
Lavtが8月2日(日)、東京・恵比寿LIQUIDROOMにて、全国4都市を巡るツアー「Lavt 3rd One Man Tour "RE:BORN"」のファイナルを迎えた。本公演にて、LavtはSony Music Labels内のレーベル・Ki/oon Musicよりメジャーデビューすること、8月19日にメジャー1stシングル『未練』を配信リリースすること、及び、2027年2月より全国ツアー「Lavt 4th One Man Tour "Origin"」を開催することを発表した。オフィシャルレポートを掲載する。
Lavtは、自身3度目のワンマンツアーに『RE:BORN』というタイトルを冠した。活動を始めてまだ3年ほどで、新世代を象徴するアーティストとしてフレッシュな輝きを放つ彼が、しかもメジャーデビュー直前のタイミングで、なぜ「生まれ変わる」というテーマを掲げるのかと私は少し不思議に思っていた。しかし、持ち曲20曲をすべて放出した2時間のライブを観て思ったのは、これ以上に相応しい言葉はなかったということ。Lavtの「RE:BORN」が意味するものとは、ここまでの自分を捨てるとか、過去の自分を否定するとか、そういうことではない。自分に覆っていた殻を破るように、自分で作っていた壁を自ら壊すように、Lavtは勇敢な一歩を踏み出した。この日のLavtは、約半年前の2度目のツアーで観た彼からは「生まれ変わった」と思わせるほど、次元の異なる強度を持ったライブ表現を繰り広げた。

開演時間になると、海の中にいるかような澄んだ青色に染まるステージに、徐々に鼓動のスピードを上げていくSEが流れた。そして、うしろからオレンジ色のスポットライトがLavtにあたると、”涙のスイマー”で幕開け。”欠片”では「全員で歌え!」と誘って<ただ愛していこう、この心を/持ち合わしていこう、この弱さを>と、自分を抱きしめる言葉を大きな声で一斉に発する。最初のSEが見事に助走として機能し、続く”飛行船”まで、序盤にもかかわらずアクセル全開な状態でLavtとオーディエンスが全力でぶつかり合い、早々に熱気は凄まじい温度に達していた。
六畳半の部屋から大気圏を突き破っていく様を歌った”涙のスイマー”からこの日のステージを始めたLavtだが、SEからこの3曲の時点で、すでに彼のソングライターとしてのアイデンティティがはっきりと表れていた。Lavtは、海の底から太陽までを描ける人だ。息ができない場所とできる場所の境界線での揺れ動きを繊細に描写しながら、深い暗い海の底も、そこから見える光も、飛行船に乗って空飛ぶ夢を見失わない心も、水面から顔を上げたときの気持ちよさも、すべてをキャッチし音楽に落とし込んでいる。

”都会病”と”モルト”をグルーヴィーなベースと艶やかなギターソロからの鋭いカッティングで繋げて、この2曲では色気を漂わせた。”モルト”ではギターを置いてマイクを持ちながら動き回るLavt。そこからタイトな4つ打ちビートに乗せて「初めまして、Lavtです! 全員で飛ぶ準備はできてるか!」という挨拶とともに、”有象無象”で自ら大胆に飛び跳ねる。どんどん軽やかに、自由になっていく。それに合わせてフロアも大勢が一斉にジャンプし、会場の後方から見える景色はぐんぐんとエネルギーに満ちたものへと変化していった。さらに、キックがズドンと身体を震わせるダンスミュージック”アルコール”でも、何度も「踊ろうぜ」と煽っていく。
そうやって一気に7曲続けたあと、「すっごい元気! 熱気がすごい! この前に誰かライブしてたんかなと思うくらい」とびっくりした様子を見せる。初っ端から場を掌握し、フロアに火をつけたのは他の誰でもない、Lavt自身だ。
さらにフロアを高みへと連れていこうと「今日は歌って踊って最高の1日にできますか?」とアジテートしてから、Lavtを世に知らしめる大きなきっかけになった”L4DY”、そのまま間髪入れずに”パラソムニア”。8、9曲まできても、Lavtもオーディエンスもアクセルを緩める様子は一切ない。しっかりとリズムで踊らせるダンスミュージックを愛し、自身で作詞作曲から編曲までデジタル上で作り上げることもできるLavtだが、加藤綾太(G)、森夏彦(B)、吉田雄介(Dr)というメンバーとともにステージ上で鳴らすと、一つひとつの楽曲に肉体性が帯びて、Lavtの根底にあるロックバンドへの愛と憧憬を感じさせた。



6月にリリースしたEP『solitude』収録曲である”サイレン”を歌い始める前、Lavtは「RE:BORN」というテーマにつながる自分の気持ちを語った。これまでは自分について曲を書くのは恥ずかしかったこと。自分の中の「明るくなれない瞬間」を曲にすることが正しいのかどうか悩んだこと。でも実際にリスナーのもとへ届くと前向きな反応が返ってきて救われた気持ちになったことーー。そして”サイレン”を、両手をマイクに添えながら、まっすぐと前を向いて歌った。そこには、自分を出すことの怖さを打ち破ったLavtがいた。
”サイレン”の強烈な余韻が流れる中、”雨に打たれて”で一人ひとりの心をそっと撫でるような優しい時間を作ったあとは、雨が上がったあとの夕焼けを思わせる光の中で”オレンジ”、”カゲロウ”と、センチメンタルさの際立つ楽曲で心を落ち着かせる間を与えた。
「ここから踊る準備できてる? 一緒に踊ろう」と呼びかけてから始まったのは、いよいよ終盤に向かってボルテージを上げていくゾーン。鮮やかなギターリフのイントロから始まる”デイジー”は、サビ頭でみんなが合唱する<デイジー>というフレーズとメロディに、心の湿気を吹き飛ばしてくれるほどの力が宿っている。”HOLD ME”では、オーディエンスが目一杯腕をステージのほうへと向けて、<HOLD ME TIGHT/HOLD ME RIGHT>と歌った。「みんなが一緒に歌ってくれると、(心に)くるものがあるんですよ。自分の作った曲をみんなが口ずさんでくれるのはめちゃくちゃ嬉しい」と、ここでも自分を出した音楽が受け入れられることへの喜びを隠さない。

