NTTe-Sportsは4月18日、千葉県千葉市の通信制高校サポート校「NTTe-Sports高等学院」において、第2期生の入学式を開催しました。式典では列席した保護者が見守るなか32名の入学が認められ、学院長や来賓からお祝いの言葉が贈られました。ここではその様子をお伝えします。
第2期生32名が入学式に臨む
NTTe-Sportsは、NTT東日本グループが2020年に設立したeスポーツ事業を専門に行う会社。NTTグループの高品質で安定した通信ネットワークやICT技術を活用し、eスポーツソリューションの提供や人材教育サポート、自治体などと連携した地域活性化事業を行っています。
学校教育への関わりも深く、これまで全国の高校に対してeスポーツ部活動の立ち上げ支援や、eスポーツのスキルアップおよびデジタル人材育成カリキュラムの提供、各種eスポーツイベントの開催などを推進してきました。
そうしたなか、同社はeスポーツをきっかけに学生たちがひとつになる姿やデジタルスキルを楽しく吸収している光景から、教育分野におけるeスポーツの可能性や価値を再認識。これまでの支援からより踏み込んだ教育事業として、2025年4月にeスポーツを通してデジタルスキルが学べる通信制サポート校「NTTe-Sports高等学院」を開校しました。
今回行われたのは、その第2期生の入学式。昨年度の第1期生から13名増となる32名が、緊張しつつも期待に満ちた面持ちで式に臨みました。
入学式では、まず新入生一人ひとりの氏名が読み上げられ、校長からの入学許可宣言が行われたあと、新入生を代表して戸笈朝灯さんが「新入生誓いの言葉」を述べました。
「eスポーツという新しい文化と可能性に強く心を惹かれた」という戸笈さんは、eスポーツを「単なるゲームではなく、戦略を考え、胆力を鍛え、仲間と協力する力を育むもの」と指摘。「NTTe-Sports高等学院は、競技としてのeスポーツだけでなく、IT・デジタル分野を幅広く学び社会に活躍できるプレイヤーとなるための環境が整っています。私たちはここでデジタル技術を学び、身につけることで、技術を便利に利用するだけでなく価値を作り出していけるよう日々の授業に取り組んでいきます」と語りながら家族や関係者に謝意を表し、「学生生活に全力で取り組むこと」を誓いました。
続いて、在校生を代表して齋藤暖花さんが登壇。新入生たちに「ここにいる皆さんは、ゲームやeスポーツを単なる遊びではなく、自分の未来に繋がる力と信じてNTTe-Sports高等学院を選んだのだと思います」と語りかけ、学校で得られるものや学生生活で大切なものなどに触れたあと「皆さんと一緒に勉強できることを心から楽しみにしています」と歓迎の言葉を贈りました。
次に、NTTe-Sports高等学院長の原田元晴氏が登壇。「昨年開校して今回が2回目の入学式。こんなに多くの方に参加いただいて開催できることを深く感謝します」と感慨を口にしながら、NTTe-Sports高等学院の特長を説明しました。
原田学院長はNTTe-Sports高等学院で大事にしているものとして「カリキュラム」を挙げ、その全体像を披露。eスポーツの授業では、高性能なゲーミングPCなどの設備を使いながらプレイスキルを上げていくと同時に、コミュニケーション力やリーダーシップ、対戦相手や関係者へのリスペクトなどを学んでいくと案内しました。また思考力やコラボレーション力、レジリエンスなどの社会性を学ぶ授業も並行して行い、デジタル授業や一般学習などを通してデジタルスキルや基礎学力も計画的に身につけていくことなどを説明。
続けて原田学院長は新入生に対し「『こういうことをやりたい』といった自分の気持ちはみんなのパワーになります。その気持ちを大切にしてほしい」と語ったあと、同様に大切にしてほしいものとして「一歩踏み出して『チャレンジ』すること」や「うまくいかないときなどに『相談して助けてもらう』こと」などを挙げ、「ここは、何かを押し付けるのではなく、皆さんがチャレンジしたいことをサポートするスクールです。一緒に頑張っていきましょう」と締めくくりました。
