
車の暑さ対策は、温暖化に伴って厳しい猛暑が増えている中では欠かせません。熱中症や車の劣化などを避けるためにも、効果的な冷却グッズや暑さ対策について知っておきたいところです。
この記事では、車の暑さ対策が必要な理由と効果的な冷却グッズについて解説。また、駐車中や運転中の暑さ対策についてもご紹介します。
車の暑さ対策が必要な理由
車の暑さ対策が必要なのには、大きな理由があります。ここでは、車の暑さ対策が必要な理由について解説します。
エンジン停止後の真夏の車内温度は50℃を超える
車の暑さ対策が必要な理由として、真夏にエンジンを停止したあとの車内温度が極めて高くなることが挙げられます。一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が2012年8月に行った「真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)」では、正午から4時間で車内温度が50℃を超えることがわかりました。
ただ、車内温度が高くなるのは、真夏だけではありません。JAFが2019年5月に行った「5月ならまだ大丈夫?車内での熱中症の危険(JAFユーザーテスト)」では、車種によっては2時間後に、車内の最高温度は46.5℃に達しています。
人間の細胞は43℃を超える環境だと急激に死滅するとされており、ましてや50℃を超える室温では、生命維持そのものが難しくなるでしょう。季節を問わず、暑さ対策は車内にいる人のために必要なものといえます。
エアコンをつけていても熱中症リスクがある
エアコンをオンにすれば大丈夫と思うかもしれませんが、実はエアコンをつけていても熱中症のリスクはあります。これは、直射日光が窓ガラスから車内に入り込むだけでなく、ボディや路面などの反射熱が車内に入ってきて人間の体を直接温める「輻射熱(ふくしゃねつ)」という現象が起きるからです。
これらにより知らないあいだに体内から水分が奪われ、熱中症になるおそれがあります。そのため、エアコンをつけていても、車内の暑さ対策は欠かせません。
車内に放置したものがダメージを受ける可能性がある
高温になった車内では、スマートフォンやスプレー缶などの放置物にも注意が必要です。JAFが行った2012年のテストでは、炎天下で暑さ対策を行っていない車のダッシュボードは、車内温度が74℃に達していました。
特に注意したいのは、スマートフォンやモバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池の車内放置です。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、リチウムイオン電池の高温下での放置に警鐘を鳴らしています。これは、急速な性能劣化だけなく、膨張したり発火したりするおそれがあるからです。実際に、2020年から2024年までの5年間に起きた火災事故は、6~8月の気温が高い時期が発生のピークとなっており、注意が必要です。
また、スプレー缶は膨張による破裂を招き、サングラスは太陽光を集めることで起きる「収れん火災」を引き起こすなど、大きなリスクが伴います。
車の暑さ対策に効果的なグッズ
車の暑さ対策としてどのようなグッズを用意すればよいのでしょうか。ここでは、車の暑さ対策に効果的なグッズについて解説します。
サンシェード
フロントガラスの車内側にサンシェードを使用することで直射日光を遮り、車内温度が上昇するのを抑制することができます。特にハンドルなどが熱くなるのを防ぐ効果が期待できます。
また、車内に入り込む紫外線を抑制することで、ダッシュボードなど内装の劣化を防いだり、目隠し代わりで車内のプライバシーを確保したりするのもメリットといえるでしょう。また、車内の物が外から見えづらくなるため、車上荒らし対策にも効果的です。
車用遮光カーテン
車の暑さ対策に効果的なグッズとしては、車用遮光カーテンが挙げられます。これは車の窓や窓枠に吸盤やマグネット、両面テープなどで取り付けるものです。遮光等級が高いものを選べば、車内に入り込む直射日光や紫外線をカットできます。車中泊にも使えるのはメリットといえるでしょう。
なお、運転席や助手席の窓に車用遮光カーテンを取り付けたまま運転するのは、ドライバーの視界を妨げることになるので道路交通法第55条第2項の違反になります。普通車で反則金6,000円、違反点数1点が科せられますのでご注意ください。
カーフィルム(断熱フィルム)
車の窓ガラス内側にカーフィルム(断熱フィルム)を貼ることで、車内の暑さを効果的に抑えられます。カーフィルムは遮熱・断熱効果があるだけでなく、赤外線や紫外線もカットしてくれるのがメリットです。透過率が低いものならばプライバシーの確保や、窓ガラス破損時における飛散防止にも役立ちます。
なお、フロントガラスと運転席・助手席側の窓ガラスは、保安基準の関係上、カーフィルムを貼る場合は透明で透過率70%以上のものである必要があります。長年同じカーフィルムを貼り付けていると透過率が低下して車検に通らなくなる場合がありますので注意してください。
車内扇風機(サーキュレーター)