そしてここで、今回のツアー「RE:BORN」に込めた思いを語り始めた。
「(Lavtという名前で活動する中で)自分の感覚が追いついてない感じがあったんですよ。『よし、今からLavtや』みたいな感じでライブに出る日もあって。それにはいい効果もあったんですけど、自分の知らないところでLavtというキャラクターが一人歩きしていく感覚があったんですよ。これから先は、Lavtじゃない自分とLavtとしての自分を、ちゃんと手を合わせたかったんです。それが願えばいいなという、一種の願掛けみたいな感じでこのタイトルをつけたんですけど、それが本当にだんだん叶ってきているというか。自分を出せている感じがあって今本当に楽しいです、ありがとうございます」
そういった気持ちから自身をさらけだして綴った”voicemail”は、<ほら鈍感な人間にはもう/鈍感に当たっていい>というフレーズが特に気に入っているという。”voicemail”の<ゼツボウゼツボウリピート>のシンガロングも、次の”クラッシュバック”の<Ah〜>も、メロディに乗せれば嘆きは美しい声に変わることを証明する。”voicemail”の最後には、Lavtのギターソロでも歓声を巻き起こした。自分の悲しみを音楽の中で爆発させる方法を見つけたLavtの姿が、そこにはあった。
最後は「おい! おい!」とシャウトが湧いて、サビではタオルを振り回した”感情的侵略”、ヘヴィなサウンドからロックバンドの先人たちへの愛を感じさせた”JOOOOKE”で、本編はゴールへと進んでいった。
アンコールに呼ばれて再びステージに上がったLavtは、まず新曲を初披露した。清らかで太い芯のあるLavtの歌声に乗せて<この先もずっとこの未練は/宝物になるさ>という1行が光る曲で、タイトルは”未練”だ。悲しさも頭にこべりついているネガティブな出来事も、引き連れていけばいいと教えてくれる一曲。それが綺麗事に聴こえてこないのは、そういったこともすべて音楽にして誰かが受け取ってくれたら、こんなにも救われるし笑えるのだ、ということをLavt自身が知ったから。

”未練”を歌い終えたあと、この曲でメジャーデビューすることを発表すると、この日一番大きくて長い拍手が湧いた。一生に一度しかないこの瞬間を噛み締めるLavtと、祝福の気持ちを精一杯伝えようとするオーディエンス。そしてLavtは、メジャーデビューに対する自分の想いを語った。「メジャーデビューしてからもみなさんとの楽曲の距離はそのままにしておきたいし、これからも温かい歌というか、みなさんのそばに置いておけるような歌を作れたらいいなと思っています」「Ki/oon Musicということは、僕が音楽を始めるきっかけになったASIAN KUNG-FU GENERATIONさんと同じレーベルです。”君という花”を聴いてベースを始めたLavt少年をここに呼んであげたい! めちゃくちゃ嬉しいです」。
最後は”ユウウツダンスフロア”で、この日LIQUIDROOMのステージに付け加えられた特別な照明までも暴れるように光る中、<DANCE IN THE PARTY yeah>のシャウトで憂鬱をすべて晴らすようにしてこの日のライブは終わった。しかしLavtがステージを去ったあと、BGMとして再生されていた”voicemail”が鳴り終わるまで、ほとんどの観客はその場に残ったまま、ライブが続いているかのような熱気を見せた。前回のワンマンライブでも、オーディエンスはLavtの曲が大好きで切望しているのだという熱狂が印象的だったのだが、その熱量を増幅させながら、さらに規模を拡大している。それは新人アーティストが簡単に成せることでは決してない。
続きは、この日アンコールで発表されたワンマンツアー「Lavt 4th One Man Tour "Origin"」へ。「どんどんいいライブをして、どんどんいい曲を作る覚悟でいますので、よろしくお願いします!」と宣言したLavtのメジャーデビューという新章が、ここから始まる。
Text by 矢島由佳子
Photo by Goku Noguchi
■セットリスト
1. 涙のスイマー
2. 欠片
3. 飛行船
4. 都会病
5. モルト
6. 有象無象
7. アルコール
8. L4DY
9. Parasomnia
10. サイレン
11. 雨に打たれて
12. オレンジ
13. カゲロウ
14. デイジー
15. HOLD ME
16. voicemail
17. クラッシュバック
18. 感情的侵略
19. JOOOOKE
アンコール
En1. 未練 ※新曲 / メジャーデビューシングル / 8月19日配信
En2. ユウウツダンスフロア
<リリース情報>
Lavt
メジャー1stシングル「未練」
2026年8月19日(水)配信リリース
<ライブ情報>
Lavt 4th One Man Tour"Origin"
2027年2月11日(木・祝)福岡BEAT STATION
2027年2月13日(土)仙台MACANA
2027年2月27日(土)札幌SPICE
2027年3月6日(土)心斎橋BIGCAT
2027年3月7日(日)広島CAVE-BE
2027年3月14日(日)名古屋CLUB QUATTRO
2027年3月20日(土)金沢AZ
2027年3月28日(日)渋谷 Spotify O-EAST
前売 ¥5,500
最速先行:受付期間:8/2(日)19:00 ~ 8/16(日)23:59
受付URL:https://eplus.jp/lavt/
Lavt HP https://lavt.jp/