
現地時間8月1日、米シカゴで開催された『ロラパルーザ・シカゴ』にCORTISが初出演した。デビューから1年にも満たない5人は、巨大なステージでも臆することなく、観客を巻き込むエネルギッシュなパフォーマンスを披露。新曲「MOTION (feat. Juicy J)」ではジューシー・J(Juicy J)もサプライズ登場し、大きな歓声を呼んだ。
2025年11月、東京・Spotify O-WESTで行われた日本初ショーケースを観たライターのMINORIが、約9カ月ぶりにCORTISのステージを目撃。ロラパルーザで見えた5人の進化と、世界へと広がる可能性をレポートする。
2025年11月、東京・Spotify O-WESTでCORTISのショーケースを観たとき、デビューからわずか3カ月ほどとは思えない5人の余裕に驚かされたことを覚えている。ステージの中心に立つMARTINのカリスマ性をはじめ、メンバーそれぞれがすでに明確な個性を持っていた。パフォーマンスの完成度も高く、何より自分たちの音楽を自分たちで作り、表現することへの自信が感じられた。新人らしからぬグループ。そんな印象を強く残したステージだった。
それから約9カ月。現地時間8月1日、CORTISが初出演した『ロラパルーザ・シカゴ』のステージを観て、改めて驚かされた。前回感じた余裕やカリスマ性はそのままに、明らかにエネルギーの総量が増している。というより、爆発している。世界中からアーティストや音楽ファンが集まる巨大フェスに立っているにもかかわらず、5人に腰の引けた様子はほとんどない。むしろ舞台が大きくなればなるほど、それに呼応するようにパフォーマンスも大きくなっていく。まだデビューから1年も経っていないという事実を、途中から忘れてしまうほどだった。
1曲目は、デビュー前から注目を集めた「GO!」。シンプルで耳に残るサビは、CORTISをよく知らない観客でもその場で参加できる強さを持っている。ロラパルーザという場所で聴くことで、改めてこの曲の開かれた魅力に気づかされた。そして目を奪われたのが、5人のダンス。もちろん動きは揃っている。しかし、不思議なほど機械的に見えない。それぞれが全身からエネルギーを放出しながら、好き勝手に踊っているようにも見える。有機的で、荒々しく、生々しい。それでいてグループとしては成立している。さらに、1960年代のサイケデリック・ロックを思わせるギターリフが特徴的で、どこか青春の懐かしさも感じさせる「What You Want」へ続くと、その音楽性もまたシカゴのフェスという環境に自然と馴染んでいく。
そして、ここでCORTISの海外フェスにおける強みをもうひとつ感じた。それはMC。MARTINやJAMESを中心に、英語で観客と直接コミュニケーションを取っていく。海外のフェスでは、どれほど優れたパフォーマンスをしていても、曲間で観客と言葉による接点を作れなければ、ふとステージと客席が分断されてしまう瞬間がある。英語圏外のアーティストにとって、一つのハードルになり得る部分だが、CORTISにはそれがない。
そして2nd EP『GREENGREEN』のタイトル曲「REDRED」に突入すると、会場の熱量は一気に跳ね上がった。観客は歌い、メンバーは踊り、跳ねながらステージを駆け回る。MARTIN、JAMES、JUHOON、SEONGHYEONがアグレッシブなパフォーマンスを続ける一方、KEONHOはDJ卓へ向かい、DJと向かい合ってジャンプ。ステージ後方を真っ赤に染めるVJも相まって、「REDRED」が終わる頃には、そこがCORTISのためだけに用意された会場だったかのような熱気が生まれていた。
MARTINの「What time is it now?」という声に続き、「It's time to ACAI!」。そこから「ACAI」へなだれ込む。激しく踊り、歌いながら、それでも観客への呼びかけを忘れない。ステージと客席の境界線が、少しずつ曖昧になっていく。
