「ピックルボール」というスポーツをご存知だろうか? 1965年にアメリカで誕生した新興ラケットスポーツであり、バドミントンと同じ広さのコートのなか、穴あきのプラスチック球を板状のパドルで打ち合う。ルールや戦略性はテニスに近く、老若男女を問わず幅広く楽しむことができるのだ。
このピックルボールを日本に浸透させようとしているのが、TBSホールディングスと三井不動産である。両社は普及プロジェクトの一環として、「PICKLEBALL PARK」ブランドによる都内初の専用常設コート「PICKLEBALL PARK TOYOSU」を、9月9日にオープンした。
大手デベロッパーとTV局が互いの長所を活かしてピックルボール振興
日本では長らく馴染みの薄かったピックルボールだが、近年では猛スピードで盛り上がりを見せつつある。国内の競技者人口は2024年4月時点で約5,000人、2025年3月時点で約4.5万人、2026年3月時点で33万人と、爆発的に増加中(※ピックルボールワン調べ)。こうした盛り上がりを後押ししてきたのが、TBSと三井不動産による普及活動だ。
以前よりTBSは「SASUKE」や「マスターズ」など、スポーツコンテンツ関連で実績豊富。一方、三井不動産も「MIYASHITA PARK(東京都渋谷区)」「LaLa arena TOKYO-BAY(千葉県船橋市)」など、スポーツ&エンタメを結びつけた都市開発に積極的だ。マスメディアと街づくり、両社の得意分野が新興スポーツの軸で結びついた形と言える。
2社は日本各地での大会・イベント開催を通じてピックルボール普及活動を展開中。三井不動産のオフィスビル入居テナントによる企業対抗戦や、TBS主催でキャンパスリーグ(大学対抗戦)も開催するなど、勢いに乗っている。その大きなターニングポイントが、このたび新設の常設コート「PICKLEBALL PARK TOYOSU」である。
なお、今回の新コート開業を記念して「第1回全日本学生ピックルボール選手権大会Supported by TBS(主催:全日本学生ピックルボール連盟)」も開催された。本格的な競技性を追求するトーナメント大会であり、日本におけるピックルボール文化の転換点ともなりそうだ。
豊洲の水辺空間に囲まれた「高性能」のハードコート
「PICKLEBALL PARK TOYOSU」がある場所は、9月11日にプレオープンする都市型ドッグパーク「THE DOG PARK TOYOSU」の中。最寄りの新豊洲駅から徒歩3分。東京メトロ有楽町線も乗り入れる豊洲駅からも徒歩8分と、アクセスしやすい。豊洲駅は東京メトロ有楽町線も通るので、外部からのアクセス性は悪くない。
同施設では屋外にハードコート4面を完備。営業時間は朝6時から22時までで、ナイター照明もあり、出勤前や仕事終わりなどライフスタイルに合わせて利用可能だ。施設棟には受付や更衣室などがあり、パドルやシューズなど用品レンタルも充実。グループ貸し切り利用やイベント開催もOKだという。
内覧会当日はどんよりとした雨模様であったが、そんな薄暗さを吹き飛ばすかのように、多くの若いプレイヤー達がピックルボールに打ち込んでいた。晴天であればコートは公園の鮮やかな緑に包まれ、その外周には豊洲埠頭の心地よい水辺環境。そして対岸には都心部の高層ビル群という、抜群のロケーションである。
コート上の赤・青・水色・白というペインティングにも、実は仕掛けがあるのだとか。高品質塗料のおかげで表面が滑りにくく、落ちたボールがコート上を横滑りせずバウンドするため、プレイヤー同士でボールのラリーを続けやすくなるのだ。ほかにも同塗料はゴム靴を擦った痕がつきにくく、数年はメンテナンスフリーで表面に凹凸もできにくいという優れもの。全ては多くの人に、ストレスなくピックルボールを楽しんでもらうためだ。
日が暮れてくると、コートを囲む照明が点灯した。コートを囲むように照明が配置され、夜間でもボールを追いやすい明るさが確保されていた。ボールを見失う心配なく、夜間でも昼間と遜色ない試合が可能である。
「ドッグパーク×ピックルボール」という新しい過ごし方
内覧会では江東区長・大久保朋果 (おおくぼ ともか)氏の祝辞のあと、ダンスパフォーマンスやテープカット式典も実施。その後はコートを置いている「THE DOG PARK TOYOSU」の運営会社・株式会社Mellow(メロウ)と、三井不動産およびTBSの関係3社でパネルディスカッションが行われた。
ディスカッションでは発祥地・アメリカのピックルボール事情が紹介された。アメリカでは日本よりずっと沢山のドッグパークが存在しており、その多くがピックルボールコート併設とのこと。愛犬との散歩も適度なスポーツも、健康・ウェルネスの向上という点では共通。愛犬との散歩とスポーツを同じ場所で楽しむというライフスタイルが、日本でも広まることが期待される。
3社はそれぞれ、豊洲を起点にしたピックルボール人口の拡大と、それによってスポーツを基軸とした文化・コミュニティを豊洲エリアで促進していくことに強い意欲を見せている。東京のウォーターフロント・豊洲から、この新しいスポーツがどこまで広がっていくのか注目したい。










