
ロッテの先発台所事情は非常に苦しい。今季から加わったジャクソンがチーム最多の104回1/3を投げ7勝を挙げているが、主力先発陣、ベテラン、期待の若手が思うような働きができずにいる。昨季まで5年連続規定投球回を達成している小島和哉の奮起に期待したいところだ。
小島は前半戦最後の登板の7月22日の楽天戦、9回・141球、9被安打、6奪三振、1与四球、2失点の熱投で3勝目を手にした。
前回登板の楽天戦では、8-0の6回一死走者なしでYG安田に1ボールから2球目の外角128キロチェンジアップ空振り、続く3球目124キロチェンジアップ空振りを奪うなど、左打者にもチェンジアップを多投。
「左にフォークを使うことが多かったんですけど、チェンジ(アップ)使ったらどうかなとここ2、3試合くらい試していました」
左打者にチェンジアップを再び投げるようになったきっかけについて訊くと、「フォークとチェンジが区別があまりつかなかったので、一括りにして縦変化という使い方にしていたんですけど、どちらかというとチェンジとフォークがしっかり投げ分けができている感覚があるので左バッターにもチェンジとフォークで差をつけたり今できてきている」と明かした。
右打者に対しては、前回登板の楽天戦では、2-0の2回二死一塁で太田光を2ボール2ストライクから投じた6球目空振り三振に仕留めたインコースの133キロスライダーを始め、インコースのスライダーが良かった。
「それがあってその次の打席にスライダーを打たれてしまったので、あそこをもうちょいマウンドに行く前にしっかりといつも見ているんですけど、入りを何で入ったかとか、結果球がなんだったかしっかり頭に入れていたらミスがなかった。ちょっともったいなかった」と、続く7-0の5回二死走者なしの対戦で、2ボール2ストライクからスライダーをレフト前に安打を許したことを悔しがった。
カットボールも、10-2の9回二死走者なしで小深田大翔に1ストライクから2球目の外角142キロカットボールで空振りを奪うなど、いつもより速いカットボールを投げ込んでいた。
「一時期あまりよくなくて、ジャッキー(ジャクソン)に教わってよくなって、そこからちょっとあんまりよくなくなった。またジャッキーに教えてもらったのが、2回目の教わったのがしっくりきている。日々上手くなるように得意な球種の人に聞いて、自分のためになるようにと思ってやっています」
小島によると、ジャクソンのカットボールは「キャッチボールをしていてもすごく怖いので、捕りにくい。速いけどしっかり回転がかかっていますし、曲がっているというか、理想は真っ直ぐが単純に引っかかったみたいな。最近それでカットもスピードが出てきたので、いいなとは思っています」とのことだ。
ストレートも前回登板の楽天戦では、「体力はもともと自分でもあると思っているので、本当は球数少なくして楽に投げるのが一番良いですけど、球数を投げられるのは自分の持ち味だと思うので、良かったと思います」と、10-2の9回一死走者なしで平良竜哉に1ボール1ストライクから148キロストレートで空振りを奪うなど、最終回でも145キロ以上を計測。
ストレートに関しては、6月27日のソフトバンク戦は2回3失点、7月5日のソフトバンク戦は3回3失点、7月12日のオリックス戦は5回3失点と早いイニングでの降板だったが、145キロ以上の力強いボールを投げ込んでいた。
7月18日の取材で「7回まで投げられた時とか、強みはなんだろうと1回書き出したりとかして、やっぱり真っ直ぐだよねという話になった時にちょっとその真っ直ぐが力んで強さを出そうとしている感じがちょっと強かった。駒で言うと手先の部分を走らせようとしていたんですけど、根本となる真ん中の軸をぴゅっと回したら、それにつられて外側が早くなるような感じが自分の良さだよなと。色々メニューとか修正する1週間にして、その感じもあったのか、まっすぐもだいぶ良かったので、この感じの力感でこのスピードが出るんだと言うのは前回(7月12日のオリックス戦)ありましたし、うまく行ったと思うので、それをしっかり続けることは大事かなと思います」と、その結果が22日の楽天戦の完投勝利に繋がった。
投げているボールは良かった中で、早いイニングでの降板が続いたのは打者との兼ね合いもあったのだろうかーー。
「それもあると思いますし、球がよかったら打たれないのかと言ったらそう言うわけでもないので、バッター、バッターで必要な選択の部分があると思います。例えばコースも高さもどっちも完璧な球を目指さなきゃいけない時もあれば、コースは多少緩くても高さだけ出していればと言う時もあります。逆に高さだけ気をつけたら、コースが高め、低めだろうといいと言う場面もある。その辺の考え方だったり、失敗の仕方はすごい大事かなと。これを意識したからといって全て防げるのかと言ったら、ピッチャーはそう言うモノじゃないので、打たれる時もありますけど、しっかり前向いて野球が上手くなるために毎日考えて練習はできているかなと思います」
現在チームは借金6。3位・日本ハムまで9.5ゲーム差とかなり離れているが、上に行くためには勝ち続けるしかない。そのためには、例年8月以降に強い小島和哉が当たり前のようにHQS(7回自責点2以内)をクリアし、チームに勝ちを呼び込むような投球が必要だ。「試合は1試合ずつしか来ないので、まずはしっかり次の試合に自分の一番いい状態で臨めて、尚且つ自分の良いところを出せるような試合をたくさん作れれば、自ずと結果はついてくると思うので、一喜一憂せずに頑張りたいと思います」。チームが浮上するためにも、エースの意地を見たい。
取材・文=岩下雄太