
Mrs. GREEN APPLE・大森元貴やOfficial髭男dism・藤原聡、女王蜂・アヴちゃん、BE:FIRST・RYUHEIなど多彩なアーティストを招き楽曲を発表してきた、日本を代表する音楽プロデューサー蔦谷好位置の変名プロジェクト、KERENMI。Novel Coreを招いた3曲入りEP『チート』を完成させた。多様なサウンドが詰まり、驚くほどバラエティ豊かな楽曲が並んだ『チート』はどのように制作されたのか? 初めて1人のアーティストと複数曲を制作したのはなぜか? なぜNovel Coreだったのか? 蔦谷好位置とNovel Coreに様々なことを聞いた。
―Novel Coreさんと共にKERENMIの3曲入りのEPを作ろうと思ったのはどうしてだったのでしょう?
蔦谷好位置(以下、蔦谷):KERENMIはこれまでずっと、1人ないし2人のアーティストと1曲ずつやってきたので、なかなか統一感が生まれなかったんです。そこで、一度1人のアーティストとEPなりアルバムを作ってみたいと思っていたんです。Coreくんのことはデビューしたぐらいからずっと気にしていて、「いつか一緒にやりたいな」と思っていて。スタッフ同士がいい感じで繋がったタイミングで「今しかない」と思って一緒にEPを作ることにしました。
Novel Core:僕がBMSGに入ってメジャーデビューをした直後くらいに、ポッドキャストに呼んでいただいてしっかりお話をする機会がありました。その時に、もともとクラシックの指揮者を目指していて、挫折したところからヒップホップミュージックにたどり着いたっていう僕のルーツの話をしたら、クラシックの話ですごく盛り上がって。それ以降、ちょくちょくDMで連絡を取り合う関係性が続いているんです。
―昔から蔦谷さんはCoreさんのラップスキルだけでなく、メロディセンスやリリックも絶賛している印象があります。
蔦谷:そうですね。ライブも数回観させてもらっていますし、一緒にやったら絶対かっこいいものができるなって思ってたので、実現して本当に嬉しいです。
Novel Core:僕は蔦谷さんが手がけている楽曲を昔から聴いていますし、尊敬するプロデューサーさんなので、ポッドキャストに呼んでいただけた時点ですごく嬉しくて、たくさん自分の話をしたことを覚えてます。その後、蔦谷さんがMCを務める生配信ライブ「MUSIC FUN! LIVE」で「Coreくんの声ってディストーションがすごく似合う声をしてるよね」って言っていただいて。ロックミュージックもヒップホップミュージックもルーツにある自分にとってすごく嬉しい言葉で、「FREAK PARADE」っていう曲に「Mr.ディストーション」っていう歌詞を入れたくらいなんです。
―3曲のうち、「スクラップヒーロー」は昔からあった曲だったんですよね。
蔦谷:はい。あと「F4K3」もそうです。「ええっしょ」は最初の打ち合わせで「新曲作ろう」ってなって、せっかくNovel Coreと一緒に曲を作るんだったらクラシックをサンプリングしたくて、最初は(アラム・)ハチャトゥリアンの「剣の舞」をサンプリングしたんです。
―運動会でよくかかる曲ですね。
蔦谷:はい。あれはあれでこの曲に合いそうじゃないですか。すごくかっこいい曲ができていったんですが、その後ハチャトゥリアンがまだ死後70年経ってないことがわかって。そうなると、著作権の保護期間が終わってない。「じゃあどうしようかな」ってみんなで考えた時に、僕が20歳ぐらいの時、MPC2000を買って最初にサンプリングしたのがグリーグの「山の魔王の宮殿にて」で、それでドラムンベースを作ろうとしたんです。クラシックとドラムンベースを合わせる人が当時まだいなくて。結局その曲は発表しなかったんですが、その時のアイデアを思い出して、この曲のラスボス感が出てきた感じと合うんじゃないかと思って使いました。
