだけど。一緒に曲作りたい人もいるし、バンドとかでやってみたいとも思うし。やりたいことはたくさん。トークボックスの可能性をどこまで広げられるか。この口と顎を犠牲にしてやっていきます。

Photo by Ryosuke Hoshina

Kzyboost
『36 by 37』
Andless
配信中
=収録曲=
1. Spellbound(Prod. by Fitz Ambro$e)
2. All The Way(Prod. by BudaMunk)
3. No Count(Prod. by Qunimune)
4. On Me(Prod. by FKD)
5. Draco(Prod. by grooveman Spot)
6. Duality(Prod. by KM)
