FKAツイッグス、カサビアン、BABYMONSTER、WEST.などが熱演【サマーソニック2026総括レポート:東京DAY1】

25周年を迎えたサマーソニック2026が8月14日(金)・15日(土)・16日(日)、東京・大阪の2会場で開催された。サマソニ公式メディアのRolling Stone Japanによる、東京公演のハイライトをまとめたライブレポートをお届けする。本記事ではDAY1・8月14日(金)を総括。

※以下、当日の出演時間順に掲載

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FLORENCE ROAD

11:00 SONIC

午前11時と早い時間の出演だったが、SONIC STAGEは後方までしっかりと客が入っている。今世界的に注目されているアイルランドの新星の初来日。ここ日本でもすでに期待値が高いのは思いがけない喜びだ。ステージでまず目を引くのは、シンガー/ギタリストのリリー・アロン。アラニス・モリセットやクランベリーズのドロレス・オリオーダンを思い起こさせる、独特の節回しを交えた歌い方は、生で聴くと一層伸びやかで華やか。その立ち振る舞いもフロントパーソンとして迷いがなく、早くもスター性の片鱗を感じさせる。グランジを想起させるヘヴィな曲はとことんヘヴィに、オリヴィア・ロドリゴにも近いガーリーなポップセンスを宿した曲はとことんポップに、と曲の振れ幅は広い。いや、より正確には、その両方を迷いなく行き来できるのが彼女たちの魅力であり現代性だろう。演奏はまだ荒削りであるものの、特にギタリストのエマ・ブランドンのフレーズ選びのセンスの良さは抜群。そして何より、それぞれキャラが立った4人が並んだときの佇まいの絶妙なバランスは、ロックバンドとして理想的である。なぜ彼女たちが期待の新人なのか、その理由がはっきりと見えた40分間だった。[小林祥晴]

WEST.

11:10 MARINE

Photo by ©︎SARU(SARUYA AYUMI)

MARINE STAGEのトップバッターは、MCのサッシャから「サマーソニックのスタートを切ってくれるお祭りに相応しい」と紹介されたWEST.。2023年に初出演して以来、3度目の出演だ。重岡大毅が「どこまでも行こうかサマソニ!」と笑顔で口にして、「ムーンライト」からスタート。濵田崇裕が「W」「E」「S」「T」を作る振りを促し、「WEST NIGHT」へ。ホーン隊も含む華やかなバンドサウンドと、7人の人間味あふれる歌声が重なり、最高の祝祭空間を生み出していく。重岡が「みんなに良きことが起こりますように!」と願いを口にして、ラスト曲は「ええじゃないか」。昨夜の大雨が嘘のような青空のもと、花道の先にあるセンターステージで、オーディエンスと共に踊った。ステージと客席が一体となって生まれたこの光景こそ、フェスの醍醐味だ。[小松香里]

CARDINALS

11:30 MOUNTAIN

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

MOUNTAIN STAGEのオープニングを飾ったのはアイルランド・コーク出身の5人組、カーディナルス。これが初めての日本でのステージだ。カーディナルスのサウンド的な特徴はフィン・マニングが奏でるアコーディオン。ダークさを感じさせるサウンドと歌が、このトラッド楽器と重なることで途端にカラフルなエモーションを宿す。「Masquerade」や「Roseland」など、その音色はときにはギターのように、ときにはシンセのように響き、ライブの随所で効いていた。「Barbed Wire」のとき、それまでずーっとシリアスな顔で弾いていたフィンが笑顔で指ハートを掲げた瞬間のキュートさも最高だった。[小川智宏]

WISP

12:10 SONIC

今年1月の初来日公演に続いて、早くもサマソニでの再来日が実現したウィスプ。特に前回はShibuya WWW Xと小規模会場での公演だったこともあり、多くのロックファンが彼女のステージを初めて目撃したことだろう。実際、筆者もこれが念願の”初の生ウィスプ”となったが、音源で聴いていた以上に重厚な音圧を放つバンドアンサンブルに度肝を抜かれた。もちろん彼女ならではの繊細さも健在で、デフトーンズにも通ずるダイナミズムと透明感の強いボーカルが織りなすハーモニーは、前情報なしで遭遇した観客にも十分にアピール。気付けば会場後方まで埋め尽くす盛況ぶりで、今後のロックシーンを牽引する新たなヒロインになることは間違いない……そう確信させるに十分な40分だった。[西廣智一]