蔦谷好位置
Novel Core:僕はブレイクコアとかドラムンベースとか、ドラムがひっちゃかめっちゃかに鳴ってて、音が歪んでるような音像が好きで、自分の楽曲でもちょびちょびやってはいたものの、ここまでスーパーハードなものはやれてなかった。クラシックっていう伝統がある音楽と混ぜるんだったら、逆にこれぐらい破綻してる音像やリズムのほうが面白くなるだろうなって蔦谷さんとスタジオで話してて。僕のラップの自由度がだいぶ上がって、叫んでるだけでもかっこいいし、何やってもかっこいいトラックに仕上がったなってデモ段階から思ってました。途中でサンプリング元の入れ替えがあったんですが、もっとかっこよくて、よりギアが入りましたね。
蔦谷:「ええっしょ」のサウンドの方向性はCoreくんから出たアイデアだったんです。最後ガバになるとかね。そのアイデアにクラシックをサンプリングするアイデアを組み合わせました。お互いのアイデアを組み合わせたことで他にはないトラックになりましたね。
Novel Core:ダニー・ブラウンやバンビー・サグあたりのテンション感とクラシックが融合して、さらに、僕のラップが乗っかるのが意味がわからなくてめっちゃいいなって(笑)。僕はルーツにちょっとでもかすっているものだったら片っ端から混ぜていきたいタイプですし、せっかくならそれぞれからなかなか生まれないものを作った方が面白いと思っていたので、まさにそれができたと思います。
蔦谷:最初お互いプレイリストを作りましたよね。
Novel Core:自分たちが思う2025年ベストみたいな曲を集めたプレイリストとお互いが知らなさそうな曲のプレイリストと、メロディがすごく好きな曲のプレイリスト。お互い3つ出し合ってから曲を作ったので、とても解像度が高い状態で制作がスタートできた。それが「ええっしょ」みたいな曲が生まれた背景にある気がします。

Novel Core
―お互いのプレイリストを見てどんなことを思ったんですか?
蔦谷:できるだけいろいろな音楽を追ってるつもりですが、世代が違うと嗅覚もつるんでる仲間も違う。知らない曲ばかりで、感覚の鋭い20代が聴いてる音楽を教えてもらえることが嬉しかったです。
Novel Core:僕は答え合わせ的な感覚もあったし、「このメロディいいな」って思ってた曲が入ってて嬉しかったですね。知らない昔の曲は、「今の時代の音像でこういう曲やったらめちゃくちゃカッコよくなるだろうな」って想像が膨らみました。加えて、どういうことをやったら面白いものができるかっていう想像も膨らんだ良いラリーでしたね。
蔦谷:一緒に曲を作る人とはみんなそれをやったほうがいいなって思います。話すよりプレイリストを見る方がその人のことがわかるんですよね。
Novel Core:ギャップも見えますしね。
―3曲ともカラノアの雄大さんが作詞で参加していますが、どういう経緯があったのでしょう?
蔦谷:カラノアとはレーベルのスタッフが一緒ということもあって、以前からカラノアを聴いていたんですが、スタッフの方から「雄大が作詞するのはどうですか?」って提案してもらいました。Coreくんも全部自分で歌詞を書くやり方じゃない制作をやってみたい気持ちがあって。
Novel Core:そうですね。普段は全部作詞をやっているので、良くも悪くも手癖が出るし、参加する人の数が増えて、僕の色があまり強く出ない方が今回みたいなプロジェクトは面白くなると思いました。ボーカル面で新しい自分を知れる機会になると思っていたところもあって、「作詞は誰かと一緒にやれたら嬉しいです」ってリクエストさせてもらって、雄大くんが入ってくれました。
―一緒にやってみてどうでしたか?
