ゴルフ×地方創生の可能性を探る 男子プロゴルファー・阿久津未来也とまちづくり専門家・木下斉が語る、ゴルフトーナメントの未来
TOKYO FMグループの「ミュージックバード」が制作し、全国のコミュニティFMで放送中のラジオ番組「WEEKLY GOLF REVIEW」。ゴルフジャーナリストのマーシー西川が国内外の男子女子プロゴルファーと最新のトーナメント情報をお届けします。

8月14日(金)の放送では、男子プロの阿久津未来也プロがパーソナリティを務めるポッドキャスト「阿久津未来也のバディラジ supported by カーセブン」の特別回をオンエア。地方創生・まちづくりの専門家である木下斉さんをゲストに迎え、ゴルフトーナメントを通じた地域連携や、ゴルフと地方創生の可能性について語りました。

(左から)木下斉さん、パーソナリティの阿久津未来也

◆ゴルフと地域をつなぐ仕掛けを考える

地方創生・まちづくりの専門家として活動する木下斉さんは、高校3年生で起業。その後、地方の人たちと共同で会社を立ち上げ、空き店舗や空きビルが増えた地域などを舞台に、賑わいを失ったエリアを再び人が集まる場所へと変えていく取り組みを進めています。

そんな木下さんと阿久津プロが語り合ったのが、ゴルフトーナメントと地方創生を組み合わせた地域連携の可能性です。全国各地で開催されるゴルフツアーでは、ゴルフ場が街から離れていることも多く、いかにして地域へ人の流れを生み出すかが課題となります。

そこで木下さんが着目したのが、自動運転バスなどを活用した新たな移動手段です。各地で社会実験が進められていることを踏まえ、「ツアーのときだけに特化して、街からゴルフ場まで自動運転バスを走らせる」といったアイデアを提案。ゴルフ場への移動そのものを地域との接点に変えることで、トーナメントを街のにぎわいにつなげる可能性を示しました。

また阿久津プロは、ゴルフをしない家族も楽しめる仕掛けの重要性を指摘します。例えば、父親がゴルフを観戦している間に、母親や子どもは近隣の牧場でアイスを味わったり、動物と触れ合ったりするなど、トーナメントをきっかけに家族で地域を楽しんでもらう方法です。

「ゴルフは地域との連携をいかに深めていくかが大事だと思っています」と話し、ゴルフを軸に地域全体へ人の流れを広げていくことの重要性を強調しました。

そのために木下さんが必要性を説くのが、「ゴルフと地域をつなぐイベントを企画する人」の存在です。地元の飲食店をはじめ、地域のさまざまな人たちに声をかけ、連携を進められるチームがあれば、地域の協力も得やすくなります。阿久津プロも、地方の試合後に飲食店を訪れた際、地元の人から声をかけられる機会が増えたと明かしました。

また、選手とギャラリーの距離が近いことも、ゴルフならではの魅力です。選手が試合後にギャラリープラザに出店する地元店で食事をすることもあり、街中で偶然プロを見かける機会も生まれます。阿久津プロは、こうした地域との接点を「会場に来てもらうことが第一歩」と捉えています。

ゴルフが持つ幅広い層への訴求力と、選手と地域の距離の近さを生かせば、トーナメントを単なるスポーツイベントにとどめず、地域全体のにぎわいにつなげていくことも可能です。

◆地域の魅力発信がゴルフ観戦のきっかけに

木下さんは、秋田県の観光PRを例に、「地域の魅力を伝える技術」の重要性を語りました。PR業界で活躍していた知人が秋田の観光企画に携わり、打ち出したのが「秋田は近い」というメッセージです。

秋田には秋田空港と大館能代空港の2つの空港があり、羽田空港から約1時間、大阪国際空港(伊丹空港)から約1時間半でアクセスできます。こうした具体的な魅力を発信した結果、宿泊客は目標値の170%に達しました。

情報発信では、数万人規模のフォロワーを持つマイクロインフルエンサーも積極的に巻き込みました。著名人1人に頼るのではなく、実際に秋田を訪れた人たちが「行ってきました」と発信することで、情報の信ぴょう性を高める狙いです。木下さんは、この手法をゴルフツアーにも生かし、ゴルフに関心のあるインフルエンサーを大会に招いて、現地の魅力を発信してもらうアイデアを示しました。

◆ゴルフ観戦をもっと身近なものに

一方で、ゴルフ観戦には、初心者だからこそ感じてしまう“見えないハードル”もあります。阿久津プロが実際に聞いたのが、初めて観戦した人からの「ジーパンとTシャツでよかったんですね」という声でした。ゴルフ場には「きちんとした格好で行くもの」というイメージが根強くあるためで、「そういう余計な壁みたいなのも取り除きたい」と話します。ゴルフをより身近に感じてもらうためには、こうした先入観をなくしていくことも重要なポイントになりそうです。

観戦のきっかけとして木下さんが挙げるのが、選手への「憧れ」です。「人間って憧れからスタートするじゃないですか。好きな選手のツアーを見に行ったら、自分もやってみたい気持ちが芽生える気がします」と話し、まずは好きな選手をきっかけにゴルフに興味を持ってもらうことの可能性を語ります。

阿久津プロも、ゴルフには野球やサッカーと同じように「推しの選手」が生まれる余地があると考えています。好きな選手を応援することが観戦の楽しさにつながり、そこから実際にゴルフを始めてみたいという気持ちが生まれる。そんな“憧れ”を入り口とした新たなファンの広がりにも期待が寄せられます。

<番組概要>

番組名:Weekly GOLF Review~NO GOLF! NO LIFE!~

※この枠内で「阿久津未来也のバディラジ supported by カーセブン」特別回がOA

放送日時:毎週金曜日 16:00-16:45

パーソナリティ:マーシー西川

番組Webサイト:https://musicbird.jp/cfm/timetable/wgr/