AUDREY NUNA

12:35 MARINE

昨年の初来日ワンマン以来、日本のステージへと帰ってきたニュージャージー出身の韓国系アーティスト、オードリー・ヌナ。白い衣装に身を包んだダンサーと登場すると、鋭いラップと深みのある歌声で、灼熱のMARINE STAGEを一気に掌握した。キーボード、ギター、ドラムによるバンドサウンドも強烈で、「Mine」「Locket」「IdgaF」では太いキックと歪んだギターの上を縦横無尽に乗りこなす。「暑い中来てくれてありがとう。私も死にそう」と語り、未リリース曲「Elsa Peretti」、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の「How Its Done」も披露。最後はリリースされたばかりの「Super Human」を初披露し、生命力に満ちたステージを見せつけた。[MINORI]

Novel Core

13:30 BEACH

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

「サマーソニック2026! 好きにやってください!」という解放の言葉からスタートしたNovel Coreのステージ。ハウスバンド、THE WILL RABBITSを引き連れ、ゴリゴリのディストーションギターにNovel Coreの「JUMP!JUMP!」というアジテートが乗る「ビリビリ」。ヘヴィなミクスチャーロックと歯切れの良い低音ラップ/ボーカルが掛け合わさり、強靭なエネルギーを生み出す。「新世代ミクスチャー代表」を名乗るにふさわしく、「EVER EVER GREEN」ではモッシュピットを出現させたり、次の「HANERO!!!」ではオーディエンスに一旦腰を落とさせ、高くジャンプさせるなど、自在に場内を掌握していく。「FRIiENDS」でたくさんの手が左右に揺れる中、「曇り空どころか今日はめちゃくちゃな快晴ですね 一緒に楽しめるか?」と歌詞を変え、昨日の豪雨が嘘のように晴れ渡ったBEACH STAGEを、さらに鮮やかに彩った。[小松香里]

BABYMONSTER

14:05 MARINE

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

雨が降ったかと思えば灼熱の日差しが照りつけるMARINE STAGEに、3年連続となるBABYMONSTERが登場。この日誕生日を迎えたRORAを含むメンバーたちは、「WE GO UP」から力強いバンドサウンドを背負い、堂々たるパフォーマンスを展開。「DRIP」ではASAとRUKAの鋭いラップに加え、AHYEONが3段階で突き抜ける圧巻のボーカルを涼しい顔で響かせ、会場を沸かせる。中盤からは「HOT SAUCE」でRORAが「タオル持ってる?」と呼びかけ、観客も一斉にタオルを回して応戦。ラストの「SHEESH」ではセンターステージへ飛び出し、客席に水を撒きながらジャンプ。3度目のサマソニらしい余裕と貫禄で、スタジアムを巨大なパーティーへと変えてみせた。[MINORI]

KODALINE

14:10 MOUNTAIN

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

昨年解散を発表し、現在フェアウェル・ツアー真っ只中のコーダライン。このサマーソニックと8月17日に行われた単独公演が日本で彼らを観るラストチャンスとなる。残念。しかし、すばらしいバンドである。この日もオープニングから美しいコーラスが広がると、壮大なサウンドがMOUNTAIN STAGEを包み込んでいった。「Ready」でも「Brother」でもシンガロングを生み出すと、「The One」ではオーディエンスの揺らすスマートフォンのライトが美しい光景を生み出した。最後はもちろん「All I Want」。ベースのジェイソンが言っていた「いつか戻ってくるよ」という言葉が実現することを願う。[小川智宏]

CHLOE QISHA

14:40 SONIC

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

マレーシア生まれ、現在はイギリスを拠点に活躍するクロエ・キシャにとって、今回のサマソニは初来日公演であると同時に、アジア圏で初めてのステージでもある。現時点での最新EP『Modern Romance』(2025年)のタイトルトラックから始まったライブは、レトロさと新しさが共存するエレクトロポップサウンドがミニマムなバンドアンサンブルで構築されたもので、そこに艶やかな中音域を活かした彼女のボーカルが重なると、なんとも表現しがたい不思議な魅力の虜になってしまう。歌詞に合わせた身振り手振り、時にはしなやかなダンスも交えながら表現される彼女のパフォーマンスに目を奪われてしまった、そんなオーディエンスも多かったはず。次の来日時にはどこまで大きく成長しているのか、そんなことも楽しみになるほど見応えのあるステージだったと断言したい。[西廣智一]