Novel Core:僕は初めましてだったんですが、やってる音楽は結構違うけど、同世代だし、フィーリングめちゃくちゃハモって、初対面の段階から昔から一緒にいた友達みたいなノリでした(笑)。3曲ができた後に一緒にご飯に行ったんですが、改めてお互いのルーツを話したら、近しいところがあったりして。僕が書いたりいじったりしたラップパートはあるんですが、3曲ともほぼ雄大くんの歌詞ですね。どれもスッと入ってきて、「これをどう歌おう?」ってあまり悩まなかった。むしろ「この表現めっちゃ好きだな」って思う歌詞が多かったので、没入して歌えて楽しかったです。
―「ええっしょ」はサウンドもカオスですが、歌詞もカオスで。雄大さんとしては「『山の魔王の宮殿にて』のあらすじをイメージして、煽りながらちょこまかと逃げ回る弱キャラをテーマに少しファンタジーな歌詞」を目指したそうですね。
Novel Core:そういうゲームっぽい感じがよく出てますよね。
蔦谷:僕の世代は根性!みたいなアニメが多くて、弱い主人公はあり得なかった。でもここ15年とかで、それこそCoreくんに教えてもらった『Reゼロ』(『Re:ゼロから始める異世界生活』)とか、結構昔のアニメだけど、時代の変化を感じましたね。冷笑文化とは違う、その先にある感じ。

―「F4K3」はかなりマイケル・ジャクソンなニュージャックスウィングで。前からデモはあったそうですが。
蔦谷:最初作った時はもっとマイケルで、「マイケルの新曲」って仮タイトルだったんです(笑)。あまりにもマイケル過ぎて誰にもハマらなくて10年以上放置していたんですが、すごく好きな曲ではあって。今ギターで弾いてるリフはもともと全部シンセで、それをあえてディストーションギターにすることでニュージャックスウィングとしても面白いし、Novel Coreが持ってるミクスチャー感にもハマるんじゃないかなって思って提案してみました。
Novel Core:あのAile The Shotaですら蔦谷さんとはニュージャックはやらずにバラードをやってたのに、俺がニュージャックを蔦谷さんとやるんだっていう驚きがありました(笑)。
蔦谷:Shotaは踊らずにバラードだったからね(笑)。
―「月見想」ですね(笑)。
Novel Core:めっちゃバラードだった(笑)。人と音楽を作ると、想定外の連続がどれだけ詰まってるかでモチベーションが変わるし、実際できあがるもののクオリティも変わると思っていて。今回のプロジェクトの自分の裏テーマとして、自分が知らない自分を見つけるっていうのがあったので、ニュージャックなデモを聞いた時に「これを歌うとなったら並大抵のことじゃ無理だぞ」って思ったからこそ好奇心が勝っちゃって、即答で「やりたいです」とお伝えしました。
―Coreさんの歌い方がこれまでにないようなリズミカルでちょっとスタッカートなアプローチですが、あえてそうしたんですか?
Novel Core:マイケルの歌い方のリズムを少しオマージュしたんです。ちょっと喉にかけて歪ませながらスタッカートするのがマイケルの歌い方だと思うんですけど、それをやっちゃうともろなので、あえて歪ませずに少しポップなスタッカートを自分なりにやってみました。レコーディングの際、蔦谷さんがたくさんディレクションをしてくださって。例えば「ここの語尾は何言ってるかわからなくしちゃってもいいから、息のニュアンスだけ残してみない?」とか。1テイク録るごとに知らない自分を見つけていく感覚があって本当に楽しかったです。

― Coreさんのシンガーとしての魅力もラッパーとしての魅力もすごく詰まってる曲だと思いました。
蔦谷:やっぱり声が良いですよね。僕が歌で一番重視しているのはリズムで、Coreくんはもともとリズム感がすごくあるのでいくらでも伸びると思いました。あと、2Aのラップはやってくれましたよね(笑)。
Novel Core:「F4K3」のラップパートは完全に僕が書いたんですが、こういう展開の中でこういう声色とこういう抜け感のあるフロウがどうしてもやりたくて、「ラップパートは任せてもらっていいですか?」って雄大くんに相談して任せてもらいました。
―雄大さんとしては「嘘だらけの世界をしたたかに生きるお姉さん」をイメージして歌詞を書いたという。
蔦谷:打ち合わせで歌詞をどうするか相談して、今ってフェイクニュースや生成AIのせいでどれが本物の(アーリング・)ハーランドか分からないような状態になっていて(笑)。そういう話の中でテーマを「フェイク」にすることにして、いざ歌詞ができてみたら女性が主人公になっているのが雄大の想像力の面白いところだなと。
―Coreさんは「F4K3」で描かれている、虚像を生み出すネット社会についてどう思いますか?