ちなみに、NTTe-Sports高等学院は通信制高校に通う生徒の学習を支援する通信制サポート校であり、生徒は同学院と提携する通信制高校「中央国際高等学校」に同時に入学することになります。式では、その中央国際高等学校長の永石恭大氏がビデオメッセージにて、「現代はグローバル化が進み、AIが社会を変えつつあります。今後ますますそうした流れは加速していくことでしょう。中央国際高校では生徒が社会で生き抜く力を高めていけるよう、生徒一人ひとりに寄り添いながら取り組んでまいります」と語り、福沢諭吉の『学問のすゝめ』を引用しながら「時代が変わっても学びが人生を豊かにすることに変わりはありません。まずはできることから始めましょう。そして、自分の夢に向かって確かな一歩を重ねていきましょう」とお祝いの言葉を贈りました。
さらに、元日本テレビアナウンサーでProtagon社所属のeスポーツキャスターである篠原光氏、日本テレビ放送網 社長室 新規事業部 担当部次長でプロeスポーツチームAXIZ代表、JCG代表取締役社長の小林大祐氏、ENTER FORCE.36ストリーマー Fortnite公式解説者のPols氏もビデオメッセージで祝福を贈りました。
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eスポーツキャスター 篠原光氏のビデオメッセージ
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日本テレビ放送網 社長室 新規事業部 担当部次長でプロeスポーツチームAXIZ代表、JCG代表取締役社長の小林大祐氏
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ENTER FORCE.36ストリーマー Fortnite公式解説者のPols氏
その後、「来賓祝辞」として千葉市教育委員会教育庁の鶴岡克彦氏が登壇し、「皆さんのご入学に合わせて本学院の施設も増床されたと聞いて先ほど見てきました」と明かし、「昨年もすごいと思いましたが、今年はさらにバージョンアップしたなと思いました。本学院では設備のみならず、デジタルスキル学習や進学・就職などの未来に向けた手厚い支援、皆さんのチャレンジをサポートする体制なども用意されています。夢や目標に向かって、ぜひ技術や知識の習得に励んでいただきたいと思います」とお祝いの言葉を述べました。
千葉日報社 代表取締役社長の中元広之氏は、書家で詩人の相田みつをの作品を引用しながら、「チャレンジは何回でもできます。チャレンジすることで自分だけの道を歩くことができます。皆さんの夢の実現に向けた学院生活になることを心より期待して、千葉日報社でも応援して参ります」とエールを送りました。
最後に、NTT東日本 代表取締役副社長 熊谷敏昌氏が登壇し、「現在の社会は、記録的な自然災害や少子高齢化の進行、AIをはじめとするデジタル技術の急速な進展など、先行きを見通すことが大変難しく予測困難な時代」と指摘。そうしたなかで「NTT東日本グループはデジタルの力を活用して地域の課題解決の核となるソーシャルイノベーション人材の育成を強く意識しています。NTT東日本もグループ会社での受け入れなどを通じて、皆さんが学んだことを社会の中で実感できる機会を提供し、学びを実践へと繋げる取り組みを進めていきたいと考えています。グループを挙げてサポートしてまいりますのでどうぞご期待ください」と力強く約束しました。
続けて熊谷副社長は「努力は実力を生み、実力は自信を生む。自信は幸運を呼び、幸運は勝利を掴む」という言葉を贈り、「“運(うん)”は読み方を変えれば“運(はこ)ぶ”にもなります。どうぞ皆さんの努力によって、幸運も勝利も導き寄せてください。運んできてください。皆さんにとって失敗は伸びしろそのもので恐れる必要はありません。一歩一歩が皆さんご自身の未来、さらには社会の未来を切り拓いていく力となるはずです」と締めくくりました。
その後、列席した来賓およびNTTe-Sports高等学院の職員の紹介が行われて閉式となりました。
午前中にeスポーツの授業を設定して登校を促す
2025年4月に開校したNTTe-Sports高等学院には、大きく4つの特長があるといいます。
ひとつが「環境」で、1人1台高性能なゲーミングPCが用意されているほか、NTT東日本が提供する最大10Gbpsの光通信回線など、eスポーツやデジタル教育に欠かせない最先端の設備が完備。また、eスポーツを入り口として社会で活躍できるデジタル人材を育成するための「カリキュラム」や、高卒資格を取得し大学受験などに必要な学力向上をサポートする「サポート体制」、NTT東日本グループと連携した「進学・就職支援」なども特長です。
