ルイ・ヴィトンのビスポーク仕立て!2台の特別なシンガーが登場

カリフォルニアのシンガー・ヴィークル・デザインが、ルイ・ヴィトンとコラボレーションした2モデルを発表した。ひとつはルイ・ヴィトンを象徴するカラーをまとった「Porsche 911 Reimagined by Singer – Classic」。もう一台はルイ・ヴィトンのウィメンズ・コレクション アーティスティック・ディレクターであるニコラ・ジェスキエールが構想したカブリオレ「Porsche 911 Reimagined by Singer – Classic Turbo」である。

【画像】ルイ・ヴィトンとシンガーが共同で発表した、美しすぎる2台の特別な車(写真24点)

ルイ・ヴィトンにとって、車は単なる移動手段を超えた存在だ。それは親密な空間であり、個性の表現であり、「ライフスタイル」を支える柱であるという。ルイ・ヴィトンはそのビジョンを、光と自由に旅するノマドの精神から着想を得て、シンガーの「Classic」サービスを通じて”リイマジン”されたクーペと、「Classic Turbo」サービスを通じて”リイマジン”されたカブリオレという2つの形で表現した。

Porsche 911 Reimagined by Singer – Classic

サフランとコバルトブルーの装いを纏い、トランクやサーフボード、スキー板を積載できる特別設計のルーフラックを備えた「Porsche 911 Reimagined by Singer – Classic」。1世紀半以上にわたりルイ・ヴィトンのメゾンのアーカイブに存在し、20年以上パッケージングに使用されてきたサフランカラーは、シンガーの初期のコミッションと深く結びついた象徴的な色「バハマ・イエロー」にも通じるものがある。さらに、このカラーは1924年にシトロエン用にデザインされたトラベル・トランクへのオマージュでもあり、モータースポーツや自動車の世界と特別な繋がりをもつ。当時のトラベルケースにもすでにコバルトブルーの補強材が内部に使用されていた。つまりこの2色は、メゾンのレザーグッズやトランクのサドルステッチに使用される鮮やかなイエローの糸とともに、ルイ・ヴィトンのアイデンティティを表現する組み合わせなのだ。

中心に据えられるのは、取り外し可能でデスククロックにも変換できる機械式タイムピース。そのデザインは、特徴的なケースフォルムとベゼルに刻まれた12個の「LOUIS VUITTON」の文字で知られるアイコンウォッチ「タンブール」からインスピレーションを得たものだ。1年におよぶ作業を経て、メゾンのデザイナーたちはスピードメーター、タコメーター、各種ゲージを含む細部を”リイマジン”し、針、文字盤の仕上げ、インデックスシステムに至るまで「タンブール」ラインのグラフィックコードを取り入れた。

インテリアの随所にルイ・ヴィトンのシグネチャーが施されている。キャビン全体は、メゾンで最も使われるレザーのひとつであるVVTレザーから着想を得たナチュラルな色合いのレザーで包まれる。ドアハンドルの縁には、ルイ・ヴィトンのバッグと同じ縁染めの技術が施されており、ステッチには黄色い糸が使用されている。シートやフロントトランクのトリム、そしてリアのエンジンルームにあしらわれたダイヤ柄のエンボス加工は、ルイ・ヴィトンのトランクの内部を象徴する「マルタージュ」モチーフを想起させる仕立てだ。その繊細な仕立ては、ルイ・ヴィトンのアイコンであるモノグラム・フラワーが描かれたシートの通気孔や車の鍵にまで至る。

また、ラゲージ類もすべて、車両専用にフィットするようカスタムメイドされている。1950年代のデザインに着想を得たヘルメットバッグはビスポークのヘルメットを収納でき、その金具は燃料キャップの色調に合わせられた。1892年にメゾンが初めてカタログに掲載したスーツケースの系譜を継ぐ「ビステン Bisten」は、ブルーのハンドルとネームタグがあしらわれ、衣類を折らずにシワなく収納できる。1930年の登場以来メゾンのアイコンであり続ける「キーポル Keepall」は、1週間分のワードローブをキャビン内に収納可能。さらにフロントトランク用の2つのバッグは、車のフロント部分に完璧に収まるフォルムに設計されている。

特別仕様のルーフラックは、旅に必要なすべてのアイテムを積み込むことができ、ルイ・ヴィトン特製のサーフボードやスキー板までがラインナップされているという充実ぶりには目を見張るものがある。

Porsche 911 Reimagined by Singer – Classic Turbo

もうひとつのプロジェクトが、カブリオレ「Porsche 911 Reimagined by Singer – Classic Turbo」だ。ルイ・ヴィトンのウィメンズ・コレクション アーティスティック・ディレクターであるニコラ・ジェスキエールのもとで、ターボチャージャー搭載のカブリオレの開発が進められた。

ニコラ・ジェスキエールはシンガーのチームと密接に連携しながら、自身が思い描く理想の車のビジョンを形にしたという。それは、世界や自然、そして人生の喜びに開かれた、太陽の光と深みを肌で感じられるような車であり、カブリオレという選択は必然だった。カラーリングには、セーヌ川を見下ろすポンヌフの歴史的なメゾン本社をはじめ、パリの街並みを形作ってきた白色石灰岩「カルケール・リュテシアン」を思わせるホワイトを採用。そしてインテリアにはクラシックなモーターボートのチーク材に着想を得たウッドが用いられ、ダッシュボードにはルイ・ヴィトンのシグネチャーが記されている。

ビスポークのダッシュボードクロックはステアリングの奥にあるメーター類には組み込まれておらず、代わりにナチュラルレザーで覆われたセンターコンソールの中央に配置されている。そしてその下にあるシフトレバーのトリムには、名品バッグ「ノエ」のシルエットを彷彿とさせるナチュラルレザーの引き紐があしらわれた。

さらに、このダッシュボードクロックは「タンブール オートマティック」とペアになる。この40mmのタイムピースはセラミックとイエローゴールドで仕上げられ、ピンが見えないシームレスなブレスレットを備えている。どちらも身につけていない時には、1896年にジョルジュ・ヴィトンが初めて手がけ、本作のために2ペアで復刻されたトランク「コフレ・トレゾール」に収めることが可能だ。

車載アイテムは枚挙にいとまがないが、いくつかの例を記しておこう。シフトレバーのデザインにも使われた巾着型のシルエットを描く「ノエ」、グローブとサングラスがちょうど収まるコンパクトなサイズ感の「クルーザー」。そして大型ラゲージでは、フロントトランクにあらかじめセットされた3部構成のトランク。これは旅の用途に応じて3つの独立したケースとして取り出すことができる。

ルイ・ヴィトンとシンガーが、互いのもつサヴォアフェール(匠の技)を結集し”リイマジン”したことにより、妥協なきあらたな「動く芸術作品」がここに誕生した。