そして、この日の大きなハイライト。7月31日にサプライズリリースされたばかりの「MOTION (feat. Juicy J)」が初披露された。ステージに現れたのは、スリー・6・マフィア(Three 6 Mafia)のメンバーとしても知られるジューシー・J(Juicy J)。K-POPグループのステージにジューシー・Jが立ち、一緒に新曲を披露している。その光景だけでも、ヒップホップ好きとしてはかなり衝撃的だった。MARTINは幼い頃からジューシー・J、そしてスリー・6・マフィアに憧れていたそう。「MOTION」もまた、1990年代のアメリカ南部で発展したメンフィス・ヒップホップをCORTISなりの感覚で解釈した楽曲だそうだ。だからこそ、このコラボレーションは単なる「大物海外アーティストの客演」以上の意味を帯びて見える。ヒップホップの歴史や音楽を掘ってきた人ほど、CORTISというグループをもう一度見たくなるような接続であるからだ。
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ジューシー・Jのお決まりのフレーズ「Shut the fuck up!」(裏声)が飛び出せば、会場から大きな歓声が上がる。そして実際に彼のラップが加わった瞬間、ステージの空気が変わった。それまでのCORTISのパフォーマンスも十分に力強い。そこにメンフィス・ヒップホップの歴史を築いてきたジューシー・Jの声が加わることで、楽曲に本場の重心が生まれ、パフォーマンス全体が一段引き締まって聞こえる。さらに興味深かったのが、ジューシー・Jと並んでもCORTISが萎縮して見えなかったことだ。曲を終え、ジューシー・Jがメンバーたちと熱いハグを交わしてステージを去る。JUHOONは興奮を隠すことなく、彼を「GOAT」と称えた。MARTINもジューシー・Jを「big brother」と呼び、デビュー前から一緒に楽曲を制作してきたことを明かした。憧れてきた音楽のレジェンドと同じステージに立つ。その光景自体が、「MOTION」というタイトルが示すように「より大きな世界へ踏み出していく動き」を体現しているようにも見えた。
ライブも後半に差し掛かる。JAMESの「When I say ”Joy”, you say ”Ride”!」というコール&レスポンスから「JoyRide」へ。ここでは一転してレイドバックした空気を作り、ライブに緩急をつける。MARTINやJAMESが熱を前面に押し出す一方、JUHOONは内側にエネルギーを溜めながら、どこか涼しい表情でステージに立つ。そのコントラストも面白い。
「Mention Me」ではKEONHOとSEONGHYEONの低音の響きと透明感を併せ持つ歌声が映え、「YOUNGCREATORCREW」では再びステージの温度が急上昇する。KEONHOがDJと肩を組み、JAMESはDJ卓の上へ飛び乗ってラップ。メンバーたちは汗だくになりながらヘッドバンギングし、全身で音楽の楽しさを表現する。「Wassup」で少し温度を落としたかと思えば、「TNT」で再びアクセルを踏み込む。JAMES、JUHOON、SEONGHYEONがステージを降りてオーディエンスへ近づくと、待ってましたと言わんばかりに観客席から無数の手が伸びる。
そして最後はデビュー当時からの人気曲「FaSHioN」。メンバー全員が再びステージに揃い、最後まで踊り切る。MARTINは観客への感謝を伝え、「またここに戻ってくる」と約束。メンバー5人で「CORTIS!」と声を合わせ、初めてのロラパルーザを終えた。
繰り返すようだが、ロラパルーザのステージを観ながら、何度も「彼らは本当にまだデビュー1年未満なのか」と思わされてしまった。そして同時に、少し大袈裟かもしれないが、「これからは彼らの時代になるのかもしれない」とも思ってしまうような、強い引力を感じた。それくらい、人の目を引き寄せる勢いがある。台風のように周囲を一気に巻き込み、瞬間的にとてつもない風速を生み出すような力。その勢いに、技術とクリエイティビティ、そしてヒップホップをはじめとする音楽への好奇心が重なっている。
東京で観たときには、「この5人はちょっとすごいことになるかもしれない」と感じた。あれから約9カ月。ロラパルーザのステージに立つCORTISを観て、その予感は少しずつ確信に変わり始めている。初見の観客たちまでも熱狂させたロラパルーザの光景を見ていると、CORTISが世界を巻き込んでいく未来は、もうそれほど遠いものには思えなかった。
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