indigo la End

15:30 BEACH

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

美しいメロディと川谷絵音の切なく哀愁漂う歌声、緻密で巧みなぶ厚いアンサンブルで成り立つ名曲群を、惜しげもなく披露していったindigo la End。久々のサマソニ東京出演に感謝し、「皆さん最後まで楽しんでください」と川谷。「今日一番でっかい音出します」と言って、「知らない街」へ。ヘヴィでプログレッシブなアンサンブルでオーディエンスを躍らせる。初めて出演したBEACH STAGEへの感謝を口にしながら、「『ちいかわ』の映画観た人? 僕、今まで推しとかいなかったんですが、気付いたら家にモモンガが増えていて。モモンガが恋しいので最後の曲やります」と言って、代表曲「夏夜のマジック」。「夏が終わる前に この歌が始まって こぼれる2人を見守るから」と歌うと、ノスタルジックな夏の空気がふわーっと押し寄せた。[小松香里]

マカロニえんぴつ

15:35 MOUNTAIN

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

「いつか何もない世界で」の軽快なロックサウンドとともに幕を開けたマカロニえんぴつのステージ。続けて「MAR-Z」の疾走するビートがオーディエンスを揺らす。この冒頭が物語るように、この日の彼らは前のめりだった。曲を歌い終えるたびにシャウトしていたはっとりが「特別なフェスですよね。なのでいつもよりちょっと気合が入っちゃってます」と言っていたが、そのはっとりの言葉どおり、いつもと一味違う熱や鋭さが確かに感じられるパフォーマンス。初期曲やちょっとコアな曲を織り交ぜながら構成されたセットリストは、3年ぶりのサマソニできっちり爪痕を残してやろうというバンドの意思だと受け取った。[小川智宏]

KESHI

15:40 MARINE

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

ローファイやR&Bを取り入れた音楽で支持を集めるkeshiがMARINE STAGEに登場。小雨の中「Amen」で幕を開けると、美しいファルセットと息の合ったバンドサウンドで、「Like I Need U」「LIMBO」などを披露。アコギを手にした中盤からは、どこか懐かしくメロウな空気で会場を包み込んでいく。「WANTCHU」ではHANAがサプライズ登場し、予想外の共演に客席から大歓声が。やがて雨は土砂降りとなるも、keshiはセンターステージへ。雨に打たれながら歌い上げる彼と、濡れながら手を挙げ、その歌を口ずさむ観客。その光景までがステージの一部になったような、美しくドラマチックな時間だった。[MINORI]

HOLLY HUMBERSTONE

15:50 SONIC

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

2022年の初来日、そしてサマーソニック2023に続いての日本公演となる今回、ホリー・ハンバーストーンは最新アルバム『Cruel World』(2026年)の世界観を踏襲したステージを展開。ゴシック調のステージングや演出を交えながら、アコギを抱えたホリーは美しさの中にも逞しさが伝わるシルキーボイスで、観る者を幻想的な世界へと誘う。ダークなモダンポップ&ロックをベースに、常に上品さを漂わせたパフォーマンスはこの日のSONIC STAGEの中でも一際異彩を放つも、曲間では「トーキョー、ダイスキ!」など日本語でのコミュニケーションも忘れない。そんな隅々にまで真心が行き届いたホリーのステージは、酷暑を忘れさせるに十分な清涼感に満ち溢れていたことを特筆しておく。[西廣智一]

BUMP OF CHICKEN

17:20 MARINE

結成30年を迎えた千葉県佐倉市出身の幼馴染4人。日本のロックシーンに欠かせないBUMP OF CHICKENがサマソニに初出演。マッドハニーのTシャツを着た藤原基央がいつものようにギターを掲げた。ハンドクラップの中、「アカシア」を演奏。「君と僕の世界の声で」と歌う時、右手で客席を指差し、両手を大きく広げ、新たな「君」との出会いを全身で喜んだ藤原は、「会いたかったぜ、幕張!」と叫ぶ。最新曲「I」の披露、特大のシンガロングが生まれた「Gravity」、間奏で増川弘明が花道に出てギターソロを弾き、藤原が走って増川を追い越し、センターステージで力強い歌を歌った「ray」、イントロで歓声が上がった「カルマ」、藤原のアカペラからスタートした「天体観測」……いくつもの特別な瞬間があった。30年という歳月を重ねても、4人が鳴らす音楽は、初めて彼らのライブを観る人を含め、オーディエンスの心を瞬く間につないだ。[小松香里]