1年生の時間割は、午前中にeスポーツの上達を目指す「eスポーツスキルアップ」を行い、昼の休憩を挟んで「一般学習」が、その後「デジタルスキル講座」「ライフスキル講座」「eスポーツ・デジタル演習」などが設定されています。午前中に「eスポーツスキルアップ」の時間が設けられているのは、ゲーミングPCに触りたい、仲間と会いたい、元プロの先生から指導を受けたいというモチベーションを登校動機に繋げることで、毎日学校に来てもらおうというのが狙い。
eスポーツはフィジカルなスポーツと同様に、チームワークやスポーツマンシップ、リーダーシップなどが大切。そのため同学院でも、これらの能力を育むような取り組みが行われています。また授業では高校生のeスポーツ全国大会で採用されているゲームタイトルを中心に指導を行い、それを入り口として自作PCの組み立てや動画編集、ゲーム制作などの講座で楽しみながら興味・関心を広げていく独自カリキュラムが用意されているとのこと。なかには、デザイン思考について学びながらオリジナルのゲーミングチェアを制作するプロジェクトもあるそうで、会場にも1期生の生徒たちが自分で考えたアイデアを3Dモデリングで具現化し、3Dプリントした個性豊かなチェアの模型も展示されていました。
このほか、同学院では社会生活を送る上で必要となる対人関係スキルを学んだり、eスポーツキャスターやストリーマーによる特別講義、eスポーツ世界大会の現地・配信観戦、eスポーツイベント運営会社への見学・体験なども実施。こうした将来の進路や社会人スキルにつながる取り組みは、1期生の生徒や保護者からも評価されており、2025年度の在校生の出席率は82%という(出席が基本任意の)通信制サポート校としては異例の高さを記録しているとのこと。
生徒たちを見守る職員の方にインタビュー
実際に職員として1期生の成長を見守り、この4月からは2期生を担当する松原匡成さんに話を伺うと、「eスポーツ以外のデジタルスキルや社会性などを育てる取り組みなどにより、生徒たちも入学当初に比べて一段階成長したかなと感じています。eスポーツに取り組む中でも、コミュニケーションの質が大きく変わってきました。生徒たちがここに来て他の友だちと一緒に同じゲームタイトルに取り組むことに大きな意義を見出してくれたのがそうした結果につながっているのでは。同時に、我々が“より生徒が楽しめる”ことを意識しながらやってきたことが一つの結果として現れたのかなということも感じています」と振り返りました。
新しく入学した2期生に期待することを質問したところ「eスポーツのスキルアップを期待して入学してきている生徒も多いと思いますが、eスポーツに取り組む過程で社会性や人間力の向上も目指してほしいですね。我々は、そのためのカリキュラムや授業、サポートなどをしっかりやっていきたいと思います。一回りも二回りも大人になってくれることを期待しています。2年生にとっても初めて後輩を迎えることになるので、いろいろな影響があり、成長の機会に繋がっていくのではないかと思います」(松原さん)
同様に2期生を担当する竹田逸平さんは「まず大事なのは、のびのびと楽しむこと。その中で壁にぶち当たったとき、壁に立ち向かうための思考力や壁の乗り越え方などを身につけていってもらえると嬉しいですね」と語ってくれました。
指導にあたっては「eスポーツも(フィジカルスポーツと同様に)メンタルが大切なので、そうした部分のケアや上達のためのプロセスなどもしっかりサポートしていきたいですし、ライフスキルやデジタルスキルを学んでもらうところも意識していきたいと考えています」(松原さん)
「ただ答えだけを教えて最短ルートでうまくなってもらうのではなく、ヒントを出しつつ、ちょっと悩んでもらいながら“考える力”をつけてもらいたいと思います。そのサポートをしっかりしていきたいですね」(竹田さん)
ちなみに、生徒たちはゲームが好きという部分で共通しているものの、その経験は人それぞれで、家庭用ゲーム機でプレイしたことはあってもPCでゲームするのは初めてというケースも多いのだとか。NTTe-Sports高等学院では、そうしたさまざまなレベルの生徒たちに対し、eスポーツのスキルアップはもちろんですが、社会で活躍できるビジネススキルやライフスキルなども提供し、地域で活躍できる人材の育成を図ることで持続的な地域の発展に貢献していくとのことで、今後の展開にもぜひ注目したいところです。
















