
エド・シーラン(Ed Sheeran)は9月19日夜、シアトル出身のラッパー、マックルモアがパレスチナ支持を訴えるステージ上でのスピーチを受けてスタジアム・ツアーから外されて以来、初めてステージに立った。フィラデルフィア公演にはオープニングアクトを置かなかったシーランは、セットの冒頭で一連の批判について口を開いた。
「普段ならこんなふうにライブを始めることはないんだけど、今夜、曲を演奏する前に、この1週間について少し話してもいいかな」と、明らかに動揺した様子で語った。「自分の音楽が批判されることには慣れているし、それはいつだって受け止めるつもりでいる。僕の音楽を好きでいてくれる人がたくさんいるのは幸運なことだし、正直、それ自体が驚きでもある。好きじゃない人がいることには驚かない。それは普通のことだから。でも今週、批判の対象になったのは、もっとずっと重要なことだった。難しい決断を受け入れ、自分でも難しい決断を下さなければならなかった。そして僕は間違いも犯している。本当に、本当に申し訳なく思っている」
さらにこう続けた。「ファンをがっかりさせたくないし、僕はこれまで活動家として音楽をやりたいと思ったことは一度もない。でも今回のことで、僕は言論の自由をめぐる重要かつ激しい議論と、地球上で最も複雑な政治問題の渦中に置かれることになった。僕のコンサートはずっと、誰にとっても安心していられる場所であり続けてきた。それは僕にとってものすごく大切なことだ。そして、ファンとの約束を果たすことも、僕という人間にとって絶対に欠かせない。だからこそ今夜、僕は一人でここに立ち、現在のツアーを続けている」
シーランは今週初めに発表した声明で、マックルモアをツアーから外す決定は自分が下したものではないと説明し、プロモーターのMessina Touring Groupと、会場側からの圧力を理由に挙げていた。メットライフ・スタジアムでの発言を受け、一部の会場がマックルモアの出演を望んでいないと知ったシーランは、ジレット・スタジアムのオーナーであるロバート・クラフトを含む会場所有者らと話し合ったが、最終的にはクラフトによって決断を迫られたという。
「会場側が出演者の内容を事前に承認するようになるという考えには、強い懸念を抱いている」とシーランは9月19日に語った。「僕が世界各地で公演をするなかでは、こういうことが本当に多くの場所で起きている。でも、自由な社会でこんなことが起きてはいけない」
イスラエルとガザへの立場を明言「もう気持ちを隠してはいられない」
その後シーランは、イスラエルとガザをめぐる自身の立場について直接言及した。これまで「活動家として音楽をやること」も「政治評論家」になることも望んでこなかったと改めて述べつつ、ファンの間で自身の政治的立場を推測する声が広がったことから、自分の言葉で明確にしておく必要があると感じたという。
「今、イスラエルとパレスチナについて僕がどこに立っているのか、そして今夜ここでこのコンサートを行うことが、僕の立場を示すものなのかという問いに答えたい」と語った。「僕はこれまでのキャリアで、どんな形であれ政治について論評することを避けようとしてきた。自分の音楽やライブには、分断ではなく結びつきを、政治ではなく人間性を大切にしてほしいと思っているからだ。でも、これは人道上の問題だ。もう自分がどう感じているのかを隠してはいられない。
「10月7日にイスラエルとノヴァ・ミュージック・フェスティバルで起きたことは恐ろしいものであり、何世紀にもわたるユダヤ人の苦痛にさらなる傷を重ねた。ガザで起きていることは壊滅的で、正当化できず、あまりにも不釣り合いだ。途方もない規模の破壊と、市民の命、子どもたちの命が失われていることに胸が張り裂ける思いだ。ヨルダン川西岸で目の前で進行している制度的な不正も、見過ごすことはできない。こうしたひどい時代の犠牲者を助けるため、自分にどんな貢献ができるのかを考えるべく、すでにさまざまな立場の人たちと話をしている。そして僕自身、十分なことを知らないからこそ、耳を傾け、学んでいる」
シーランは感情をあらわにしながら、自分を支えてくれたファンに感謝を伝えた。「今夜、みんながここで僕と一緒にいてくれることに、本当に心から感謝している。このコンサートは今も、誰もが歓迎される場所だ。ここにいる誰もが、自分とは反対の意見を持つ人の隣に立つことができるし、すべてのことについて意見が一致するわけではない相手とも、同じ場所に立つことができる。それでも、みんなでこの曲たちを歌うことには同意できる。そして、この曲たちは愛と希望、結びつきについての歌なんだ」
マックルモアの離脱後、フィニアス、ルーカス・グラハム、Aaron Rowを含むシーランのオープニングアクトは全員、「LOOP Tour」から離脱した。「金があるからといって、議論を自分のものにする権利が与えられるわけではない。誰かの銀行口座の残高によって、誰が発言できるのか、どの苦しみについて語ることを許されるのかが決まるべきではない」とグラハムは声明で述べた。「難しい決断ではある。でも、これは自分が貫かなければならない決断だ」
ツアーから外された後も自身の立場をさらに鮮明にしたマックルモアは、パレスチナ支援団体に100万ドルを寄付すると表明し、クラフトにも同額を寄付するよう求めた。これに対しクラフトは声明を発表し、「この人道危機に立ち向かうための現地支援」として200万ドルを拠出すると約束。シーランからの寄付と同額を拠出するものだと主張した。
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この投稿をInstagramで見る Rolling Stone(@rollingstone)がシェアした投稿 エド・シーランは、フィラデルフィアでのツアー公演の冒頭、あらかじめ用意した声明を読み上げた。「ここで、イスラエルとパレスチナについて僕がどこに立っているのか、そして今夜ここでこのコンサートを行うことが、僕の立場を示すものなのかという問いに答えたい……10月7日にイスラエルとスーパーノヴァ・ミュージック・フェスティバルで起きたことは恐ろしいものであり、何世紀にもわたるユダヤ人の苦痛にさらなる痛みを重ねた。ガザで起きていることは壊滅的で、正当化できず、あまりにも不釣り合いだ。途方もない規模の破壊と、市民の命、子どもたちの命が失われていることに胸が張り裂ける思いだ。ヨルダン川西岸で進行している構造的な不正も見過ごすことはできない。こうしたひどい状況の犠牲者を助けるため、自分にどんな貢献ができるのかを考えるべく、すでにさまざまな立場の人たちと話をしている。そして僕自身、十分なことを知らないからこそ、耳を傾け、学んでいる」
エド・シーランが涙を浮かべ、支えてくれたファンに感謝。「僕はこれからもステージに立ち続ける」マックルモア降板をめぐる騒動のさなか迎えた初公演にて。#EdSheeran
▼エド・シーランが沈黙破る「もう自分の気持ちを隠してはいられない」
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