リコー杯第16期女流王座戦は、福間香奈女王への挑戦権を争う本戦が大詰め。9月2日(水)には準決勝の伊藤沙恵女流四段―磯谷祐維女流二段戦が東京・将棋会館で行われました。対局の結果、相雁木のねじり合いから抜け出した伊藤女流四段が114手で勝利。辛抱を実らせた逆転劇で挑戦者決定戦進出を決めています。
挑戦まではあと2勝
伊藤女流四段は中七海女流三段、磯谷女流二段は加藤桃子女流四段に勝っての登場。実力者同士の注目の大一番となった本局は、両者の息が合って相雁木の持久戦へと進みました。先にリードを奪ったのは先手の磯谷女流二段。5筋の歩を敵陣そばに突き出したのが手筋の一着で、素直に応じると角打ちによる飛車銀両取りの筋があるため、早くも一本取った形となりました。
後手の伊藤女流四段は辛抱を重ねますが、金損を甘受するよりなく苦しい限りの展開が続きます。攻めに定評ある磯谷女流二段が着地を決めるかと思われましたが、銀取りに桂を打たれた局面が大きな分岐点でした。「駒得のときは丁寧に」の方針に沿って銀を逃げた手が自然に見えて疑問で、今回は「終盤は速度」の格言が優先される状況でした。
怒濤の反撃で挑戦者決定戦へ
相手の受けすぎに乗じて手番を得た伊藤女流四段の指し手が伸び始めます。6筋に作った2枚の成駒を寄せていけばよいという組み立てのよさも味方につけて一気呵成の反撃を完遂させました。終局時刻は15時17分、最後は豊富な持ち駒を生かして先手玉を詰まし上げることに成功。磯谷女流二段としては優勢な局面があっただけに悔しい敗戦となりました。
伊藤女流四段と西山朋佳女流四冠の対決となった挑戦者決定戦は、9月8日(火)に行われます。
水留啓(将棋情報局)
