デジタル通貨イノベーション機構(DCIO)は10月1日、本格的な活動を開始する。
デジタル通貨・決済インフラの整備へ、黒田前日銀総裁らも参画
同機構は、2020年に発足した「デジタル通貨フォーラム」を発展改組し、2026年7月に発足した。金融機関や企業、自治体など幅広い主体が参集し、トークン化預金を中核とする先進的なデジタル通貨・決済インフラの整備および社会実装に取り組む。広範なステークホルダーによる合意形成や当局との対話を積極的に進めるほか、調査研究や情報発信、デジタル金融の発展に有益な市場環境の整備や標準化、政策提言などを進めていく。
代表理事には元財務事務次官で弁護士の勝栄二郎氏、副代表理事には元日本銀行決済機構局長の山岡浩巳氏が就任。エグゼクティブアドバイザーには前日本銀行総裁の黒田東彦氏、特別顧問には前日本銀行副総裁の雨宮正佳氏や三菱UFJフィナンシャルグループ取締役執行役会長の亀澤宏規氏らが名を連ねる。
実証実験から社会実装のフェーズへ
ブロックチェーンや分散台帳、人工知能(AI)などのデジタル技術が発展する中、トークン化預金など新しい機能を取り込んだデジタル通貨を中核とするデジタル決済インフラへの関心やニーズが大きく高まっている。このようなインフラは「オンチェーン金融」など新しい経済活動や、物流や商流、行政、デジタル資産などと連動した取引でも、重要な役割を果たすことが期待されている。
デジタル通貨フォーラムでは、安全で信頼され、かつ新たなデジタル技術を取り込んだデジタル通貨・決済インフラのデザインを進めるとともに、具体的なユースケースの開拓を進めてきた。足元では内外で民間デジタル通貨の発行が進むなど、デジタル通貨・決済インフラは実証実験から社会実装のフェーズへ移行している。これに伴い、市場環境整備や標準化、制度設計などを継続的に進める枠組みが必要となる。海外で官民連携が加速する中、日本でも具体的な整備に向けた体制が求められている。こうした情勢のもと、幅広い主体が利用できる安全かつ効率的なデジタル決済インフラを整備し、デジタル経済の発展を支える包摂的・中立的な社団法人として、同機構が設立された。
共通ガイドの策定・標準化などを推進
具体的には、商流・行政・金融の協調領域形成と共通ガイド・標準化の策定や、グローバル標準化への参画と日本代表としての役割、官民やPF相互間の連携・相互運用の協調形成に取り組む。
今後は地方銀行や金融インフラを提供するIT系企業などからも理事メンバーを迎え、活動を進める予定だ。

