
正常圧水頭症という脳疾患を患っていることを公表し、ツアー活動から無期限で離れると発表してから1年以上。ビリー・ジョエル(Billy Joel)が自身の回復状況について詳しく語り、いまだコンサートの予定を入れていない理由を明かした。
「医師から言われたんだ。僕の仕事は大音量でロックンロールを演奏することだから、ライブをやるたびに脳震盪のような状態を引き起こしていたらしい」と、SiriusXMの「Billy Joel Channel」で行われた新たなインタビューで語った。「それが脳神経にダメージを与えていて、ライブを重ねれば重ねるほど、さらに脳細胞を失っていく可能性があると言われた。それで、今はライブをやるべきじゃないんだと気づいた。まずは回復しなきゃいけない。医師からも、あまり負担をかけすぎないように言われているんだ」
ビリーが最後にフル公演を行ったのは、2025年2月22日、コネチカット州アンキャスビルのモヒガン・サン・アリーナだった。セット終盤、「Its Still Rock and Roll to Me」の演奏中に転倒。本人は冗談めかしてその場をやり過ごしたが、実際には正常圧水頭症(NPH)の影響によるものだった。その3カ月後、ビリーは診断を公表し、予定されていたすべての公演をキャンセルした。
「この症状は最近のコンサート活動によって悪化し、聴覚、視覚、平衡感覚に問題が生じています」と、ビリーのチームが発表した声明には記されている。「医師の指示のもと、ビリーは現在、専門的な理学療法を受けており、回復期間中はパフォーマンスを控えるよう助言されています」
今回のSiriusXMのインタビューでビリーは、余分な脳脊髄液を排出するために頭蓋内へシャントを埋め込む手術について、当初はあまりにも大がかりな処置だと感じ、拒んでいたことを明かした。「でも、自分でいろいろ調べてみたら、平衡感覚の改善にも記憶力の改善にも役立つ可能性があるとわかった」と彼は語った。「ほら、ボケたくはないからね。何が年齢のせいで、何が病気のせいなのかを見分けるのは難しい。だからシャントを入れることに同意して、手術を受けた。脳にシャントを埋め込んでもらったら、実際に状態が良くなったんだ。記憶力も改善したし、バランス感覚も少し良くなった。身体を動かしたり日常生活を送ったりする能力も良くなったよ」
診断を公表して以降、ビリーがライブで演奏したのは一度だけだ。今年1月2日、フロリダ州ウェリントンで行われたビリー・ジョエルのトリビュート・バンド、Turnstilesの公演で、思い立って急きょステージに上がった。「We Didnt Start the Fire」と「Big Shot」の2曲で共演している。
その2カ月後には、自身を称えるカーネギー・ホールでのトリビュート公演を客席から見守った。長年ツアーをともにしてきた自身のバンドをバックに、ロブ・トーマス、メアリー・チェイピン・カーペンター、ルーファス・ウェインライトらがビリーの楽曲を披露したが、本人がステージに上がることはなかった。
現時点では、ビリーが今後再びコンサートをできるほど回復したと感じられる日が来るのかはわからない。それでも、ファンには心配してほしくないという。「みんな、『脳の病気になったらしい』って聞いていると思うけど、僕は大丈夫だよ」とSiriusXMで語った。「ただみんなに、僕のことは心配しないでほしいって伝えたい。僕はどこにも行かない。ここにいる。まだ、ちゃんとここにいるよ」
From Rolling Stone US.
2026年1月2日、フロリダ州ウェリントンの30周年記念イベントにサプライズ出演したビリー・ジョエル。トリビュート・バンドTurnstilesとともに「We Didnt Start the Fire」「Big Shot」の2曲を披露し、ピアノも演奏した。正常圧水頭症の診断公表後、初のライブ出演となった。