Novel Core:まず、今の時代を冷静に生きるために、基本的に全部嘘だと思っていた方が良いなと思います。どれが嘘か自分の目で見てわからないぐらいぐちゃぐちゃになってる時代なので、全部疑ってかかろうという。そういう懐疑的な目線と同時に、どれが嘘か本当かわからない世の中だからこそ、全部嘘でもいいじゃん、それごと楽しんじゃおうぜ的な楽観視する感覚がすごく大事だと思ってます。エンターテインメント産業を含めて、AIによって仕事が奪われるとかいろいろ言われてますが、僕たち音楽を作る人たちにもいろんなスタイルの人がいます。AIを使うのが絶対に嫌な人もいれば、クリエイティヴじゃないと思っている人もいれば、僕や蔦谷さんみたいに面白いと思う部分はあって、活かせるところは活かして自分の武器にしちゃった方が今の時代よくない?っていう視点もある。そういう歌詞になってるなって歌ってて思ってました。
―それこそ「スクラップヒーロー」は元のデモをAIに入れて、そこで別のアイデアを思いついてできていった曲なんですよね。
蔦谷:そうですね、デモをSuno AIに入れてみたら、エレキギターがアコギに変わって、そのアイデアだけもらって後は全部変えました。生成AIで曲を作っている人たちって、プロンプトに「こういう曲作りたい」って入れた時点でガチャをしてるみたいなものじゃないですか。僕自身、過去に聴いてきたたくさんの音楽を自分の中で消化して、かけ合わせて作っているわけで、そう考えると生成AIと似ている部分もあるので、否定はできないなって最近思いましたね。音楽を作る際の自分の中のおそらく回路があって、その精度は長くやるうちに、研ぎ澄まされて高くなってきてるとは思うんですよね。そういうことを考えたこともあって、EP全体のテーマが”チート”になったんです。
―そうだったんですね。「スクラップヒーロー」は最初アコースティックギターの弾き語りかと思いつつ、ラップも入り、カントリーもロックのテイストもあって、とても面白い展開の曲ですよね。
蔦谷:90年代のオルタナティブロックとカントリーの要素が2026年サウンドになったらいいなと思って作りましたね。
Novel Core:この曲のデモはどストライクで、「絶対にやりたい」って思いました。自分の声質を考えて、ちょっと力が抜けた発声でひっかかるような歌い方はいつかやってみたいってずっと思ってて、この曲なら試せるなって思いました。蔦谷さんにディレクションしていただいて、自分がやってこなかった歌のメソッドがたくさん知れて、Novel Coreの完成形に近づくための大切なステップになった気がしてます。

蔦谷:Coreくんは自分の中で「こう歌いたい」っていうビジョンがちゃんとあるので、まず歌い方を提案してくれるんです。「そういう風に歌えるんですか?」っていう驚きがあって、「だったらもっとこういう風に歌った方がいいかもよ」って提案をするっていう流れなんですよね。あと、この曲の2番のラップもやってくれたなって思いました(笑)。
Novel Core:(笑)。あそこは雄大くんが<飛び出す スクラップ製のヒーロー>から始まるラップパートを書いてくれていて、「僕も書いてみていいですか?」って言って、出だしだけ一緒にして、歌い方も雄大くんが送ってくれたデモよりシャウトする感じにしたくて、それに合ったリリックを書きました。「F4K3」のラップと打って変わって力を入れまくって。どっちかというとJESSE(RIZE/THE BONEZ)やジブさん(Zeebra)の文脈のラップがやってみたかったんです。それも自分のルーツではあるんですけど。
―そういう引き出しは持ちつつも、今までそれに合う曲がなかったっていうことなんですかね。
Novel Core:まさにそうですね、「スクラップヒーロー」はトラックのギターの音と雄大くんのリリックからインスピレーションを得たことでこれまでにないラップパートが作れたんだと思います。
―この座組だからこそできたアプローチが詰まっているわけですが、Coreさんはさっき「Novel Coreの完成形に近づくための大切なステップになった」と言っていました。音楽人生の中で目指している完成形があって、それに近づくためにやれたことが多くあった作品になるわけでしょうか?
Novel Core:僕にとってはすごくそういう立ち位置の作品だと思います。ラップやシャウトボーカル的なアプローチだけじゃなく、メロディを歌うボーカリストとしても無限に成長していきたいっていう欲があって。自分の多岐にわたるルーツを表現するためにはボーカリストとして高いスキルがないといけない。いずれ自分が想像しているものを全部表現できるぐらい、豊かな表現力を持ちたいと思っているのですが、3曲とも自分が今まで出してこなかった声色や息の使い方を全部違うベクトルでやれたので、僕にとってすごく大事な作品になったと思います。
―蔦谷さんが今作を通して得られたものはどういうものでしたか?
