「ひとつのドラマ作品が国境を越えて人の心に語りかけ、そして通じ合う」―NHKとWOWOWの共同企画として制作された戦後80年ドラマ『八月の声を運ぶ男』が、イタリアで開催された国際コンクール「イタリア賞」のテレビ・ドラマ部門で、部門最優秀賞にあたる「イタリア賞」を受賞。主演の本木雅弘、演出の柴田岳志氏が喜びを寄せた。
「人間に共通する普遍的な本質を描いている」と評価
同ドラマは、1970年代、長崎に暮らしながら日本全国を渡り歩き、被爆者の声を集め続けたジャーナリスト・伊藤明彦さんの実話に基づく物語。原爆によってもたらされた数奇な出会いを描き、本木雅弘が主演を務めた。
イタリア賞の審査では、「人間に共通する普遍的な本質を描いている」と評価。沈黙に耳を傾け、一歩引いた視点から目の前で起きている出来事を見つめること、そして「何よりも過去を決して忘れないよう促している」と講評された。
さらに、ジャーナリストの物語と被爆者の証言を通して「原子爆弾が人に与えた影響を探究している」とし、世界に迫り続ける核の脅威がもたらす結果について、より深く気づかせる作品だと称えた。
受賞を受け、本木は「イタリアからの嬉しいお知らせに喜びを噛みしめています」とコメント。「ひとつのドラマ作品が国境を越えて人の心に語りかけ、そして通じ合うという事実に大きな救いと温もりを感じます」と喜びを表し、「この先も、より多くの皆さんの元へ届くことを期待しております」と願った。
柴田岳志監督「戦争が世界で拡大している今こそ」
演出を手がけた柴田岳志氏も「被爆者をめぐる物語が、日本を超えて世界の方々に伝わり、このような素晴らしい賞をいただき、心より感謝いたします」と受賞への思いを語った。
その上で、「戦争が世界で拡大している今こそ、この作品が一人でも多くの人の心に届いてほしいと願っています」とコメント。被爆者の声を伝える作品が国境を越えて評価されたことに、改めて意義を見いだした。
「イタリア賞」は1948年にイタリアの公共放送RAIが創設した、世界でも歴史と権威のある国際コンクールの一つで、テレビ、ラジオなどの優れた作品を顕彰している。授賞式は2日(現地時間)、イタリア・ラクイラで開催された。
【編集部MEMO】
本木雅弘は、1965年12月21日生まれ、埼玉県出身。俳優。1980年代から俳優・歌手として活動し、『シコふんじゃった。』『おくりびと』などの映画で高い評価を受ける。テレビドラマではNHK大河ドラマ『徳川慶喜』、スペシャルドラマ『坂の上の雲』、大河ドラマ『麒麟がくる』などに出演。幅広い作品で存在感を発揮している。
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