KASABIAN

18:30 MOUNTAIN

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

場内に流れる「Hey Jude」に大合唱が起きる中、ファーのジャケットを着て姿を現したサージが歌い出したのはいきなりの「Club Foot」! さっそくフロアに降りて歌うサージ・ピッツォーノに大歓声が降り注ぐ。そして「Hippie Sunshine」の力強いビートがオーディエンスを問答無用で踊らせたかと思うと、すかさず「Underdog」が炸裂した。終盤では「L.S.F. (Lost Souls Forever)」と「Fire」のコンボでガッチリ盛り上げ切った。赤いマスクを着けて踊ったりPAブースのテーブルによじ登ったり、サージのパフォーマンスも徹頭徹尾ノリノリ。トム脱退後、ロブ・ハーヴェイをサポートに迎えた現体制もすっかり成熟し、バンド全体がエネルギーに溢れていた。[小川智宏]

ZEBRAHEAD

18:30 PACIFIC

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

今回が通算9回目と、海外アーティストではサマソニ過去最多出演となるゼブラヘッドは、オープニングからパーティ感満載のステージを展開。アリ(Vo)がとことん煽りまくる中、フロアにはモッシュやサークルが次々に発生するなど、汗と笑顔でまみれた空間は「そうそう、サマソニってこういうノリだったよね!」と忘れかけていた何かを思い出させてくれる。特に、この日は誕生日間近のダン(Gt)を会場全体で祝福する場面があったことも、そうした幸福感に繋がったのかもしれない。クライマックスでは代表曲「Playmate of the Year」も飛び出し、会場一丸となって〈Fu~ Fuck!〉と叫ぶことで盛り上がりは最高潮に到達。ラストナンバー「Anthem」ではアリがフロアに降り、彼を中心にサークルが発生するなど、実にゼブラヘッドらしい形で自身9回目のサマソニを締め括った。[西廣智一]

FKA TWIGS

19:10 SONIC

©SUMMER SONIC All Rights Reserved.

ステージの上に置かれたベッドの上に横たわり、「meta angel」を歌った瞬間から完璧だった。一挙手一投足、どこを切り取っても完璧に美しい、アーティで異形なパフォーマンス。筆者は4か月前にコーチェラ2026のライブを現地で観たが、20人近くの信頼するダンサーたちとともに、さらに高次元のパフォーマンスをSONIC STAGEで見せてくれたことに感動を覚えた。ダンサーパートに合わせた衣装チェンジを3度挟み、終盤には恒例のポールダンスも披露。音楽を通した肉体表現の限界を突破した、約1時間25分のステージだった。

特に圧巻だったのは、ラスト2曲のうちの1曲、代表曲の「Two Weeks」。たくさんの細長い羽根のようなものがついたドレスをまとい、魂がそのまま鳴っているような歌とダンスで魅せた。この世のものとは思えない崇高さと神秘性、そしてたくさんの感情が入り乱れた猥雑さを共存させてみせる一方で、笑顔でオーディエンスに感謝を伝えたり、日本語が堪能なダンサーが「一緒に楽しもう!」や「かわいいだけじゃだめですか?」と問いかけたりするなど、フレンドリーな光景もあった。そこにも心をつかまれたオーディエンスも多かったのではないだろうか。[小松香里]

JENNIE

20:30 MOUNTAIN

登場前から”ジェニコール”が巻き起こる中、ステージ中央の幕が開き、炎を背にしたJENNIEが高台に登場。「Filter」で幕を開けると、「Mantra」ではダンサーを従え激しく踊り、圧倒的なカリスマ性で会場を掌握する。「8月の東京はすごく熱いですね」と流暢な日本語で語りかける場面も。「One of the Girls」では艶やかな低音ボイスを響かせ、その華やかさに目を奪われながらも、高い歌唱力を改めて印象づける。中盤には未発表曲を披露するサプライズもあり、映像を交えながら自身の世界観へと観客を引き込んでいく。そしてラストは、誰もが待ちわびた「like JENNIE」。イントロから大歓声が沸き起こり、鋭いラップと大人数のダンサーによる迫力のパフォーマンスで熱狂は最高潮に。最後まで圧倒的なスター性を見せつけた。[MINORI]

SUMMER SONIC

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