
石山大輝選手
石山大輝選手は2000年生まれ、愛媛県松山市出身。視覚障がいのT12クラスで競技しています。2024年の神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会では、走り幅跳びで銀メダルを獲得。パリ2024パラリンピックでは日本選手団の旗手を務め、走り幅跳びで5位に入賞しました。2026年シーズンからは短距離に専念。400mでは2度、日本記録を更新しています。
◆病気を知っても変わらなかった陸上への情熱
――石山選手が陸上を始めたのは中学生のとき。小学生時代はミニバスケットボールに取り組んでいましたが、「自分には球技よりも走る競技のほうが向いているのではないか?」と考えたことがきっかけでした。
石山:バスケットボールをやっていたときは、先天性の病気ということは分かっていなかったんですけど、自分のなかでうまくできなかったことも含めて、球技よりは(目を)使わない競技のほうが向いているだろうということで、中学のときに陸上部か水泳部の2択を迫られまして、走るほうが速いだろうと思い、陸上部に入部しました。
高校生のときに障がいについて分かって、網膜色素変性症ということと「少しずつ見えなくなるのではないか」ということを医師に言われたんですけど、逆に言えば、そこで“辞める”という選択肢が出なかったというか。自分の人生において、“陸上を辞めよう”と思うことがなかったくらい陸上が好きなので、病気が分かったときも、陸上を辞めないといけないとは思いませんでした。
藤木:「少しずつ自分の視力が奪われる可能性がある」と言われるのは、相当ショッキングな出来事だったと思いますが、だからこそ、打ち込めるものがあることが、心の支えになってくれたのではないかと思います。
◆ロサンゼルス・パラリンピックに向けた新たな挑戦
――その後、石山選手はパラ陸上と出会い、走り幅跳びで世界のトップを争う選手へと成長。ところが、2028年に開催されるロサンゼルス・パラリンピックでは、石山選手のクラスの男子走り幅跳びが実施されないことになりました。それでも、石山選手が次の道を決めるまでにかかった時間は“一晩”でした。
石山:一報を聞いたときは“ああ、マジか”とは思いました。正直、一番大切にしている種目だったので。でも、1日寝て考えてみて“じゃあ、ある種目を探そう”と思い直して調べたら、100mと400mがあったので“できるやつがまだある!”と思って(笑)。会社にも競技を転向することと、練習環境についても「スプリントに特化したところに行きたい」ということを伝えて、サポートしていただきました。
スプリントは……しんどいですね。技術的な部分もスタミナ的な部分もそうですけど、今までやってきたことに対して、似た部分も違う部分もすごくたくさんあるので、そこを自分の感覚とすり合わせながらトレーニングしています。
簡単に言ってしまうと“足を速くするだけ”の競技ですけど、そこに無数の技術が詰まっていて、それをスプリントのコーチから1つずつ教えてもらい、学習して、自分の体に染み込ませる作業をしているところなので、今年の集大成として、最高のパフォーマンスをアジアパラ(10月18日(日)に開幕する「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」)で発揮することが一番かなと思っています。
そして、ロサンゼルスで勝つことが一番大きな目標ですし、そのために競技転向しているので、世界一を獲るためには、自分に何が必要なのか(を考えています)。もちろん筋力やトップスピード(の向上)も必要ですし、まずは自分のなかで一番たりていないところを探すこと。それが分からないとやれないので、コーチやアシスタントとも話し合い、1シーズンを通してやってきたことを振り返りながら、ロサンゼルスに向かっていきたいなと思います。
<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/
番組公式X:@SPORTSBEAT_TFM