車内扇風機(サーキュレーター)は、エアコンの風を循環させる暑さ対策グッズです。車内扇風機は後席にクリップなどによって取り付けられるので、エアコンの風が届きにくい2列目、3列目の後席を涼しくし、エアコンの冷却効率を上げることができます。
なお、シガーソケットなどから給電するタイプであれば問題ありませんが、リチウムイオン電池で動く充電タイプの車内扇風機は、火災リスクを避けるため使用後に車内放置しないようにしましょう。
車用冷却スプレー
車内で熱くなったハンドルやシートを冷却するのに効果的なのが、車用冷却スプレーです。車用冷却スプレーを数秒間吹きかけることで、高熱になったハンドルやシート、シートベルトアンカー(金具部分)などの表面温度を瞬時に下げることができるでしょう。
なお、冷却スプレーは膨張・破裂のリスクがあるため、炎天下の車内に放置するのは危険です。
運転前・運転中の暑さ対策
運転前・運転中に暑さ対策することでも、熱中症などのリスクを下げることができます。ここでは、運転前・運転中の暑さ対策について解説します。
エンジンスターターでエアコンをつけておく
車外から遠隔で操作できるエンジンスターターで、運転前に車のエアコンをつけておくのは、効果的な暑さ対策といえます。車に乗り込む際の車内の暑さを軽減でき、涼しい環境でドライブを始められるのがメリットです。
ただし、運転前からエンジンを始動させてエアコンを使うため、燃費に悪影響を及ぼす可能性も考慮しましょう。
窓の開閉と外気循環モードを適切に使う
炎天下で高温になった車内温度を、運転開始後すぐに下げるには、窓の開閉とエアコンの「外気循環モード」の併用が効果を発揮します。
JAFによる「夏の駐車時、車内温度を最も早く下げる方法は?(JAFユーザーテスト)」では、車内温度55℃の車の窓を全開にして、エアコンを外気導入モード(温度設定はLo)にして走行開始しました。走行2分後に窓を閉め、エアコンを「内気循環モード」に切り替えてから3分後には、車内温度は28℃まで下がっています。
短時間で車内温度を下げるには、窓の開閉とエアコンのモード切替の適切な使用がおすすめです。
駐車中の暑さ対策
車を一時的に停めているあいだは、サンシェードを活用するなどの暑さ対策は欠かせません。ここでは、駐車中の暑さ対策について解説します。
日陰を選んで駐車する
日陰を選んで駐車するのは、駐車時における暑さ対策の基本といえます。JAFの「夏の車内温度と水分喪失量(JAFユーザーテスト)」で日なたと日陰における車内温度の変化の比較を行ったところ、日なたに停めた車の車内温度は5分で38℃に上昇し、最終的には53℃に。暑さ指数は「危険」を超えるレベルに達していました。
一方で立体駐車場の日陰に停めた車(エアコンオフ)の90分後の車内温度は33℃で、暑さ指数(WBGT)は「警戒」レベルだったことが実証されています。
駐車中は窓を少し開ける
車内の暑さを軽減するには、駐車中に少し窓を開けておくことも効果的です。すべての窓を2cm程度開けておくことで、車内にこもった熱を逃がすことができるでしょう。
なお、防犯上の観点から、窓開けは車上荒らしなどのリスクの少ない、人目につく安全な場所で行うようにしてください。また、急な降雨などで車内が濡れるリスクがあることも想定し、屋内駐車場などで実施するのがおすすめです。
暑い日の車に関する注意点
子供やペットを車内放置しない
高温となった車内に子供やペットを放置すると命に関わるのは言うまでもありません。体が小さく、体温調節が苦手な乳幼児やペットは、たとえわずかな時間であったとしても、車内に取り残さないようにしてください。
高温の車内に子供を放置した場合、保護責任者遺棄罪に問われる可能性があります。降ろし忘れなど故意の放置ではなくても、過失致死傷罪あるいは重過失致死傷罪の適用による拘禁刑や罰金などが科されるかもしれません。
炎天下では洗車しない
炎天下の日には、車を洗車しないようにしましょう。これは、高温のために水滴が拭き取る前に蒸発してしまい、水分中のミネラルが残って「イオンデポジット」と呼ばれる水シミが生じやすいのが理由です。
このような水シミはなかなか除去できないため、真夏に洗車を行う場合は、朝晩の日差しが強くない時間帯か、くもりの日に行うことをおすすめします。
ペットボトルや吸盤による自然発火に注意
暑い日に駐車している車に関しては、ペットボトルや吸盤による自然発火に気をつける必要があります。これは、水の入ったペットボトルや窓ガラスに貼り付けた吸盤などが、虫眼鏡のような凸レンズで太陽光を一点に集中させたときに起きる、収れん火災を引き起こすからです。
サングラスと同様に、飲み残しのペットボトルやカーアクセサリー取付用の吸盤については、直射日光が当たる車内には放置しないようにしてください。
車の暑さ対策を行おう
車の暑さ対策を行うことで、熱中症や車内トラブルのリスクを抑え、夏のドライブをより安心して楽しめます。サンシェードやエアコンの使い方など、できることから取り入れてみましょう。あわせて、万が一の事故や故障に備えて、自動車保険の補償内容を確認しておくことも大切です。更新時期が近い方や保険料を見直したい方は、一括見積もりを活用して、自分のカーライフに合った自動車保険を比較してみてください。
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