大正製薬は2026年9月7日、夏の終わりから秋にかけて感じる体調不良や、季節の変わり目の体調管理に関する調査結果を発表した。本調査は2026年8月、全国の20代以上の男女1,000人を対象に、インターネット調査にて行われた。
約7割が“秋バテ”の疑い、「疲れが抜けない・だるい」が最多
過去3年間に夏から秋にかけて感じた体調不良について聞いたところ、1,000人中658人が何らかの「秋バテ」症状を感じている可能性があることがわかった。具体的な症状では、「疲れが抜けない・だるい」が418人で最多。次いで「やる気が出ない」が283人、「身体が重い」が270人、「頭痛・肩こり」が231人、「睡眠の質が落ちる」が223人となった。
夏の終わりから秋にかけては、疲労感やだるさなど、さまざまな不調を感じる人がいることがうかがえる結果となった。
季節の変わり目は「十分な睡眠」「水分補給」を意識
「季節の変わり目の体調管理として実践していること」を聞いたところ、「十分な睡眠をとる」が402人で最多となった。次いで「水分補給を欠かさない」が374人、「3食きちんととる」が282人、「バランスの良い食事をとる」が277人となった。
また、全体を通して女性のほうが男性より「秋バテ」が疑われる症状を感じているようだ。
では、秋バテを防ぐためには、どのようなことを意識すればよいのだろうか。済生会横浜市東部病院患者支援センター長の医師、谷口英喜先生が、秋バテの原因や対策について解説している。
「秋バテ」は夏の疲れに気温・気圧の変化が重なって起こる
秋バテは、暑い時期から寒い時期への変化に身体の対応が追いつかないことで起こる体調不良だという。
夏の間は、暑さによる発汗や睡眠不足、食欲低下などによって身体に負担がかかっている。そこに秋口の急激な気温や気圧の変化などが加わることで、自律神経のバランスが乱れ、疲労感やだるさ、食欲不振、睡眠の質の低下などにつながるという。
特に、まだ暑さが残る秋口は、気温が下がったことで水分補給がおろそかになり、脱水を引き起こす可能性もあるため、夏と同様に暑さへの対策を続けることが重要だとしている。 また、秋バテをそのままにしておくと、栄養不足による免疫能の低下や、気象病へ移行する可能性もあるという。
暑さが残る時期は「冷却+水・塩分」を意識
秋口でも気温が高い日は汗をかくため、身体から水や塩分が失われ、脱水状態になることがある。脱水傾向になると血液量が減少し、必要な栄養素が体内に行きわたりにくくなり、疲労感などにつながるという。そのため、暑さが残る時期には引き続き水分や塩分の補給を意識することが大切だ。
また、暑い環境では身体の内部の温度である「深部体温」を下げることも重要。深部体温が上がり、熱を体外に逃がせなくなると熱中症を発症するため、熱中症予防には深部体温を下げる必要がある。
そこで活用したいのが、凍らせて飲むアイススラリー。アイススラリーとは、液体中に細かい氷の粒が混ざったシャーベット状の冷却ドリンクだという。
秋になったからと暑さ対策をやめるのではなく、気温に応じて冷却と水・塩分補給を続けることが大切だとしている。
食欲がないときは無理をせず栄養補給
秋口の気温や気圧の変化は身体にとってストレスとなり、自律神経のバランスが乱れることがある。自律神経のバランスを保つためには規則正しい生活が大切で、3食きちんと食べて食事のリズムを整えることも意識したいポイント。
食事に取り入れたいのが、体内のさまざまな代謝を助け、自律神経のバランスを保つ働きがあるアミノ酸の一種、タウリンだという。肝臓や心臓の機能もサポートし、全身の「回復力」を底上げするとしている。
タウリンはイカ、タコ、ホタテ、アサリ、サザエ、しじみ、カツオ、ブリなどの魚介類に豊富に含まれる。また、水溶性のため、お味噌汁やスープなどで魚介類を取り入れる方法もあるという。食欲が落ちているときは、無理に量を食べる必要はない。ゼリー飲料などを活用し、無理なく栄養を補給することも一つの方法としている。
睡眠・入浴・運動で生活リズムを整える
秋バテ対策では、食事や水分補給だけでなく、毎日の生活習慣を整えることも重要。特に意識したいのが「睡眠」「入浴」「運動」だという。
夏の暑さによって寝苦しい夜が続くと、睡眠の質が低下し、疲労が蓄積しやすくなる。
寝つきが悪い場合は、入浴のタイミングを意識したい。入浴すると一時的に深部体温が上がり、その後、徐々に下がっていく。この体温変化を利用し、就寝の1~2時間ほど前に入浴すると、スムーズな入眠につながりやすいという。
朝は太陽の光を浴びて体内時計を整える
朝起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びることも生活リズムを整える習慣の一つ。朝にしっかり光を浴びることで体内時計を整えることができ、朝から活動モードに切り替えることが夜の睡眠にもつながるという。
朝の光を浴びることを習慣にして、昼夜のリズムを整えることがすすめられている。
10~20分程度の軽い運動もおすすめ
適度な運動も、自律神経や血流を整えるためにおすすめだという。
長時間同じ姿勢でいると血流が滞り、疲労感につながることがあるため、屈伸や前屈、スクワットなど、仕事の合間にできる簡単な運動を取り入れる方法がある。
さらに、10~20分程度の軽いウォーキングもおすすめ。まだ暑さが残る時期は、日中の厳しい暑さを避け、朝夕の比較的涼しい時間帯に行うなど、無理のない範囲で取り入れることが大切だという。
秋バテ対策は「秋になってから」ではなく夏の終わりから
秋バテは、秋になって突然起こるものではない。夏の暑さによる疲労や睡眠不足、食欲低下、水・塩分不足などが積み重なったところに、気温や気圧などの変化が加わることで、身体に不調が現れることがある。そのため、秋バテ対策はまだ暑さが残る夏の終わりから始めることが重要だ。
「疲れが抜けない」「身体が重い」「朝起きるのがつらい」「食欲がない」といった「なんとなく」の不調を感じたら、夏の疲れがたまっているサインかもしれない。
暑さが残る日は「冷却+水・塩分」、食欲がないときも無理のない範囲で栄養補給を。そして、睡眠・入浴・運動で生活リズムを整える。夏の疲れを秋に持ち越さないためにも、できることから取り入れていきたい。
なお、症状が長く続く場合や日常生活に支障がある場合には、自己判断せず、かかりつけ医、総合内科、心療内科などの医療機関に相談することがすすめられている。