蔦谷:3曲ともアレンジは永澤和真とやってるんですが、彼と一緒にやることで、さっきCoreくんが言ったように、自分がこれまで知らなかった可能性が生まれるんじゃないかなと思ったんですよね。「スクラップヒーロー」のギターは全編永澤が弾いていて、僕が弾いたらこのニュアンスにはならなかった。だから、本当に4人で作ったEPですよね。自分だけじゃできないことがたくさん詰まった作品です。やっぱり人とやるのはすごく楽しいなって思いました。KERENMIのファーストはほぼ自分で作って、歌う人だけ参加してもらうような形だったんですが、今回みたいに曲を作り始める前の段階から話し合うっていう共同作業はすごく楽しい。自分が思っていた以上のことができた気がします。Coreくんだけじゃなく、雄大と永澤が入ってより広がった。それぞれが能力を発揮したんだと思うんですが、近い方向に向かっていったので変なことにはならなかったですね。
Novel Core:全然散らからなかったですね。普段の自分と自分のバンドで作ってる環境と全然違うので、「もっとこういうことができるな」っていうアイデアが無限に出てきたんです。最初から僕と1作品丸ごと作るって蔦谷さんが決めてくれて、そこに永澤くんと雄大くんが入ってくれたことで、分岐点の数がいつもの数倍あって、歌詞も歌もビートのアプローチも「こう来るならこうするな」っていう連続で、可能性が無限に広がっていく感じがあった。散らからずにちゃんとまとまったのは、制作中のみんなとのたわいもない会話とか、ビジョンの共有が関係していると思うので、改めてみんなで顔を突き合わせていろんなことを喋りながら作ることの尊さや、そこから生まれる可能性を強く感じました。

蔦谷:AIを使うのも全然いいと思うんだけど、みんなを驚かせるものを一緒に作るっていう、クラスの班で発表するために何か作ってるみたいな楽しさがあるよね(笑)。
Novel Core:マジでそういう感じです(笑)。
―KERENMIを始動させて約9年ですが、蔦谷さんにとってのKERENMIという場の意味合いは変わってきていますか?
蔦谷:これは仕方のないことですが、キャリアが長くなってくると、みんなが気を遣ってくれるようになるんです。自分から動かないと新しいものを知れなくなるので、人に会って教えてもらっていて。流行っている音楽を知りたいからDJを始めたり、クラブに行って若いDJが何をかけているかチェックをしています。若作りをしたいわけじゃなくて、時代の空気感は感じていたいんですよね。その上で、自分の経験や技術によって今の時代に提示できるものが何かを確認したい。ノスタルジーな音楽をやりたいわけじゃなくて、今の時代に50年生きてきた自分がどういう音を提示できるかっていうものが、今のKERENMIなのかなって思ってます。

Novel Core:時代の空気感を感じていたいっていうのは、すごくわかります。今回の3曲を作った時に思ったのが、昔のクラシックをサンプリングしてすごくフレッシュな曲ができたり、10年以上前のデモが進化して形を変えてリリースされるっていうことを考えると、古い音楽って存在しないんじゃないかなって。時間軸として自分たちが今いる地点よりも後ろに生まれた音楽だから古いってことじゃなくて、その音楽を知らない人たちからしたら新鮮に感じる過去の音楽もあって。昔出した曲をライブで歌った時、最近の曲しか知らないファンの方には、新譜に聞こえたりすると思うんですよね。音楽には古いっていう概念は存在しなくて、永遠にいろんな形でブラッシュアップされていく。時間を超える音楽の普遍性みたいなのも『チート』のひとつのテーマだなって思いました。
蔦谷:確かにそうだよね。100年以上前のグリーグの曲と20年近く前の曲が混在してて。
Novel Core:それで新曲としてリリースされるっていう。音楽って、エンターテインメントって、やっぱり面白いなって思いました。
<リリース情報>

KERENMI × Novel Core
Digital EP『チート』
2026年8月26日(水)リリース
https://asab.lnk.to/KERENMI_Cheat
=収録曲=
1. ええっしょ
Music:KERENMI / 永澤和真
Lyrics:雄大 / Novel Core
Arrangement:KERENMI / 永澤和真
2. F4K3
Music:KERENMI
Lyrics:雄大 / Novel Core
Arrangement:KERENMI / 永澤和真
3. スクラップヒーロー
Music:KERENMI
Lyrics:雄大 / Novel Core
Arrangement:KERENMI / 永澤和真
KERENMI Official Website:https://www.kerenmi.com/
